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異世界代表、転生吸血姫。  作者: 熊猫パンダ
第2章 王都ルルガゼ
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第24話 幸鶏亭

「おぉ〜、これが冒険者証(ライセンス)役職(クラス)魔導士(メイジ)か。等級(ランク)は...あれ、四等級か。思ったより低いな?イデオンはどうだ?」


あれから数日、漸く目的の試験結果の発表中だ。

ライセンスは一人一人手渡しとなっていた。


「うん、僕も四等級だ。役職は...グ、格闘家(グラップラー)!?僕はけ、剣を使ってるのに!?」


美しい見た目の馬革の鞘に納まった直剣を三度見程して驚くイデオン。...恐らく決め手は暫く話題になっていた剣術をかなぐり捨てて試験官と共に天空から降ってきたというやつだろうな。試験後試験者のメンバーで打ち上げに酒場に行った時、イデオンと同じトーナメント式の武闘派の出場者達から延々と教えを乞われていた。


当の本人は「自分は武術家ではない」「殴ってない」「蹴ってない」などと弁明していたが、聞き入れて貰えていなかった。


「ま、まー良いじゃん。敵がえ!こいつ剣も使えるの!?ってなるかもじゃん!」


役職は多種あり、魔術で言うところの属性のように相関図が存在していて、魔術師(ウィザード)戦士(ファイター)遠術士(ガンナー)の大きく分けて3つから派生している。


因みに俺の役職である魔導士(メイジ)魔術師(ウィザード)の派生で、感覚的には直接戦闘向きの役職と言ったとこだろうか。


自分のライセンスを予め掲示板などで掲示しておく事で、パーティー申請や依頼などを受け付けることができる。

依頼主本人が達成して欲しい依頼にあった役職を持つ冒険者に直接依頼する事で達成率が高かったり、完了までが早かったりするのだ。


格闘家(グラップラー)戦士(ファイター)の派生で、主に武術による超接近戦闘というかなり偏った戦闘スタイルなのだが...イデオンが言うには剣術しか鍛錬しておらず、武術には一切精通していないそうだ。


「あの...すみません、僕は武術を全くもって扱えないのですが、この結果は間違いないのでしょうか?」


「そうなんですか?...ですが、試験担当官や審査員の方々による審査や体力・魔力測定の結果から正確に導き出されたものですので〜...考えにくいかと...?」


受付嬢にイデオンが異議を申し立てるもやんわりと誤魔化されてしまった。


審査員や試験担当官はギルド内で相当の立場を持つ人物である。つまりは少なくとも新人冒険者(ルーキー)の力量を見定められる程度の実力は持っているということだ。


「そうか...」


見るからに落ち込んで肩を落とすイデオン。


「おい、そんなに格闘家(グラップラー)は嫌か?失礼な奴だな?」


「アドー...!いえ、決してこの役職が嫌な訳ではない、然し自分の究めて来た道は拳ではなく剣なので、実力不足が不甲斐なく...」


どうやらイデオンが参加した試験の担当官のようだ。

...あれ?ってことはこの人が...


「ハッ、俺に勝って実力不足で不甲斐ない、ね?」


「いや、決してそう言うつもりでは...!」


「冗談だ。...しかし、こんな美人連れ歩いて旅してんのか。お前も隅に置けないな?どーも。」


お互い会釈をする。

いい試合をしていたそうで、拳を交えているうちに絆が芽生えでもしたのだろうか?かなり親密に見える。



「...どうかしたか?」


イデオンがアドー担当官の顔を不思議そうな顔をして見つめる。


「...アドー、少しシワが増えたな?」


「っ!?...いや、まだないと思うぞ!?...おっと、仕事の途中だったぜ、それじゃーな!...あ、もしどうしてもそれが気に入らねーんならニュイに言っとけ、話は俺から通しといてやるよー。」


気持ち早足で去っていったアドーという名の担当官。


「そうか...え、いいのか!?」


「イデオン、仲いいんだね?」


「ああ、昔世話になった人だ。俺にとって数少ない気を許せる友人さ。」


少し気恥ずかしそうにはにかんだイデオン。どうやら本心のようだな。


「さて、これから僕はニュイ代表試験官に直談判しにいこうと思うが、君はどうする?」


「え?もう行くの?流石にまだ早すぎるんじゃない?」


「む、確かにそれもそうか・・・。どうしよう?」


ちょくちょく思うがこいつ、品がある割にポンコツだ。


「じゃ、もう昼だし取り敢えずご飯でも食べに行くかー!」





幸鶏亭(こうけいてい)


この街で大人気の酒場だ。

暖かい雰囲気に加え、特殊なコンセプトの下古西洋風の樽や瓶に入った酒が飾られたザ・ファンタジーなバーって感じの設備が整っている。


「あらイヴちゃん、丁度良いところに来たわね!ちょっと手伝ってくれない?」


入店してすぐ声をかけられる。幸鶏亭の店主であるヒースさんだ。

数日前からここでご飯を食べているのだが、とても話し上手な人で、すぐに仲良くなった。


「あー、今日人と来てるんだ。また今度でもいいかな?」


そういうとヒースさんは少し残念そうな顔をした後、ギュンと距離を詰めてイデオンの顔を舐め回すように見る。


「早っ・・・?!な、なんだよ!?」


「ボク、名前は?」


「イデオン・・・だ、だからどうしたんだ?」


「・・・」


何も言わないまま熟考しだすヒース。

・・・これ、俺が初めて手伝わされたときと同じ・・・


「採用」


「へっ?」


脳の隅の隅にも置いていなかった返答に思わず聞き返すイデオン。


「採用っていってるのよ!イデオンちゃんも働いちゃいましょう!イヴちゃん、この子も一緒に手伝ってくれれば問題無いわよね!?ささ、こっちに」



有無を言わさず店の裏まで連れて行かれる。


「うわっ!?や、やめろ!!」


「イデオン・・・諦めよう〜。」


「なんで君はそんな無抵抗なんだよ!!というかどうして同じ部屋なんだ!!」






































現在私生活の多忙とモチベーションの低下により作品の投稿が難しくなっています。なのでまた暫くストックが出来るまで休止しようと思います。

必ず戻ってくるので、この作品を読んでいただいている方には申し訳ないのですが少しばかり時間を頂きたいと思います。よければ評価感想等、いただけるとモチベーションになりますのでよろしくお願い致します!

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