1話・プロローグ
10話くらいまで勢いで書きなぐったので
あれ?ここにあのキャラ居たのに居なかった事にされてね?とか、
ここではこう言ってたのに?とかあるかも知れませんが
何卒、慈愛の心でお付き合い下さい。
私は久しぶりにこの夢を見ている···。
いつだったか思い出すのも難しいくらい、
小さい頃によく見ていた夢。
私の目の前には、記憶のどこを探しても
思い出せない少年が立っており、何故か私は...
その少年の前で泣きじゃくっている。
泣きじゃくる私を見た少年が私の手を取って、
何か言いたそうにしている···そして覚悟ができたのか、
言葉を出そうと口をゆっくり開く。
「ねえ、―――ちゃん、僕が――なったら――」
少年がその言葉を最後まで言い切る前に、
私の周りがゆっくりとボヤけ、夢の世界が白くなっていく······。
「この夢···久しぶりに見たな。誰だかわからない···少年の夢。
夢にしてはリアルを感じる、不思議な夢···」
私は目にうっすらと溜まっている涙をそっと人差し指で取る。
その後、時計に目が行き···時間を確認する。
「まだ、時間はあるな···でも寝ている時間もないし、
シャワーでも浴びてくるか」
私はベットから起き、シャワー室に向かう。
「ふう、寝汗もかいていたしスッキリした」
タオルで濡れた髪を拭きながら部屋に戻る。
「さて、髪を乾かすか···」
私は手にグッと力を入れ呪文を唱える。
『ファイヤ-ッ!』
そう唱えると、手のひらの上で炎の玉がゆらゆらしている。
「これを微調整して······これよしっと」
炎が拡がり、手のひら全体に火の幕が出来る。
その手のひらを髪から少し離し、動かしていく。
「うん。やっぱ、こっちの方が髪が乾きやすいな♪」
喜色に溢れる声で手を動かし髪を乾かす。
そうなのだ···見てのように、この世界には『魔法』が存在する。
但し、誰でも使えるわけでもない。
残念ながら、才能がなければ魔法を覚える事ができないのだ。
10才になった時『魔力判定の儀』と呼ばれる儀式で
魔法の才能があるか無いかを判定され、才能ありと判定された子供は
『魔法術学園』と呼ばれる学園に入学させられる。
魔法の才能はS~Fまであり、
その才能に判したクラスに入れられる。
Sは超エリートクラス。
A~Bはエリートクラス。
C~Eは平均クラス。
Fは並クラス。
Fクラスは、最低魔法使いの烙印を貼られてしまい、
学園内の扱いも余りよろしくない。
因みに私はFクラス。
まぁ~簡単な初期魔法しか使えないし妥当なクラスだ。
魔法は成長する事もあり、頑張れば魔力は上がる。
奇跡が起こればFがSになる可能性もあるらしいが
殆どの人がそんなヨタ話なんて信じてはいない、
無論、私もだ。
他にも一応、魔力を上げる方法はある。その手とは、
『マジックアイテム』という魔法具を使用する事である。
それを使えば、様々な恩恵を貰えるのだが···手に入れるのは困難だ。
たまに売り物として道具屋等に並ぶらしいが、
値段が高過ぎて学生の身分では到底、手が届かない。
それにFクラスの私が使った所で、アイテムの無駄使いよね···。
「さて、髪も乾いたし···学園に行く準備をするかな」
髪が乾いたかを手で確認して、私は鏡台の前からすっと立つ。
設定って苦手だな···汗。