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青い男の話
突如壁が崩れ去る
少年は初めて知った
目の前で大事なものが壊れるという
深い悲しみを暗い嘆きを
そして…煮えたぎるような憎しみを
感情がこもってない目で目の前を
見据える
そこには青い服に身をつつんだ男が一人
立っていた
ナイフをもち少年に駆け寄ると
声を掛けた
〝大丈夫かい?〟
と一言をそしてこうもいった
〝さぁここから出よう〟
と優しい声で促した
少年は思った
ふざけるな ふざけるな
赤い赤いあの色を
見続けられるなら死んでもよかった
と心に思い 心に誓った
少年は瓦礫を手に取り男を殴った
何でこんな力が出るのか分からないけど
こいつを殺せるならそれもいいと少年は思った
少年は感情を覚えたのだ
憎しみを恨みを怒りを
そして深い深い嘆きを
そして歓喜を
繰り返し繰り返し殴った
男の頭からは赤いのがでた
男の顔は優しげな顔から状況に対応できない
困惑の顔になっていた
少年は繰り返す
待ち焦がれていたはずの赤いのには目もくれず
執拗に殴り続ける




