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異世界代表、転生吸血姫。  作者: 熊猫パンダ
第2章 王都ルルガゼ
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第18話 血統の発覚

「試験の邪魔をして済まない。少し話を聞いてくれ。」


事務室に俺たちとベンノ、目撃者の監視員の4人だけがいる。

この部屋の外には警備員が立っており、何故か厳重に他人に聞かれないようにしているような感じだ。


「ああ・・・?まさか失格とか言わないよな?」


「まさか。なんならその逆だ。・・・この魔道具はこの国で最高級の測定器だ。値段にすると凡そ一つ宝銅貨1枚ほどする物だ。あの手の物は高ければ高いほどより精密に、かつ迅速に、そして、測定できる上限値が高くなっていく。測定の方法は至って簡単なものでな。光の色とその光量から判断できるようになっている。」


「明るさね・・・」


「ああ。問題はそこだ。あの明るさは常軌を逸している。少し急用があったからこの事務室に居たのだが、近くで落雷でも起きたのかと思った程に視界が真っ白になった。だから一瞬は何とも思わなかったのだが、明るさのわりにいつまで経っても雷鳴が聞こえないのでな。少し不思議に思ったら試験会場が騒ぎになっているではないか。」


「僕が見ていた限り彼女は本当に一人だし、周りの人物が何か細工をしている様子もなかった。あれは単純に彼女の魔力から成った物だ。監視員も見ていたんだろう?」


イデオンが監視員に尋ねると、彼女は無言で頷いた。


「いや、疑っている訳じゃないんだ。それはこの魔道具が証明している。この魔力の残滓、常人が触れれば余りの魔力密度に魔力障害を引き起こしてしまうだろう。この珠という器が、お前の魔力量に耐えきれず溢れてしまった結果の事故だろう。」


え、それってつまり魔道具が壊れているってことか?

...宝銅貨一枚を日本円に換算すると、大体1億ぐらいだろうか。賠償とかにならないよな...?


「そんな馬鹿な、あの魔道具を壊せるほどの魔力を持っているだなんて、魔王に匹敵します!」


監視員が少し笑ってベンノに反論する。


「ふむ。それについてなんだが...お前、いや貴女の親を教えてはくれないか?」



この世界において、苗字を明かす事は自分の身分を晒すことになる。差別の要因になる可能性がある為、基本的にはマナー違反のNG行為だ。だがベンノは公的な機関に属してある程度の地位も持っている様だ。機密は守ってくれるだろう。


「俺の親は...リヴィアナ。リヴィアナ・バレンタインだ。」


少し場が固まった後、ベンノが溜息と共に頭を抱える。


「ハァ...やはりか。その魔力、そしてその容姿...明らかにあの、ヴァンパイアの家系のものだ。」


「よく知ってるね!」


「リヴィアナ...?リヴィアナってあの、魔王軍親衛隊隊長の伝説の狂戦士の!?」


イデオンが興奮したように俺の手を取る。


「う、うん...?」


「知ってるも何も、この王都の兵士達はほぼ全員彼女からの稽古を受けた事がある。直接的では無いにしろ、彼女の指導や訓練は実に的確だ。1つ文句があるとすれば...」


「有るとすれば?」


「い、いや何でもない。(ただ内容があまりに厳し過ぎるだなんて彼女の実娘に言えるものか!)とにかく、これで君の潔白は証明された。試験に戻ってくれて構わない。あ、故障した魔道具に関してはこちらの準備不足だから心配しないでいい。次からは更に良い物を用意するように上に要求しておこう。」


おお!それは良かった。旅の賃金を稼ぐどころか多額の借金を負ってスタートになってしまったらどうしようかと不安だったのだ。


「良かったな、イヴ殿!」


「いっ!?やめろよイデオン...」


「む、すまない。だけど、僕の最も尊敬している戦士が君のお母様なんだ。そのご令嬢の君も尊敬する事を許してくれ!」


「そこまで言うなら仕方無いけど...殿付けは禁止な?」


「承知した...それじゃあイヴ、次は体力測定だ。他の試験者達に遅れを取ってしまった、急ごう!」

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