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4月25日(金):世界ペンギンの日

その日は、学校から帰ってきた海斗が玄関を飛び込むなり、リビングに向かって大声で叫んだ。


「ただいまー!今日は世界ペンギンの日だよ!知ってた?」


キッチンで夕食の準備をしていた結衣が笑顔で答える。


「知ってるよ。海斗はペンギンが好きだものね。でもなんで今日がペンギンの日か、知ってる?」


「うーん、詳しくはわかんないけど、学校の先生が『ペンギンが繁殖を終えて海に戻る日』って言ってた!」


「正解!」と、ちょうど仕事から帰宅した翔太が声をかける。


「へえ、お父さんも知ってたんだ?」海斗が感心したように言うと、翔太は得意げに胸を張った。


「そりゃそうだろ、海斗の父さんだからな。でも、ペンギンのことって意外と知らないこと多いよな」


そのやりとりを聞いていた勝が、新聞を畳みながら口を挟んだ。


「じゃあ、せっかくだからペンギンクイズ大会でもやるか?」


「いいね!クイズ大会しよう!」と海斗が跳び上がると、キッチンで料理をしていた結衣が微笑んだ。


「じゃあ夕食の後でやりましょうか。海斗、問題作れる?」


「もちろん!僕、学校でたくさん習ったんだから!」


そのやりとりを聞いていた姉の愛が2階から降りてきて、興味深げに言った。


「海斗、本当にちゃんとしたクイズ作れるの?」


「お姉ちゃん、僕の知識をバカにしてるな?絶対負けないクイズ作るから、覚悟してよね!」


愛は軽く肩をすくめながら笑う。


「いいよ、楽しみにしてる。」


夕食の準備が整い、家族が食卓に集まると、結衣が用意したのは魚料理を中心にした献立だった。


「今日はペンギンの日にちなんで、魚料理にしてみました。海の生き物つながりで、ペンギンになったつもりで召し上がれ」


海斗が大きな目を輝かせる。


「すごい!僕、ペンギンになった気分で食べる!」


「海斗、それペンギン語で話したらもっとリアルじゃない?」と愛がからかうと、翔太が面白そうに頷いた。


「じゃあ俺もやろうかな、ペンギン語」


食卓が一気に笑い声であふれる中、食事が終わると早速クイズ大会が始まった。


海斗が最初に問題を出す。


「問題!ペンギンはなぜ氷の上で滑るように移動するのでしょうか?」


「はいはい!歩くより速いから!」と翔太がすぐに答えた。


「正解!次の問題!ペンギンのオスとメスはどうやって区別するでしょうか?」


家族みんなが困った顔をしていると、愛が少し真面目な顔をして答えた。


「色や見た目ではわからないから、DNAとか血液検査で調べるんじゃない?」


「すごい!お姉ちゃん正解!」


「ふふん、まあね」と愛が誇らしげに胸を張る。


その後もクイズは盛り上がり、最後に勝が質問を出した。


「では最終問題。ペンギンはなぜあんなに仲間とぎゅっと寄り添って立つのでしょうか?」


海斗が手を勢いよく上げる。


「はい!寒さを防ぐため!」


勝は満足そうにうなずく。


「正解だ。ペンギンは寒さの中でも助け合って生きている。これは人間の私たちにも通じる大切なことだね。」


クイズ大会を終えて、家族がそれぞれにリラックスしながら話す中、海斗がふと口にした。


「僕たち家族も、ペンギンみたいにずっと寄り添って助け合っていこうね!」

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