暗闇
(後書き)
さようなら。
これから私はどこに向かうのだろう。
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何も見えない
からと言って、盲目なわけではない。
目の前にあるものを掴もうとしても
それは手の中から流れ落ちて行く。
何も聞こえない
からと言って、耳が悪いわけではない。
何か聞こえたから耳を澄ましたが
無音という音が聞こえるだけだった。
何も匂いを感じない
からと言って、嗅覚が悪いわけではない。
目の前に何があるのか確かめたくて
嗅いだ匂いは無臭だっただけである。
時間が経った…今はいつだろうか…
それ以外何も見えない
と言っても、目が悪いわけではない。
暗闇ではなく赤くするどく
眩しい光が見えるだけだ。
それ以外何も聞こえない
と言っても、耳が悪いわけではない。
ごうごうといった音と
パチパチといった音が聞こえるだけである。
それ以外匂いを感じない
と言っても、嗅覚が悪いわけではない。
ゴムが溶けるような臭いと
肉が焼けるような香ばしい匂いだけである。
(前書き)
突然私は別れを告げた。
最後に見えた、家族の顔もすぐに見えなくなった。亡くなれば魂は浮遊し家族の顔も見えると聞いた。だけど、私は体と共にある。
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少し想像するとグロテスクかもしれませんし
実際経験してないので分かりませんが、一言で言うなら
今作も暗い話ですみません。