第6話 絶望との遭遇 中編 〜ほじめてのまほう〜
すみません
今回は短いです
「詰んでないかな〜?詰んでるよね〜。詰んだし出れないし略してツンデレだし後は諦めるだけかさよなら〜」
そう言って床に仰向けで寝る
「ちょ、ちょっと!?困るよ!?僕もここから出れないんだから!せめて戦ってよ!!」
「いやーいいんだ。異世界来れたしモンスターに出会えたし知的なところも見せられたし、満足だぁ〜」
俺は死を受け入れた顔で微笑む
しかし、それをティンクが許さない
「ちょ、ちょっと!?……うーん、しょうがない」
このままでは説得が無理と思ったのか、話し方を変えてくる
「こほん、実はね、君を選んだのには理由がちゃんとあるんだ」
「理由〜?」
いまさらなんだい
俺はこの幸福感のまま逝きたいんだ
何と言われようと変える気はない
「君はね、この世界に適合しているんだ。
向こうの世界よりもこっちの才能の方がでかいんだよ」
「俺ごときの才能なんて……お前のちょっと上ぐらいだよ」
「さらっと僕よりも上なんだ……。
そうじゃなくて、この世界の君の適合率は、向こうの世界……いや、全時空の誰よりも高いんだ。だから、だから勝てるはずなんだ!!」
ティンクの言葉に俺はひねくれる
「いやー、無理っしょ。あれに?勝てる?斬撃飛ばすあれに?ふん、寝言は寝てから言ってくれってんだ。あのオーラは無理だろ無理。おやすみ」
「いやいやいやいや、本当だってば。君は凄いんだよ?」
「いくら凄くてもあれにはーーー」
「美少女といちゃいちゃしたくないの?」
「・・・ム」
ティンクから発せられた魅惑的な言葉に俺は反応してしまう
いちゃ、いちゃだと
したいにきまってんだろぉぉ!!
「せっかく君の好みな美少女達がいるのに、異世界まで来て、あーあ、もったいないなぁ」
その言葉まで聞くと、俺はスックと立ち上がる
「美少女、美少女。ああ、確かにその可能性を捨てていた。こっちに来てまだ一回も出会ってないもんな。
もう6話目なのにヒロインの1人も出て来てないし、ただ濡れ衣を着せられて犯罪者になっただけだもんな。
……あれ、おかしいな。目から味噌汁が。
それはさておき、俺は美少女の為なら頑張れる。戦える。全ては、この世界の美少女といちゃいちゃするために!俺は、俺はやるぞおぉぉ!!」
「・・・失敗したかな」
いいえ、成功です
俺の士気は充分だった
たとえ俺に能力が無かろうと俺はやる
帰るまで戦ってみせる
それが男だ
カマキリ野郎は真面目にも待ってくれていた
なんて優しい奴だ
しかし、今はお前を倒す為に戦う!
覚悟しろ!
「ジャアアアアアァァァァァ!!!」
カマキリ野郎が吠える
「いいぜ、そっちもやる気か。行くぞ!俺の魔法を、喰らえぇぇ!!」
そう言い、右手を突き出す
そして万能の魔法、その言葉をいう
「『オープン』!!!」
すると、俺の右手に光が集結
激しい閃光となり敵に向かーーー
ーーーわなかった
というより何も起こらなかった
俺もティンクも、もしかしたらカマキリ野郎もぽかーんとしていた
場が痛いほどの沈黙となる
……。
…………。
………………。
「あーもう駄目だ。おやすみ」
「ちょっとぉ!!」
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突然の次回予告!!
出れない部屋!
強過ぎる敵!
そして戦意喪失した俺!
諦めないでリュー!!
あんたなら勝てるはず!!
次回!
俺氏死す!!
デュ○ルスタンバイ!!
※注:この次回予告は嘘です