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異世界代表、転生吸血姫。  作者: 熊猫パンダ
第2章 王都ルルガゼ
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第16話 試験開始

「ん、美味いじゃんこれ!」


直ぐに出て行こうと思ったんだが、あんまりお腹が減っていたんで作りかけのレッドボア定食を頂いてからギルドに向かう事にする。冒険者登録試験までには幸いまだ時間に余裕がある。



「ご馳走様でした~・・・めっちゃ美味かったよ!チンピラなんかやめて料理で店でも出したらいいのに?」


「・・・ちっ、さっさと出ていけ。恐ろしい女だ。」


ナイフを投げてきた男だけ気を取り戻すのが早かった。

どうやらこいつはあの中でも取り分け強いらしい。


味方が瞬殺されて、直ぐに身を隠して不意打ちするしか無いと言う判断を下した所で分かる。




外に出ると太陽が真上から下り始めていた。

もう午後だ。



冒険者協会(ギルド)に到着し、受付嬢に冒険者登録試験の申請を説明をしてもらう。


「それではご説明させていただきます。まず当協会で用意させていただきます試験の内容についてですが、魔力判定、技能判定、体力判定の大まかに3つの試験を受けていただきます。この試験の主な目的としては、役職(クラス)、そして等級(ランク)の判定を出す事が挙げられます。丁度もうすぐ試験が始まりますので、試験開始まであちらの待合室で今しばらくお待ちくださいませ!」


待合室、というか広場というか。

小さめの体育館程の大きさのある会場に、様々な種族の登録志願者達がぞろぞろといた。


「おめーは馬鹿だけど馬鹿なりに力があるから、蛮戦士(バーバリアン)だろうな!」


「ぜってーC級になってもっと稼いでやるぜ...!」


冒険者としての階級(ランク)が上がれば上がるほど、より上位の依頼を受注できる。


これは自分の力を過信した冒険者達が無駄死にするのを防ぐために用意された物だ。


因みにこれは依頼を受注しなければ依頼達成報告ができない

というだけで、受注しなくてもその場所に赴き討伐を行うことは規約違反行為ではない。


しかし、ギルドでは依頼を受注すると無償で保険に加入する仕組みになっている為、その保証も依頼達成報酬も受け取る事が出来ない。だから簡単に言えば、依頼を受注しないでモンスターの討伐を行うのは勿体ないのだ。


だから殆どの冒険者は、自分の階級よりも上位の依頼は基本受注しない。出来ないのではなく、しないのだ。



「よし...」


ふと、傍で聞き覚えのある声がした。


「あ、さっきの!」


「ん?...ああ、魔術師の。やはり君も冒険者になるのか。君程の実力者が野放しになっているのは勿体ないと思っていたんだ。」


つい先程酒場で助けてくれた黒髪の青年だった。

さっきは驚いて良く見ていなかったけど、この青年相当顔が整っている。元男の俺としても少し嫉妬してしまうくらいだ。


「実力者って...さっきは一瞬だったじゃん。」


()()だったから実力者と言うんだ。あの状況であの男、気配を消すのが非常に上手かった。中々の手練れだった筈だ。」


「はは...ありがとう。」


顔が良いだけじゃなく、着ている服も相当高そうだ。

リヴィアナが良く着ていたドレスと同じ特徴的な刺繍が施されている。さては俺と同じく、どっかのボンボンだな?


俺の血筋はかなりチートのようなもので美形しか生まれないようになっているが、人間はそうでは無い。


が、金持ちは美しい容姿の女性を娶りやすく、よって容姿の整った子供が生まれやすいのだ。


かなり失礼なことを言っているから、絶対口じゃ出さないけどネ!


『あ、あー。聞こえますか!今回の試験を担当させて頂きます、責任者のニュイですー。今からこの扉を開けますんで、パパ―っと全力出してきちゃってください!三つの測定を終了致しましたら、出口から試験会場を退場してくださいー。三つの測定に関しては担当官がそれぞれついてますんで、説明をちゃんと聞いてくださーい。それじゃ、頑張ってくださーい!』


どこからか声が聞こえる。

姿が見えないし、学校の放送のような聞こえ方。拡声魔法のようだ。


「うおっしゃー!!お前達、準備は良いかぁ!!行くぞぉぉ!!!」


人が居すぎて埋もれてしまって見えないが、先頭にいる誰かの叫び声と共に全員走り出す。


「うおおっ!?」


突然の人津波に押しつぶされ、俺と青年だけが取り残されてしまった。



「ぐっ・・・!い、一体なんだというんだ・・・?!」


扉の先を見ると、ズコォンバコォンと魔術や土埃が飛び交う演習場。


まるで戦場のような光景だった。



え、そんな感じなの・・・?

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