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異世界代表、転生吸血姫。  作者: 熊猫パンダ
第2章 王都ルルガゼ
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第17話 暴走する閃光

「一番手前の魔力判定でも受けてみるか!」


折角一番遅れで開始することになったのであの青年と共に行動することにする。


「えっ・・・ああ、わかった・・・」


「?どうかした?・・・あ!つーか自己紹介がまだだったな。俺はイヴ。そっちは?」


「確かに。不躾だった。僕はイデオン。よろしく頼む。」


イデオン?・・・どっかで聞いた事があるような?


まあいい、取り敢えず担当官の説明をしっかり聞こう。


「今回の魔力判定試験担当官、ベンノだ、よろしく。それでは試験の内容を説明する。一度しか言わないからちゃんと聞くことだ。俺の後ろにある魔道具を見てくれ。左から、魔力量、魔力圧が測れるようになっている。測り終わったら魔道具を持ってきてくれ。注意としては、不正を行わない事。具体的には、自分以外の他人から補助を受けない事、魔道具の交換を行わない事等だな。監視員は複数居るし、この魔道具には特殊な加工が施されている。複数の魔力の波長を感知したら警報が鳴るから不正行為は直ぐにバレるぞ。話は以上だ、それじゃあ開始。」


「うおおおおお!!」


・・・なんか、勢いが凄いな、冒険者って。


幾つか余っていたので、魔力圧を測れる魔道具を受け取る。形状はどちらも両手に収まる程度の大きさの水晶玉のようだ。



「・・・ふぅ。・・・はぁっ!!」


魔道具の中に一気に変質させない素の魔力を押し込む。


透明だった水晶玉が魔力の影響で眩い光を放った後、青白い光を保ったまま落ち着いた。


「これ・・・!!」


イデオンが目をキラキラとさせて驚いている。


「早く持っていこう!他の奴に奪われるかも知れない!」


「え?わ、わかった・・・」




「これは凄い。・・・どこの出だ?・・いや、マナー違反だな。忘れてくれ。・・・よし、しっかりと記録をさせてもらった。魔力を返却しよう。魔道具に手を触れてくれ。」


手を触れると、中に入った俺の魔力が身体の中に吸収されていくのを感じた。


担当官に魔力圧を測った魔道具を返却し、会場に戻る。



「よくわからんけど、いい結果を残せたみたいだな。よし、次はイデオンの番だぜ。ほい。」


魔道具をもう一度借りてイデオンに手渡す。

魔道具を持ったまま、動かないイデオン。


「・・・」


なんだかイデオンの顔がとても固い。緊張しているみたいだ。


「・・・くっ!、やはり駄目だったか・・・」


「駄目って、何が?この魔道具壊れてたのか?別の物を貰おう、あの・・・」


近くで監視していた助手に声を掛けようとしたが、イデオンに止められた。


「いや、そのだな・・・。僕、魔力がどうやら無い様なんだ・・・」


「え?・・・魔力無いって、そんなことあるのか?」


魔力は、この世界では第2の血液とも呼ばれる。

血液が体外に放出され過ぎると気絶し、程度によっては死に至る事もあるように魔力が尽きると生物の体は魔力が再び作られるまで昏睡状態に陥ってしまう。また血液と同じように魔力もまた常に全身を巡っており、違うのといえば魔力は内臓や器官から造られる物ではなく自然から取り込んだ魔素を魔力に変換して造っているということ。魔力量とはいわばその身体に取り込み貯蔵できる器の大きさ、魔力圧とはその貯蔵した器から押し出せるポンプの強さの事なのだ。


魔力が無いってのは、血液を持っていないという事と変わりない。

そもそもどうやって意識を保っているというのだ?


「・・・いや、正確には魔力が無いわけではないのかもしれない。ただ僕の場合、その魔力の出口になる扉が完全に閉じてしまっているようなんだ。その扉の開き方も分からないし、扉の中に本当に魔力があるのかも分からない。」


どうやら、特殊な体質を持ち合わせているようだな。

・・・これまで、相当苦労してきただろう。


「そ、っか。・・・じゃ、体力判定でがんばろーな!」


「ああ。元よりそのつもりだ。」


少し落ち込んでしまわないか心配だったが、杞憂だったみたいだな。



さて、時間を取ってしまうのも申し訳ないしさっさと魔力量判定を済ませてしまおう。


「ふんっ」


魔力を込める。出来るだけ早く終わらせたいから倒れない程度に出し尽くしてしまおう、どうせ終わったら魔力は返却してもらえるようだ。


ィィィイイン・・・!!


何か魔道具から変な音が鳴り始めた。それに何だか光が段々強く・・・っ!?


いやこれもう眩しい・・・いや眩しっ、目がぁっ!!目がぁぁぁっ!!!


「な、なんだ!?目が見えねえぞ!視界が真っ白だ!?」


「わ、私も見えない!!敵っ!?敵がいるのっ!!!?」


光で真っ白になった試験会場が混沌と騒然とで満たされる。


流石にやばいと魔力を流すのをやめると少しずつ光が収まってくる。


「イヴ・・・君は・・・?」


「えへへ・・・」




「お、おい!!何があった!?」


少し場を離れていた担当官があの光を見て駆け寄ってくる。


「わ、わかりません。突然ここの周囲が光に満たされて・・・あ!この、この試験者達の辺りから変な音が鳴っていたような・・・!!」


俺とイデオンを指差す監視員。


「えっと・・・悪い、俺がこの魔道具に魔力を流し続けてたらいきなり壊れたみたいに音と光が抑えきれなくなってきたんだ。多分、魔道具の故障じゃないかな?」


「故障だと?この魔道具は新調したばかりだし、試験前に点検も行っている。有り得ない・・・む?おいお前、それを渡してくれないか?」


「え?いいけど・・・」


俺が持っていた魔道具を手に取る担当官のベンノ。

少し見るとみるみる表情が強張っていく。


「なんだこの魔力の密度は・・・!?お前、不正を行っただろ!」


「え!?いやいや、不正なんかしてないし、それが出来ないように監視員と魔道具の加工があるんだろ?」


「・・・そうだな、済まない・・・。ちょっと、お前と隣にいる男。裏に来てくれ」


な、なんだ?

かなりの注目を浴びて試験会場から足を運ぶ事になってしまった。


「迷惑かけちゃって悪いね、イデオン。」


「詫びる必要等ない。寧ろ君の潔白を証明するために一番傍で見ていた僕こそ同行するべきだろう?」

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