巨大国家からの挑戦状~その第17話~
敢えて記載せず。次回投稿をお楽しみに…。
victory社の3人の首脳のうちで前会長と前社長の二人がvictory社の扱う国防装備品の日本政府向けの営業方針を決定し、実際の営業責任者として政界工作を担ったのが前副会長である事が明らかになった。日本の次期国防政策の概要は既に、中田政権の前の大石元総理大臣の内閣時代にほぼ決定していて、victory社は遅れを取る形であった。それを覆すべくvictory社の最高幹部二人は、取締会ではなく、最高経営会議に置いて、日本政府、つまり中田一郎新政権に多額の政界資金を使い、前内閣時代に降した政治決定を覆しvictory社の製品採用を目論んだのが中田事件の全容であると証言した。victory社のライバル社はgold社と認識していた。巻き返しの為にgold社の倍の金を使った。日本の検察がvictory社だけを立件したのは極めて遺憾だと開き直りまでみせるvictory社の前会長と前社長の態度は嫌悪感を覚えるほどであった。
前会長によればgold社幹部は、victory社の営業以前から当時の日本政府高官に接触を図り、政治資金として、架空取引のコンサルティング契約を複数結んでいたと言う。しかしそれらを具体的に示す証拠は提示しないままであった。小委員会のメンバーでも与党と野党では温度差は否めず、野党議員は追求を試みたものの、証人達の司法取引を盾にした事実上の証言回避の抵抗もあり真相にはたどり着く事はできず、与党は疑惑隠しに終始した印象は拭えないものだった。具体的な証言があったのはほぼ日本に関する事柄のみであり、日本以外に展開する東アジアのアメリカ軍に関する情報は、国防気密の壁にシャッタアウトされた形で、東アジア特別小委員会の公聴会は終了した。
前会長と前社長が具体的な証言を避けたのに対して、前副会長は反対にぺらぺらと証言した。金銭授受を伺わせる領収証や日記などの書類を示しながら、司法取引は対日工作を語れば、他の罪は問われないと伺わせる内容であった。我が国野党がヨダレをたらす内容であり、日本の検察も欲しがる内容ではあった。しかしこれが日本の裁判所で証拠として採用される可能性は極めて低いと判断された。上杉も内田も、アメリカの司法取引の恐ろしさを身に沁みて知る形になった。彼ら二人の常識からすれば、あれだけぺらぺらしゃべるアメリカ人の感覚が信じられなかったのである
敢えて記載せず。次回投稿をお楽しみに…。