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3、ホランドの実家


「まあとにかくギルドの登録も終わったし、これで各地のクエストも受けられるし、お金も稼げるな。」


「ああ、そうだな。ちなみにケ、ゼロ今日の宿はどうするつもりだ?」


「ああ、今日は王都の宿屋に泊まろう。お金はコツコツと冒険の為に貯金をしていたから大丈夫だ。」


「ゼロ聞いておいて悪いんだが今日は俺の家に泊まらないか?俺はお前と違って急に出てきたし支度もしていない。兵の宿舎ではなくて実家だ。今は両親も田舎に帰っているから誰もいないが必要なものを取りに行きたいんだ。そして朝に出よう。」


「ああ、分かった。ではそうしよう。」


そういえばホランドはコートの下はまだ近衛兵の制服を着ているし着替えた方が目立たないだろう。それにタイムのせいで家を出たのがほぼ夜になってしまったし。


久しぶりだなぁ。ホランドの家は本当に何度来たのだろう。数えきれない位遊びにきたなぁ。かくれんぼして暖炉に隠れて怒られたり、洗濯物を干すロープに魚を干して怒られたり。ホランドのお母さんには怒られた思い出しかないな。後美味しいおやつと。


「ゼロすまないがそっちの部屋を使ってくれ。俺の部屋はこっちだ。」


「ああ、ありがとう。そうだまだ伝えていなかったな、眠る前に旅の目的だけ話しておくよ。私は妖精の国の世界一綺麗な湖を見るんだ。その為にギルドで情報を得る。とにかく湖が見たいんだ!」


「……ケイト、湖なら王都にもあるじゃないか。」


「あれを世界一綺麗だと思っているのなら目玉を交換してもらった方がいいぞ。それにやめるなら今のうちだ。」


「やめるわけが無い。一緒に行く探してやろう。」


寝巻きに着替えたホランドが近付き少しだけ屈んで私のおでこにキスを落とした。


「いい夢をお姫様。」


パタンと優しくホランドの部屋のドアが閉まる。もう本当にあいつはキザな男だな。私も寝巻きに着替えて眠った。



朝になっても駄々を捏ねているタイムを後目にゴードンは朝早く仕事に出かけた。あの人もあの人なりにケイトを心配しているようだ。メイドのコリンがコーヒーとパン、オムレツを作ってくれたのだがオムレツにコーヒーをかけてパンを懐に入れオムレツを食べながら新聞を逆さまに読んでいた。しまいにはオムレツを懐に入れて立ち上がり仕事に行ってしまった。ちょうど懐でタマゴサンドができていいかもしれないけど、今日あの人は仕事になるのだろうか、心配だ。


「姉さん!酷いよ!僕を置いて行くなんて!」


「タイムそろそろ諦めなさいよ、姉さんはやっと自由を手に入れ、やりたい事をやれるようになったの。だから行かせてあげましょう。」


「やだやだやだやだ、僕も行く!」


「駄目よ。貴方は近衛兵の仕事があるでしょう?」


「ううー。うわぁー!クソがー。」


タイムは叫びながら家を出て行った。さすがに仕事に行くようだ。タイムの気持ちは痛い程分かるしなんなら私もついて行きたかったが、娘はとても強く育てたし大丈夫だと信じている。と20分もしない内にタイムが帰ってきた。


「昨日、ホランドが近衛兵を辞めたって。あいつ絶対に姉さんと!母上僕も辞めます!」


「コラ!早く仕事に戻りなさい!」


そしてまた泣きながら仕事へ向かった。でも良かったーホランド君が一緒なら安心ね。あの子は常識人だから何かあればケイトのストッパーになってくれるわ。はー安心したらお腹が空いてきたわ。


「コリン!お茶にしましょう。」


コリンはうちでずっと働いてくれているとっても優秀で仕事のできるメイドだ。コリンがすぐに私の傍にやってきてくれる。


「コリンお茶にしましょう。今日は何を食べる?」


「ではパンケーキでも焼きましょうか?」


「やったーコリンのパンケーキは美味しいわよね。私お茶いれるわ!」


いつものように2人並んでキッチンでお茶を始めた。




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