学校でびっくりっ!
ぶい――――んバイクが迷惑な音をたてながら猛スピードで走行している。
ヘルメットもつけずにこんな速度を出していいのだろうか乗っているのは北條学園の制服を身につけている虎神アキラだった。
せっかく早起きしたのにリースとの口論のせいでいつの間にか学校の登校時間に間に合わなくなっていたのだ。
「なぁ、リース」
「なぁに?」
リースが服の内側から顔をだしてくる。
口調からして朝の事は全然気にしてないようだ。
口論のせいで遅刻確定のアキラもあまり気にしてないらしい。
遅刻はアキラにとって珍しい事ではないからだ。
猛スピードをだすのは風が気持ち良いかららしい。
「お前さ、腕輪の中に入れんだろ。そろそろ中に入っとけよ」
「なんで〜?」
「もうすぐ学校だからだよ。他のヤツらに姿見られたら面倒なことになりそうだからな・・・」
確かにリースみたいな生物が学校中を飛び回ったら大スクープになってしまう。
しかもカワイイ姿をしてるのだ、マニアな男に捕まったら一生監禁されるかもしれない。
「大丈夫だよ、力のない人間には私の姿見えないんだからぁ」
「いいから入ってろ」
「それじゃつまんないよ〜」
普通の人に姿を見られないのはいいがリースと喋ってる所を第三者に見られたらおかしい人だと思われる。
こいつ独り言で何言ってんだとか思われてしまう。
などと話している間に校門の前についた。
アキラが通っている北條学園は小中高大まであるかなりでかい学校だ。
ガシャン。
学校の駐輪場にバイクを止めたアキラはゆっくりと高等部の校舎に向かっていく。
げた箱で靴を履き変えて三階にあるじぶんのクラスの2―Aの教室のドアを開けたガラガラガラガラ・・・今は数学の時間らしかったが生徒達の目線がアキラに注がれる
「おいアキラ!また遅刻かよ」
アキラの友人の佐倉大介がからかってきた。
教師が不愉快そうな顔しているがそれを無視して自分の席に座る。
だが隣の席にも不快そうな顔をして睨んでくる人物がいる。
生徒会長の有栖川真衣だ北條学園はかなり有名な学園で偏差値も高めの、いわゆるちょっとしたエリート学校なのだ。
そんな学校に毎日遅刻をして、テストの点数も低いアキラが未だに在学しているのが相当気に入らないらしいまあいつものことだが・・・
「・・そんなににらむなよな・・・・」
アキラが誰にも聞こえないような小声でぼそっと言ったのが聞こえたらしい。
ものすごく怒気が伝わってくるキーンコーンカーンコーンその時ちょうど授業の終わりを告げるチャイムがうるさく鳴り響いた教師がもうすぐテストだからなと言いながら退出し、一気に生徒達が騒がしくなる。
この席に座ってるといつものように有栖川が説教じみた事を言ってくる。
アキラは素早く席を立とうとしたがガシッと腕を掴まれた
「待ちなさい、虎神アキラ」
「…なんだよ」
「あなたまた遅刻して・・・・やる気ないならさっさと学校やめなさいよ!」
いきなりキツイ言葉だがまあいつも言われているのでアキラはあまり気にしないでいる
「あのなあ・・・なんでお前にそんなこと言われなきゃいかないんだよ・・・」
「私はこの学校の生徒会長よ、言って当然でしょ。だいたいあなたみたいな成績悪くて遅刻して問題ばっかり起こしてる生徒がいまだに退学されないなんて奇跡よ奇跡。これじゃあこの学園の株も下がっちゃうわよ」
有栖川真衣は有栖川財閥の令嬢でびっくりするほどプライドが高い。
まあ頭が良くて、なんでも得意でしかも美人じゃ仕方がない。しかしホントに言いたい放題だな。
「分かった分かった・・・・・・分かったから説教はやめてくれ」
このままでは貴重な休み時間が潰れてしまうため適当に話しを終わらせたいアキラは謝るフリをした。
「全然心がこもってないじゃない」
と、つっこまれたがそれを無視して席を離れた
このペースだと完結までに相当かかるね