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鉄仮面さんが俺だけに笑みを零す。  作者: なんじゅ
一章 出会って2日で同棲
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のー・うぇい うぇいうぇい



結局、九条はあの後、俺の部屋の床で泣き疲れたのだろう。寝ていたので、布団ひいて寝かせてやった。

自宅では満足に寝られそうにないらしい。


朝起きたら、テーブルの上に置き手紙があり、九条の姿はなかった。

一瞬、ドキリとしたが、置き手紙を読むと、おじさんは朝に弱いので心配しないでくれとの事。

シャワー使わせてもらいました。勝手に申し訳ありませんと。

達筆だなぁと眺めていた。


別に気にしなくてもいいのに。


ん?てかなんで九条は俺の苗字知ってたんだ?

昨日の会話で呼ばれた事を思い出す。


まぁ九条がたまたま覚えていのか?まだわからんが、いかにも頭が良さそうな彼女のことだ

その日のうちに学年のクラス全員の名前覚えてそうだな。


と納得して昨日浴びて損ねたシャワー、朝飯を済まして、いざ!初授業!!




高校に向かう際、そいえば、九条が先にシャワー浴びてたんだっけ?…

変なことを想像して悶々と通学路を歩いたのは、内緒だ!














「夏目さん、あっちで和人くんと一緒にお昼にしましょう?」


午前の授業が終わり、そう言って来たのは、和人の彼女(仮) 久茂史恵 だ。


相当手入れに気を使っているのだろう。エンジェルリングが物語るツヤッツヤな黒髪ロングを

携、目は切れ長にいつも微笑みを容易くことなく常に魅惑的な面持ち。

極め付けはスレンダー体系…これ以上言うまい。

確か、和人が彼女の胸の事の尋ねた時、般若と化して追いかけ回されたのは、まだ記憶に新しい…


「…あぁ悪い!今日購買行ってみようかって思って…悪いけどまた明日な!」


九条が家に居て弁当作れませんでしたとか言えないからな…


「何か、前者の方で私に対して失礼な事考えてませんでした?」


「!…んにゃ!全く!あっそうだ、学校の帰りさ二人に話したいことがあってさ…

後で和人にも伝えてくれないか?」


「…上手く誤魔化そうとしてもダメなのですよ。放課後きっちり教えて頂きますからね」


「あぁ、ありがとうまた後で」


俺が苦笑いしながらそう言うと、久茂はいつも浮かべている笑みよりも深めに笑って和人の元へ

向かっていた。


(話し聞く気満々じゃん)


友人の優しさにほっこりしながらも俺は購買部へ向かった。


道中、隣のクラス、教室内にいた、九条を見かけた。

自分でも居てくれたことに無意識に分かりやすくホッとしていたことに驚きながらも

彼女を視界から外す事わなかった、すると…



(あ、目が合った……え?……)



ニッ



え?あれ?


遠くからでは薄らぼんやり彼女が目尻だけを下げ笑っているように見えた。

否、見てしまった………()()()()()()()()()………


歩きながら見ていたために、足が止まり、カッ!!と、雷にでも打たれたような、痺れた感覚に陥る。


(もっと、近くで…)


あの顔見たい!あの笑みを!その時…



「おい!!!ちょっと待て!!今、九条さん笑わなかったか!?」

「いや!俺も見てたぞ!!方角的に俺だ!俺に笑いかけたんだ!!!」

「バカかお前!!お前じゃねえ!!!俺笑いかけたんたー!!!!」

「まぁ待てここは年小序列と言う言葉があろう、ここは先生に投げた笑み…」

「「「担任の先生がロリコンだった件について!!!!」」」



もうお祭り騒ぎだった、俺はそれに乗じてその場から逃げるように去り

階段の踊り場で息を整えていた。


(はぁ…あれは反則ぞ…危なかったぁ)


本気で恋してしまいそうだった、初恋もまだな俺でもわかる。

自分の中にある好意。それを目の当たりにした気分だった。


九条が笑った事は放課後には学校内全員が知ることになった。

よその学校でも広まるのは時間の問題かもしれない。










「むなくそわりぃ!!!!!」


放課後、和人が俺の話を聞いて、空虚に叫んでいる。

気持ちはわかります。はい。誰かに話さなきゃ今日辺り、九条邸へカチコミに行ってたかもな。

イライラしすぎて。hahahaっ!


和人よりも短気では無い自信があったのに、ドングリの背比べかぁ


「夏目?」


あ、もっとやばキレてるのがいた


「はっ!何でございましょうか!久茂殿!!」


ひいぃぃ、さすがは女同士、めっちゃ親身になって怒ってらっしゃる!

これが怒髪天を突くってのか!!?


「夏目、とりあえず警察関係の話は私たちでなんとか話つけとくわ。

それでいいわよね?和人。」


「おう!!ぜってーそいつはしょっぴいてやんよ!!!」


「宜しい。その下衆が捕まり次第、私はお父様に頼んで優先的に九条さんを受診、最悪…入院、良くて通院ね、あとカウンセリング諸々手配をしてもらいましょう」


そうなんと、久茂史恵の父は総合病院の院長なのだ。なんとも心強い。

俺もキックボクシングのスパー中、右手の甲の骨が割れてお世話になったっけ。


「ありがとう二人、恩に着る」


「あら、お礼を言うのは早いわよ?夏目にも変わりが効かない、重要な役割がありますよ?」


「ん?俺の?」


「ええ、九条さんは今どこに?」


久茂が笑みを浮かべて聞いて来た。


「え、…多分、今俺の家かな?」


一応昨日、俺は九条のもしものために合鍵を渡しておいた。

連絡の交換と思ったが、彼女は意図的に携帯を家に置いて来ているらしい。理由は分からなくも無い。

朝の手紙にも、もしかしたら今日またお邪魔するかもと、控えめに書いてあったから多分居るはず!


「ふふ…そうなのね。じゃ私たちはここで失礼するわ」


何やら久茂、ついでに和人も二人で微笑み合っている。

な、なんだ?俺なんかしたか?…


「お、おう、分かった。俺も九条が心配だから助かる!んじゃ後わ任せた!」









そう言って俺は走り出した。



















史恵と和人の会話



「行ったわね、…ふふ…」



「そうだな。ほんとあいつニブチンだな!

普通、見ず知らずの男の家に上がるわねーだろーがよ。」



「全くよ。まっ大丈夫でしょ。心のケアの方わ」



「お互い様だな。」



「そうねぇ…さっ、私達は私達のできることを!

帰りましょう。」



「へいへい。」



手を繋いで私たちは帰路に着く。

例の下衆にどう罪を

償わせるか、道中の話は絶えなかった。






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