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プロローグ

 俺は如月きさらぎ はるか。男であり、女でもある。

 初っ端から意味不明な自己紹介だが、俺はイメージするだけで、男女の体を自由に入れ替えられるのだ。

 なぜそのような能力を授かったかというと、遡ること一週間前だ。

 放課後、高校を出た俺が、家路に就いていると、体が半分透き通った端正な顔立ちをした長髪の女の子が彷徨っているところに遭遇した。

 なんだこれ?

 疑問に思った俺が女の子を見つめると、彼女もこちらに気づいて声をかけてきた。

「見えるのね?」

「え?」

 見える、ということは、こいつは幽霊の類か?

「いやいやいやいや、幽霊なんて見えませんよ!」

「嘘、見えてるじゃない! ちなみに私は幽霊じゃないけどね!」

「あんたなんで透明なんだよ!?」

「ああ。エネルギー体だからよ。私、ゴスト星っていう遠いところから来たの」

「はあ。……?」

 ゴスト星とはなんぞや、疑問符。

「私の姿見えるってことは、適合者ね」

「適合者? なんの?」

「お願い、力を貸して!」

「え?」

「私、悪い宇宙人に追われてるの」

「意味がわからないんだけど」

「説明してる暇はないわ。来るよ!」

「え!?」

 遥か上空より、見たこともない怪物が現れる。

「着ぐるみか?」

「ワルド星人よ」

「ワルド星人?」

「いい? 今からあなたの肉体を借りて私の体を実体化させるから、あいつを倒しなさい」

「は?」

 女の子が俺の体に重なると、その瞬間に俺は光に包まれてその子の体で実体化した。

「うん!?」

「避けて!」

 怪物の遠隔攻撃が飛来。

「うお!?」

 俺は攻撃をかわした。

「なんなんだ今の!? 映画の撮影にしては手が込んでるだろ!」

 怪物の方を見やると、その姿は消えていた。

「後ろよ!」

「あ!?」

 後方を振り返ると、怪物の攻撃が迫っていた。

「うわ!」

 その場でジャンプすると、十メートルほど体が浮き上がる。

「なななな、なにいいいい!?」

 落下を始める体。

 こんな高さから落ちたら死ぬわ!

 そう思いつつうまく着地するが、痛みはなかった。

「そういうことか」

 俺は隙をついて怪物の懐に潜り込むと、その腹部に拳で風穴を開けた。

「ギャアアアア!」

 悲鳴を上げながら爆裂霧散する怪物。

「や、やったのか?」

「初めてにしては上出来じゃない」

 俺の脳裏によぎる女の子の声。

「終わったんだ、出て行けよ」

「それが無理なのよ」

「なんで?」

「ゴスト星人と一度合体した適合者は、元には戻れないの」

「は?」

「つまり、あなたはスーパーパワーを得るのと同時に、私としても生きていくことになるのよ。さっきのやつ、私の力を狙ってたのよ」

「なんだってえ!?」


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