表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/197

12月17日(火):飛行機の日

飛行機の日。ライト兄弟が世界で初めて空を飛んだ日だと、山本家の朝食中におじいちゃん、勝が教えてくれた。


「ライト兄弟って知ってるか、海斗?」

「うーん、飛行機を作った人?」

「そうだ!今日はその記念日なんだぞ。」勝が微笑む。


そのやりとりに結衣がクスクスと笑いながら、温かいスープをよそう。

「でも、私も詳しく知らないかも。どんな人たちだったの?」


勝は一瞬考えてから、まるでおとぎ話を語るようにゆっくりと話し始めた。

「兄弟で夢を追いかけたんだ。大空を飛ぶことをね。失敗もたくさんしたが、諦めずに挑戦し続けた。そして、1903年の今日、ついにその夢が叶ったんだよ。」


その言葉に海斗の目が輝いた。

「すごい!僕も大空を飛んでみたいな!」


翔太が新聞をたたみながら言った。

「いいじゃないか。夢を持つのは大事だぞ。」


「じゃあ、パパも昔、空を飛びたかった?」海斗が無邪気に尋ねると、翔太は少し考える仕草をしてから答えた。

「そうだな…俺はどちらかと言えば地に足をつけた夢だったかな。けど、お前の夢はどんどん飛ばせ。」


愛が少し照れくさそうに口を開く。

「でも夢って、現実を見るのも大事だよね。絵を描いてても、やっぱりプロになるのって簡単じゃないし。」


勝が優しく頷きながら、孫たちに目を向けた。

「夢ってのは、追いかける過程が大切なんだ。飛べるか飛べないかじゃない。ライト兄弟も、失敗から学んで、それを積み重ねていった。愛、お前もそうだろ?」


愛は少し驚いたような顔をして、静かにうなずいた。

「…そうかも。」


結衣が話をまとめるように微笑みながら言った。

「じゃあ今日は家族みんなで、自分の夢について話してみるのもいいかもね。」


その日の夕方、山本家のリビングでは、家族それぞれの夢が語られた。

翔太は「もっと時間をうまく使える人になりたい」と真面目に話し、結衣は「将来、カフェをもっと多くの人が訪れる場所にしたい」と目を輝かせた。

愛は「いつか自分のデザインで人を喜ばせたい」としっかりした声で伝え、海斗は「大空を飛び回る冒険家になりたい!」と元気よく叫んだ。


そして、勝が締めくくるように言った。

「夢を追いかける限り、毎日が特別な記念日になる。ライト兄弟のようにな!」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ