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ひと夏の思い出〜とっても美味しい夏でした〜  作者: 地野千塩


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10/22

枝豆とポテトフライ

明日から盆休みだ。といってもキャンプ、実家帰省、夏コミ、夏フェスなどに参加せず、自宅で引きこもっているつもりだった。


仕事の帰りにスーパーのより、お惣菜コーナーを物色。もう夜なので品薄になっていたが、半額になっていて嬉しい。


独身アラサー女が惣菜コーナーを物色するのは、寂しい?


でも、少し考えてみて欲しい。ちゃんと仕事をし、少ないながらも税金を納めている。もちろん、犯罪にも手を染めていない。それ以上求めるのって、割と人権侵害では無いですか。


また、日本は働いていない人や病人に厳しい傾向があるが、諸外国のスラム街と比べてみたらどうだろう。犯罪に手を染めていないだけで、だいぶ立派だ。そもそも人間は生きているだけで尊いのだ。


そんな事を考えつつ、お惣菜が入った袋を片手に自宅に帰る。


すぐに手を洗い、メイクを落として、髪の毛を雑に結んで部屋着に着替えた。


「らっくー」


会社ではそこそこメイクもきちんとしているが、家ではこんなもんだ。特に一人暮らしを始めてから、この時間が一番開放感があり、幸せだったりする。きっと家族がいる場合は、さほどこの開放感は味わえないと思う。


「いただきます」


さっそくテレビを見ながら、買ってきたお惣菜をつまむ。テレビは、延々と猫の様子が流れている番組にした。ローカル番組だが、猫って見ているだけで癒される。


今日は枝豆も買った。しっとりと濡れた枝豆を食べながら見るテレビは控え目に言って最高。やっぱり夏は枝豆。この塩味と豆の甘さがクセになるね。一パックも枝豆を買ったから、終わらない。無限に続いて楽しい。


こうして一人で楽しんでいると、外に出るだけが夏じゃない。家で怠惰の限りをつくしているのも夏休みだ。大人の夏休み。


枝豆を半分以上食べ終えると、フライドポテトを手にした。


カリッとキツネ色に上がったクリンクルカット。細長いシャープなフライドポテトも好きだが、デコボコした型のこれも妙に美味しい。たぶんこの形状なので塩味がしっかりとついておて、歯応えもいい。


太めのほっくりとしたフライドポテトもいいが、今はクリンクルカットも最高だ。


そんな事を考えながら食べていると、すっかり猫のテレビ番組は終わっていた。次はドロ沼サスペンスドラマがスタートするようだ。


ほのぼの世界から一気にサスペンスの世界へ。そのギャップがえぐいが、今日ぐらいはダラダラ過ごすのも悪くない。


外に出る事が夏休みでもない。


こうしてちゃんと休み、また元気に仕事に行けたら、悪い事でも無いだろう。


「よーし、今日は夜更かしする!」


枝豆もポテトフライも食べ終わってしまったが、大人な夏休みは始まったばかり。

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