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リセット:The collapse of the world  作者: 不破いのり
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宗教団体急襲作戦Ⅰ

2ヶ月前

「湯川さん!これ見てください!ここ1週間で20人、半径5キロの県内で行方不明者がこれだけ出ています!」

「失踪届がここまで出るのは異常ですよ!」

零課の若い男、半田は零課室長の湯川に報告した。

「そうだな、これはルーファス預言のもので間違い無いだろう。」

「半田、総監に情報規制の依頼を、そして20人の足取りを追ってくれ、また今後さらに行方不明が増える事も予想されるからSNSの監視と規制を頼む。」

湯川は部下の半田に指示を出した。

「別件の調査に行っている冨田達にも終わり次第早急に戻ってくるように伝えておく。」

「わかりました!失踪者全員の調査と情報規制やっておきます!」

半田は警視庁トップレベルのプログラミングスキルを持った捜査官だ。

2つのモニター2つのパソコンを使いながら両手でそれぞれを操作し捜査を開始した。

2日後23人目の行方不明者が出た頃、冨田含め他の捜査官2人が帰還した。

「帰ったよ、こっちの任務は白だったよ。」

「ところで行方不明はどうだい?」

冨田は零課対策室へ戻り早々に事件の確認をした。

「現在半径500mの所まで絞れています!、ただ周辺がコンビナートや倉庫地帯となっていてカメラがなく私ではここまでだと思います。」

半田は2日間の成果を冨田へ報告した。

「ここら辺の倉庫って賃貸とか売買に出てた形跡はない?」

零課唯一の女性捜査官、茶色のスーツを着用し茶髪ロング、日本人離れしたフラッとした細身長身の永井が質問をした。

「少し待ってください!すぐ調べます!」

半田はとても元気に答えた。

緊張するのだ、あまりにも永井が美人で。

「ありました!ここの倉庫つい3週間前売買契約が成立しています!」

半田はモニターに映し出された衛星写真に指を挿しながら永井に報告した。

「そこの売買契約誰が買ったか調べられる?」

永井は半田に顔色ひとつ変えずに聞いた。

気がないのだ半田には。

ただの後輩としか思っていないのだ。

「調べられます!5分ください!」

半田は頼られてとてもいい気分になっていた。

もう同じようなやりとりを1年もやっているのに。

一方、湯川と冨田は大きな円卓テーブルの横と横に座りお互いの報告をし合っている。

もう一人は自分のデスクでコーヒーを飲みながら英気を養っていた。

「出ました!」

半田は永井を見ながら言った。

「この倉庫を買ったのは松本という男です!」

「顔写真出します。」

半田はパソコンを操作し対策室にある大きなモニターへ投影した。

普通の男だ。

皆そう思った。

「この男かなり怪しいです。」

半田が顎に手を当て調べ進めた内容を話した。

「この男4週間前に会社を辞めています。

辞めた後の足取りは不明でした。そして5ヶ月前にあった少女薬物事件の親です。」

半田は現在調べ上げれる限界のところまで調べた。

「ありがとうございます。恐らく黒でしょう、早速調査しましょう。」

永井はさっき帰ってきたばかりなのにもう出る気だ。

「もうでるのかい?」

湯川は永井に聞いた。

「はい。私は倉庫に向かい実態を見てこようと思います。」

「湯川さん、冨田さんは松本の身元調査をお願いします。」

永井は自分の上司である湯川に指示を出した。

「できる部下を持つと辛いねぇ。」

冨田は湯川に皮肉を言った。

「ほんとだよ。さっ行こうか。」

湯川は顔に手を置きながら席を立った。

「何してるんですかラビあなたも身元調査に行くんですよ。」

永井はコーヒーを飲んで英気を養っていたハーフで鼻が高くまさに高身長イケメンとはこのことだという男ラビに指示を出した。

「おいおいマジかよ今帰ってきたところだぜ?」 

軽いジョークだと思ったラビは両手を広げながら答えた。

「マジです。行きますよ。」

そして対策室は半田一人となった。

次の日

それぞれの成果を大きな円卓テーブルで報告しあった。

わかった事は、松本は会社内でうまく行っていないこと。

部下から舐められ指示を聞いてくれなかったこと。

妻は他界し娘も麻薬事件で他界。

両親も他界していた。

倉庫は宗教組織のアジトとなっており中にいた人々も失踪届の人と一致した事。

そして松本の瞳が長細くオレンジ色に光っているのが確認できた。

「黒だな。」

湯川は両肘をテーブルにつきながら声を上げた。

「早速急襲しましょう。」

永井は席から立ちながら言った。

「待ていくらなんでも何の対策も出来てないんだぞ、それにどんな力を持っているかもわからんのだよ?」

冨田は永井を止めようとした。

流石に時期尚早すぎる。

しかもよりによって相手は一般人だ、倉庫内の人間全員を殺すことになる。

「能力なら分かっています。」

永井は自信に満ちた顔で続けた。

「松本の能力は人を操る催眠の類でしょう。」

「松本が倉庫内で人と話しているときに瞳が変わりその時話していた人がぐらつきました。」

「そして失踪届の出ている人たち、家族持ちの人など失踪する理由が全くない人達ばかりです。」

「人を操る催眠以外は考え辛いでしょう。」

永井は見つけ出した答えを全員に言った。

「なるほどそれならやれるか。」

湯川は腕を組みながら倉庫の間取り図を出して作戦内容を伝えた。

「催眠下に落ちると我々もどうなるかわからないため作戦は別々の出入り口4つを囲み殲滅作戦をとる。北側正面に俺、東側にラビ、南側裏口に永井、西側に半田、北側正面後方に冨田で行こうと思う。問題ないか?」

湯川は皆に作戦の内容を伝えた。

「湯川、俺はもう少し対策を練ってからの方がいいと思うんだが...」

冨田は湯川に忠告した。

何か嫌な予感がしたからだ。

胸の奥に靄がかかったような、胸騒ぎがする。

「でもここままだとさらに失踪者が出ます。

早急に急襲すべきです。」

永井は事実を言った。

確かにこのまま放置すればさらに犠牲者が増える。

冨田は反論が出来なかった。

作戦は今日20時、あたりが暗い時間に行われることになった。

冨田の胸騒ぎは時間が経てば経つほど少しづつ大きくなっていった。


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