俺と私の…あ、俺も居るぞ?『本音』3
俺は三日三晩、何も食わず学校にも行かず泣き続けた。涙が枯れても心の嗚咽を吐き出し続けて
ご飯なんて食う気も起きず…
そんな憔悴仕切っていた俺に我慢強く、声をかけ続けてくれたのは母だった。
多分、その頃から家族全員で引っ越す為の行動を起こしてくれていたのかも…
よく家に居た父はこの頃、めっきり姿を見なくなった。
泣く体力が無くなり寝ていたのか、目が覚めると母が隣で俺を抱きかかえるように一緒に寝ていてくれた。
母が起き、俺は話があると言い、母に淡々と最後に彼と会って会話した内容を一字一句違わなく伝えた。
なんせあの日が頭から離れないんだ。
夢にまで出てくるんだ。
「俺が殺したんだ」
一対一でそう伝えると母は泣きながら俺を強く抱きしめた。
あの時の母の言葉は鮮明に覚えている。
今だって悩み続けているのだから。
違うの!そらは悪く無い!大丈夫だから!!
悪いのはあの家族なの!!
何を言っているのだろう。
家族が子供を殺すなんてあるわけ無いだろ。
俺の思考じゃそこまで考えが及ばなかった…
結局、俺はあの事件の真相を親から聞いたのは、俺ら家族で引っ越した
一年半後となった。
その頃なると俺は中学生になって二年生目前まで迫っていたが、俺は不登校気味であった。
家では家族とまともに話していたんだけど、なかなか外に出る勇気が出ない。なんなら
俺は本当に生きてて良いのかと疑問に思いながら生活していた。
とある日、兄が珍しく帰って来たのだ。
俺の3つ年上の兄、俺が小学4年の時には今、俺が通っている?中学に入学する為
父方のおじいちゃんの家で暮らしていた幸菜兄ちゃん。
最後に来たのは確か、俺ら両親でここに越して間もない頃だった。
どうしたのかと、玄関に近寄ってみると、兄は今まで見たこと無いような鬼の形相で迫って来ていて
俺の胸ぐらを掴んで頬を殴って来た。
何が起きたのか分からず混乱していると兄が唾を飛ばし叫んだ。
「ワイさ!!いつまで親に迷惑かけっとか!!いい加減せんとボテクリ回すぞっ!!」
そう言ってまた殴られてた。
なんだよ、なんなんだよお前よ!
俺の事なんも分かってない癖に!!
頭に来た。
こうして俺ら兄弟、初めての殴り合いの喧嘩が……
始まってもいなかった。
なんせ相手はキックボクシングジムに通ってる現役高校生、体の出来が違う。
引きこもりの俺とは雲泥の差だった。
俺は家にたまたま居た両親達に止められるまで兄のサンドバックになっていた。
「母さんに父さんもさ!こいにちゃんとあん日の事説明せんばさ!そらが苦しくかだけばい!?
分かっとると!?」
喧嘩を止められた兄は肩で息しながら父さん達に何か言っているようだ…
あの日の事?
あの日の事って言えば俺の中で一つしか思い浮かばない。
今でも思い出しただけで泣き狂いそうだ。
俺が親友をころ……
「そら…」
嫌な過去を掘り返しそうになった俺に待ったをかけたのわ。
兄ちゃんだった…
「ん…?」
兄の固い拳でボッコボコのされた俺は腫れ上がってか見えづらい目で兄を捕らえ。
「…父さん達にあの日の事で話があると思う…その、なんだ…そら、お前が立ち直れたら真っ先に俺の連絡しろ。お前の軟弱な身体をジムでみっちり鍛えてやる。‥んで、殴りすぎた事は謝る…ごめんな…」
そう言って兄ちゃんは家を出て行った。
「……これが理由で 亡くなったんだ彼は…」
兄が去った後、俺は、母と父の3人で部屋であの日の出来事の本当の犯人の話を父から聞いた。母は終始、俺に寄り添い手を強く握ってくれてた。
少しこっぱずかしいく思っていた母の行動だが。
父の話が進むにつれ、そんなこと考えら無くなり、終いには頭が真っ白になり…
俺は気を失ってた。気がついたのわ自室のベットの上だった。
それほどまでに父の話はが残酷で俺には猛毒のような話だった。
彼の両親の離婚の原因は父の不倫がバレてしまったからだ。
彼の父は俺の父の旧友だったことから、あまりにショックな出来事だっったらしい。
親友の親権は残念な事に原因の父方になってしまった。
元母は不倫の事実が発覚後ヒステリックを起こし
あの男との子供なんて見たくも無い!!と親権を蹴ったと
父方も渋々受け最初は丸く収まったかのように見えた。
だが
父方の不倫相手に連れ子が居ると分かると相手は姿をくらませたの事。
相手の女は海を渡った都心で住まう人だったらしく
見つけ出すのは容易じゃなかった…。
叩く石橋をなくした男は自暴自棄になり、実の息子に当たり出した。
家に居れず、ずっと納屋で首輪を繋ぎ猿轡をされ、満足に食事の与えてもらえず
一週間過ごしていた。このままでは死んでしまう。
そう思ったのだろう、彼は父が家を留守にする時間を掻い潜り脱走を図った。
一週間も飲まず食わずの彼は意識が朦朧とする中、頭き浮かんだのは親友の顔だった。
親友の顔を思い浮かべてると、彼の家へ向かう道がこの体調のせいもあってキツいはずなのに
足が軽くなったような気がした。
はぁ、やっちまった、やっぱ怒るよなぁ あいつ…
久しぶりに親友の元気な姿見たら、嬉しくなって「遊ぼうぜ!」なんて…
あいつの立場なら俺でも怒るわな。
一週間も約束ほっぽり出していなくなっちまって。俺は友達失格かな?
でもなぁ今更助けてもらっても…あいつが悲しむだけだろうし…俺はもう…お?
そんなこと考えてあてもなく歩いてたら森中まできてしまったぞ。
ふぅー疲れたーと呟きながら俺は地面に寝っ転がった。
匂いも痛みのなくなった。俺の身体の筈なのに夢で自分を操ってるようだ。
あーもうすぐ死んじゃうのかねー俺。
でも不思議と怖くなかった。
最後にあいつの顔を拝んでやったからかね?
いや、立場的に俺が拝まれてやったのか?はっ…
あ〜あ
怖くねぇ…
怖くない…
これっぽちも…
なのに…
あいつに…
「あいつ…に謝り…たかっ…た」
会えなくなる事が…
「最後…にぢゃん…ど謝りだかった…」
なんで…こんななにも…
「もっどぉ、…ゔゔぅぅあぞびたかった!」
怖いのだろう……
「ゔゔっ!ひっぐ…ひく」
あぁ…そうだ
「‥‥グズっ…そ…ら…」
俺はそらが……
「…お…れは…死んで…も…ずっと」
『…大好き…だぞ』
光をも映さなくなった目には、最後までそらが笑っていた。