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しばらくは登場人物は出てこない。主人公は遅れてやってくる。その方が恰好がいいだろう。ディーラーの職場は勿論カジノである。大抵は冠に裏が付く――非合法。今は一発実刑で起訴を喰らい三カ月はぶち込まれる。犯人は都庁に鎮座しているタレントなのか政治家なのか良く解らんおっさんだ。何でもかんでも禁止しやがるマザーファッカー。弟は気象予報士とかしている。そういえば芥川賞の審査員もしていたっけか。応募する気は無いから悪口だけは沢山言っておこう。
赤ちゃんプレイが趣味のマザーファッカーのお陰で沢山のディーラーがお縄になりましたどうもありがとう御座います。
で、カジノでのゲームと言えばブラックジャック、ルーレット、ギャンブルの女王と呼ばれるバカラがメイン。ルールは簡単、当てれば良い――其れだけだ。
世の中馬鹿が多い。右を見ても左を見ても確認でもう一回右を見ても馬鹿だらけだ。ブラックジャックとルーレットは多少頭を使う。バカラは頭を使わない。故にバカラが人気に成る。言語的にバカラと馬鹿は掛かって無いから安心して欲しい。
バカラにも種類がある。バランス台とタップ台。
５バラとか１０バラとか５０バラや３点タップ５点タップと、まあ慣れれば直ぐに解る。慣れなくても良い種類のお遊びだが。バカラとは貴族が今夜は幾ら負けたか自慢するゲームだったらしい。其れは今も変わらないか。勝っても自慢、負けても自慢、自慢しないとやってられないのが都会。そんな時代だった。今の時代の子は賢い。自慢行為は恥と認識して居る。高級車も高級時計も流行らない。無駄だと解って居るからだ。
面倒だがバカラのルールを解説。赤黒だ。プレイヤーと呼ばれる赤に掛けるかバンカーと呼ばれる黒に掛けるか。そしてドロー、引き分け。
プレイヤーもバンカーも出目率は５０対５０。ドローは８分の１。
プレイヤーは１００ドル張ったら１００ドル貰える。当たればね。バンカーはコミッションを５％取る。店の儲け分だと思ってくれ。１００ドル張ったら９５ドル貰える。
ドローは配当８倍。以上！では解説とは言えないか。もう少し頑張ろう。
１４種類あるカードの打ちジョーカーは使わない。エースからキングまでの１３枚を使用する。１０からキングまではゼロとする。ジャック、キング、クイーンはピクチャーと呼ぶ。人物が絵に成ってるから。
ワンゲーム４枚から６枚のカードの数字を足して勝負を付ける。一番強いのが９。一番弱いのが０。始めは４枚、プレイヤーに２枚バンカーに２枚。どちらも１枚だけフェイスオープンして残りの１枚をベットオーナーに捲らせる。
オールプレーヤーでバンカーベットが無い場合はディーラーがカードを捲る。
オールバンカーでプレイヤーベットが無い場合もディーラーがカードを捲る。
プレイヤーは６，７，８，９でストップ、三枚目のカードは必要無い。
バンカーには３条件４条件５条件６条件が在る。
３条件、８で決まり、決まらずはワンモアバンカーカード。
４条件、１、８，９，０は決まり、決まらずはワンモアバンカーカード。
５条件、１，２，３、８，９，０は決まり、決まらずはワンモアバンカーカード。
６条件、６，７以外決まり。
解りにくいから何番かゲームをしよう。聞くよりやった方が早い。
君がプレイヤーに１００ドル張るとしよう。私は言う、ノーモアベットと。略すともう何もすんなよコラって意味だから覚えとくと良い。
プレーヤーカード、バンカーカード、プレイヤーカード、バンカーカードと４枚出す。フェイスオープン、プレイヤー９からバンカー５から。君が勝ちたいなら欲しいカードはピクチャーだ。しかし残念、足在りツーサイドの４。バンカーオープン変わらず５。君の数字は９と４を足して３だ。１３では無い。
５条件発生、ワンモアプレイヤーカード。１，２，３、８，９，０は決まり。欲しいカードは６だろう。足在り足無しはカードの図柄を見て欲しい。
１，２，３は足が無い。４～１０は足がある。サイドは４と５がツーサイド。６，７，８がスリーサイド、９，１０がフォーサイドだ。カードを捲る権利はベットオーナーに在る。
カードの端を捲ってみると足在り足無し角在りのピクチャーの３種類に別けられる。足が在るなら４から１０のカードだ。しかし１０は不味い。決まりカードで５対３でバンカーの勝ちだ。スリーサイド以上も危険だ。６以外のカードは数字が下がってしまう。結果はどうだ？足在りのツーサイド５か。現状プレイヤーメイク８。現状５から決まらずワンモアバンカーもう一枚。すまんが４の数字が出てしまった。９対８でバンカーウィン。今回は失礼致します。チップは勿論没収。簡単だろう？
ベットオーナーはカードを捲らない。絞るんだ。興奮するからね。
