浴室でびっくり
朝・・・・爽やかな日差しがカーテンのスキマから差し込んできている・・・いつも寝坊しているアキラは、めずらしく早朝に目を覚ました。
「眠・・・・」
アキラはいかにも面倒くさいといった様子で顔だけを動かし時計を見た。
時刻は午前6時を数分過ぎている。
「まだこんな時間か・・」
気がつくと寝間着が汗でビショビショになっている。
アキラが珍しく早く起きてしまった原因はこれだった。
「すげー汗だな・・変な夢見ちまったからな」
と、アキラは何気なく自分の右腕を見た
「っえぇ!?」
声にならない声が部屋に響いた。
無理もない、驚くべき事に腕には夢で見た腕輪がしっかりとはまっていたのだ
「ただの夢じゃなかったのかっ・・!」
数秒の沈黙のあとアキラは夢での出来事を思い出した。
悪魔や闇の住人に魂を狙われてる事、腕輪から力を引き出せる事、そしてレッドと名乗る異人のこと・・・・・・・不思議と記憶に残っていた
「信じられない夢だ・・・まぁどうでもいいか」
などと他人事の様に言いながらアキラは風呂場に向かった。
今はとりあえず汗のベトベトと微妙な気分をシャワーでスッキリさせたかったのだ浴室に行きソッコーで服を脱ぎ湯浴みをしていたアキラはふと思った
「邪魔だなぁこの腕輪・・・」
確かにシャワーを浴びているとき腕輪を付けているのは邪魔だ
「はずしちまうか」
ガチャガチャガチャと腕輪を外そうとする
「外さない方がいいと思うわよぉ」
「・・・」
どこからか声が聞こえてくる
「・・・・今女の声が聞こえてきたような・・・」
辺りを見回すが誰もいない。フロ場だから当たり前なのだが。
「なんだ気のせいか・・・・・・ビックリしたな」
「気のせいじゃないわよバカ!」
「!?バカだと」
今度は確実に声が聞こえてきた、しかも腕輪からだ。
アキラは驚いて腕輪を見る、すると腕輪からなにかが飛び出てきた。
「うわっ!」
驚いて声を上げたアキラはよーく眼を凝らして腕輪から突然出てきたモノを凝視した。
「・・女・・?・」
なんと腕輪から女の子が出てきたのだ。
しかもこれが超かわいい。
おもわず触りたくなる様なキレイな肌と髪、整った顔と印象的な大きくて青い眼、バランスのとれた体に似合う大きな胸。
男だったら絶対彼女にしたいっていう様な美少女だった。
しかし残念なことがあった。
肉体のサイズが20センチもない。
体のサイズが人形ほどしかないのだ。
さらに背中から羽の様なモノが生えていてフワフワと浮いている。
どー見たってただの人間じゃない。
幻でもない。
もしかしたらレッドの言っていた悪魔かもしれない。
アキラは自分の事をバカ呼ばわりした美少女を警戒して睨む
「俺の魂を狙いにきた悪魔か?」
美少女はため息を吐きながら喋りかけてきた。
「私をなんだと思ってるの?こんな美少女が悪魔のワケないでしょ!」
自分で美少女と言ってるのは置いといて、よく考えたら腕輪から出てきたのだ。敵ではなさそうだ
「じゃあ何者なんだよ。俺はお前みたいな生物見たことないぞ」
「お前じゃないわよ!私は精霊のリース!レッドから聞いたでしょ!」
「精霊のリース?全然しらないぞ」
「その間抜けな顔・・本当に私の事聞いてないみたいね。」
「・・・・それでなんの用だよ精霊さん」
アキラは少し声を低くして尋ねた。
バカとか間抜けとか言われて多少カチンきているようだ
「私はアンタのお目付け役になるようにレッドに頼まれたのよ。腕輪だけあっても一人じゃすぐ殺されるだろうからって」
「ふーんお目付け役ね。どうでもいいから出てってくれないか」
アキラはシャワーを浴びていたので裸だ。
例え人間じゃなくても女の子に裸を見られるのはやっぱり恥ずかしいのだ。
アキラの言葉などまったく無視してリースが声を上げる
「そういえばアンタ、腕輪を外したらダメよ。いつ悪魔や魑魅魍魎に襲われるかわからないんだから!それがないと変身できないのよ!」
それを言うために腕輪から出てきたらしい。さすがお目付け役だ
「分かった分かった腕輪は外さないって。だからどこかに行ってくれ。こっちは裸なんだぞ」
それを聞いたリースは妖艶な笑みをうかべる
「恥ずかしがらなくていいわよぉ別に。しばらくは一緒に生活するんだから」
と笑顔で言ってきたリースにアキラは質問する
「しばらくってどれくらいだよ」
「まぁアンタが一人前になるまでかな・・・・。それまでよろしくね」
チュ☆挨拶がわりみたいにリースがアキラの頬にキスをしてきた。
ちょっと嬉しいが多少不安がよぎる。
リースが目の前に現れてきた時点で逃れられない運命のパズルの一部になってしまった気がしたからだ、今起きている事は夢でも妄想でもない現実なんだと言われようだった。
アキラが少し照れながら口をあける
「なぁ、俺の魂ってそんなにすごいのか?悪魔共が狙ってんだろ?」
「相当にね。いろんな奴らに狙らわれてるのは確かだよ」
「やっぱりそうか・・・・・そんな危険があるならなんでレッドはもっとましな精霊をよこしてくれないんだ?もっと頭の良さそうな奴がよかったな」
アキラが少し嫌みの入った言葉を投げかける。
するとリースが少し涙ぐんだ目でこちらを睨んできた。
「・・どーゆー意味よぉ!」
(やっぱりバカそうだなコイツ。
自分の事美少女とか言ってたもんな。
それとも精霊ってみんなこうなのか?)
この後言葉の格闘が多少続いたのは言うまでもない・・・・・・・・・・
結局アキラはあまりスッキリする事ができなかったができなかった
なんか会話が成り立ってない気がする・・・・コツがあったら教えて下さいお願いします