第二話
投稿遅くなり大変申し訳ございません。
ネタがありすぎてどれを使うか迷ってました。
「なんだ、夢か」
目が覚めると、目の前には見慣れた天井があった。
まだ夜なのか、窓の外はまだ真っ暗だ
俺はもう一度寝ようとしたが、すでに脳が覚醒してしまった。
喉が渇いた。なんとなく腹も減っている。俺は体を起こそうとしたが、何故か体がふらつく。寝不足だろうか。いや、体はふらつくが、頭はかなり冴えている。
それでも起き上がろうとするが、猛烈な疲労感が襲ってきた。やむなくまた仰向けに倒れる。
「なんだ…?風邪か…?」
熱を計ろうと体温計を取りに行こうとするが、起き上がれないのでそれすらできない。
「そういえば…」
さっき見ていた夢を思い出す。
もしあれが、夢でなかったとしたら、もしも現実に起こったことだとしたら…
とっさに自分の首に手をやる。
そこには穴どころか、傷すらもなかった。
「ふぅ……」
安堵の息を吐いた。
まあ、ね。普通に考えていきなり女の子がナイフもって脅迫してくるなんて、ありえねーわな。
まあ俺に限ればないこともない気がするが。
大分体のだるさも収まり、ゆっくりと上半身を起こす。
「っっっっっ!!!!」
その時、声にならない悲鳴が、俺の喉を震わせた。
俺の体の上に、夢で見た少女が倒れていたのだ。
「まさか…あれは…」
現実だった…のか?
もしそうだとするならば、その真偽を確かめるより先にしなければならないことがあった。
「おい!大丈夫か!?死んでないだろうな!」
彼女の肩を激しく揺さぶる。
そう、彼女は自殺をしようとしていたのだ。
救いのない世界に絶望し、自らの命を自らの手で断とうとしていたのだ。
その少女がいま、倒れている。
「くっそ…死ぬなって言っ……?」
そこまで来て、ようやく俺は違和感に気付いた。
なんだかまだ、温かいような…
落着きを取り戻したことで、スゥ…スゥ…という寝息も聞こえてきた。
すなわち、彼女は寝ているのだ。俺の早とちりで死んだと思い込んでいたが、どうやら心配は無さそうだ。
「ふぅ……」
今日何度目かの、安堵の溜息を漏らす。
あれは夢だったのか、それとも現実だったのか。もし現実なら、なぜああまでして彼女は母親をよみがえらせたいのか。夢ならなぜ彼女はここに居るのか…。確かめなければならないことはたくさんあるが、彼女が起きるまでは保留にしておこう。なにせ肩をゆさぶっても起きないほどの熟睡なのだ。起こしたら可哀想だしな。
とはいえこのままじっとしていては暇すぎる。俺は彼女を起こさないように慎重に体を引き抜き、そばにあった毛布を彼女に掛けてやる。それからリビングに行き、テレビをつけ、同時に愛用のqs3を取り出す。イヤホンをつけ、ゲームを起動。海外産の人気FPSを入れ、スリル満載のオンラインマッチを始める…。本当はシャワーを浴びたり、顔を洗ったりしたいが、音で彼女を起こしてしまいかねない。
落着けないときは、落ち着かないことをするのが一番、というのが俺の持論だ。