プロローグ【結末の朝】
『兄弟』をテーマした文章である。
アナタは私を見てくれますか?
私の存在を許せますか?
負けたくないと誓ったあの日…
日々の日常……俺は求め続けていた。
‘安楽という場所’を…
負けたら…もう二度とあの日には、戻れないと覚悟を決めてーー
「兄ちゃん……」
小さい声で俺を呼ぶ、俺の弟…真希。
まだ小さい頃のお前じゃ…
何も解らないと思うけれど、只、不安でいっぱいだったとおもう。
何もないこの血の果てで……
「僕を…僕を一人にしないで……」
小さな両手を…ギュッと俺の手を掴みながら…寂しそうに言ってくる。
だから、誓ったんだ。だから決めたんだ。
この俺と真希の目の前で両親が天井首吊りして、死んでしまったこの場所で…
《俺は復讐する。弟を絶対に一人にさせない。》と…
「お兄ちゃん…」
真希は凍えながらも、また俺を呼ぶ。
俺は黙ったまま…
自分の両親が首吊りしたことを、警察に報告しようと電話の方に向かった。
弟には…見せることができなかった。
俺の心にある憎悪…と、両親が亡くなった悔しいという……
気持ちを持ったままの俺の泣き顔を…
「お兄ちゃん…」
「真希、お前は部屋に戻ってろ…お兄ちゃんは、警察の人とお話が……」
「無理しないで…」
何度も俺のことを呼ぶ、真希に俺は……
真希の顔を見ずに指示をだす。
そうすると、真希は…
悲しい声で俺を心配していた。
無理なんか……
俺は無理なんか、してない。
無理なんか……
絶対にーーー
「泣かないで…」
「……」
パッと、真希が言った一言に俺は…真希をぎゅっと抱き締めた。
本当は悲しかった。
涙が止まらないくらい、
両親が亡くなったことが……
この重みが
お前等に解るか…………
母親も父親も殺したのは……
俺だって言うことをー
だから誓ったんだ。
絶対に俺は…
弟を……真希を
一人にしないってことをー
だから決めたんだ。
真希のためなら、何でもするって……
どんなに
俺は汚れてもいいって…
それが俺。
月哉の最後の願いでもあった。
まぁ…初回なんで、感想をお願いします(>人<)!!!