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第六話:なんかサイドの話が目立ってる

はい、祓戸です。お正月休みが終わり、小説執筆を再開します。

ということで今回はいつもより文字数多いです。

Side柳葉


「よろしくね、柳葉くん」


僕に話かけているのは勇者である藤原くん。今日の戦闘訓練は模擬戦だ。組み合わせはクジで決めた。すると驚くことに勇者と模擬戦することになった。何という運の悪さでしょう、もう笑うしかないね…

僕たちはCリーグなのでもうAリーグ、Bリーグが終わった。

Aリーグの優勝者は米口くん。地球でも空手で強かったし、

レイに来てスキルも手に入れたから本当に強い。米口くんは阿修羅の腕で腕を四本増やして攻撃したり防御をしていた。腕が二本+四本の六本で防御が本当に硬く、攻撃に集中しているとカウンターを決めて倒していた。

Bリーグは桜沢陽児(さくらざわようじ)くんが優勝した。桜沢くんはクラスでは桜と呼ばれている可愛い系男子だ。桜くんは下手な女子より顔が整っていて何とファンクラブがあるのだ。ビクビクしてて僕と一緒の陰の気がしていて勝手な親近感を抱いている。一度学校の文化祭で女子生徒たちが桜くんにメイド服を着せようと躍起していた。

結局は本人が泣く寸前まで行ってしまって却下されたが、桜くんの目がうるうるしていてその姿に惚れた血迷った男子生徒が告白するという事件が起きた。そんな桜くんのステータスはこれだ。


    名前:桜沢陽児

    種族:人族

 ステータス:HP3500/3500

       MP5000/5000

       SP3000/3000

   平均攻撃値2000 平均速度値2500

   平均魔法値5000 平均防御値3250

   平均魔防値5000

   称号なし

   スキル<ユニークシリーズ>獄炎魔法 炎花魔法 獄氷魔法 氷花魔法

      <一般シリーズ>言語理解 数学 二律背反性


何ともかっこいいスキル構成だ。某ヒーローのようだ。

そんな顔に似合わない厨二な能力を持つ桜くんの闘い方は二種類。近接戦闘タイプに人は自分の周りを氷か炎で囲い安全地帯を作ったところで魔法を使い倒す。魔法使いタイプは炎花魔法や氷花魔法を使って倒していた。炎花魔法と氷花魔法とはまだ一部しか見たことないが桜くんが魔法を発動させた地面を相手が踏むとそれそれ炎、氷の花が急激成長し相手に絡まるという魔法だ。名前とは裏腹のトラップのような魔法だ。正直二人とも参考にはできない戦い方だ。僕は血液鑑定を発動して自分のステータスを見る。

僕の血液鑑定は自分の血が付いた物または自分が血を取り入れた者、

自分の血を取り入れた者のステータスを見ることができる。

血が付いただけだと一部しか見れないが他だと全て見ることができる。

僕は訓練をしてこんなステータスになっていた。


     名前:柳葉夜兎

     種族:人族(92%)魔族(8%)

  ステータス:HP3000/3000

        MP7500/7500

        SP4000/4000

   平均攻撃値3550 速度平均値5500

   平均魔法値7000 平均防御値3100

   平均魔防値6500

   称号なし

   スキル:<ブラッドシリーズ>血魔法 血の契約 血液再生 血液鑑定 吸血

       <一般シリーズ>言語理解 数学 隠密 並列思考


……種族のところはもう触れないぞ。それにしても魔法のステータスがおかしい。聞いた話に聞くと勇者のステータスがようやく5000を超えたらしい。魔法はいいんだ。数値が高いことはいいことだから。

けどHPと平均攻撃値と防御値がめっちゃ低い。平均攻撃値と防御値は物理の攻撃と防御のことだ。HPは防御値の数字を超えて初めて削れる。

つまり相手のHPが1でも防御値が一万とかだと一万以上のダメージの攻撃を出さないと相手は倒せない。僕は魔法だったら6500以下の攻撃だったらHPは削れないが、物理だったら3550以上のダメージだとHPが削れてしまう。いやこの数値でもこのレイだったら結構強い。

けど上級の冒険者だったらまちまち、近衛兵だと半数以上はこの数値だ。つまりステータスのほとんどが人外の数値の勇者が仕掛けて来て辛いのは近接戦だ。幸いなことに速度は高い方なので逃げることはできる…と思う。正直なところ勇者のステータスを知らないのだ。藤原くんだけだけでなく大半の人がステータスを隠しているのだ。正確にいえばステータスを見れないだが。

そう、ステータスは鑑定系のスキルを持っていないと見れないのだ。けど勇者である藤原くんを筆頭にステータスが高い人たちは週に一度は教会に行って鑑定を受けている。まあステータスは個人情報だし普通は開示しないだろう。けどそのおかげでどう戦えばいいのかわからない。

……こうなったら僕の魔法でゴリ押しするしかないか。僕は運動音痴なので全力のステータスで戦ったことがない。そのため手数を増やそうと血魔法の並列起動をしていた。そしたら並列思考のスキルが生えてきた。これなら何とか走りながら魔法を使うことができる。まあ死ぬことはないらしいし、大丈夫でしょ…ちょっとだけ魔族だけど大丈夫だよね?


Side管理者(天使たち)


「うう…次元の壁に穴開いてる…ああ!空間の座標狂ってる!これ計算大変なのに…」


「いやあ…本当に大変そうだね…」


「そう思うなら手伝ってくださいよフーヤ…」


「いやだよ 私だって魂の管理してるんだから…

 あ、でも今日の分終わりそう」


「あああああああああぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」


「いやー荒れてんなあ」


「しょうがないですね… あれの計算は本当に大変ですし…」


「それでもいつもの敬語が崩れるってよっぽどね…」


「リーリャはまだやったことありませんでしたっけ?あれほんと大変なんですよ…因果律とか空間中の魔力濃度とか色々気にすること多いんですよ」


「そいえばカガリ、その召喚された人たち監視しないでいいの?」


「あ…ソフィア手配とかしてくれませんか…?」


「何で私なんですか… まあ今はちょっと余裕あるからいいですけど…

 部下の名前教えてくださいよ、命令書書きますから」


「おお!ありがとうございます!名前は竜田姫です」


「ああ、あの天山脈の… 了解です」


「あ、今あの子イメチェンで全身白銀だから間違えないでくださいね」


「イメチェンって…まあ了解です。行ってきまーす」


Side竜田姫


「いやあ平和じゃのう」


天山脈の頂上でわたしはそう呟く。

最近別の世界から人族が召喚されたがこちらに来る気配はない。ひと昔の召喚者共だとこの天山脈に群がって生態系を破壊しまくっていった。


「全くあの時は色々な種族の保護で大変じゃった…」


「それに付いては申し訳なく思っています」


突然、わたししかいないはずの山頂に声が響く。


「何者じゃ!!」


わたしは少し魔力をこめながら叫んだ。この天山脈の山頂にやってくる者はどいつもこいつもわたしを殺そうとしかしなかった。

なので今回もその手の類かと思ったが…


「へえ…少し見ない間に図に乗っているようですね」


空間に穴が開く。そこにいたのは背中から白い翼を持った女性だった。

……ん?白い翼?空間転移?


「少しお灸を据えてあげましょうか…」


「すみません!すみません!ちょっとピリピリしてただけなんです!」


空間転移してきた女性ーーソフィア様に慌てて土下座する


「まったく…ルイ様たちが休暇だから仕事代行してたところをわざわざ!直々に!

 命令書を持ってきたのに魔力使いながら威嚇されるとは…カーヤだったら間違いなくボコボコにしてますよ」


「本当にすみません…寛大な御心に感謝します」


「まあいいでしょう。あなたに命令書です」


「命令書…ですか?」


「ええ、私ではなくカガリからですが」


「はあ…ちなみにカガリ様はなぜソフィア様に頼まれたのですか?」


「別の世界から人族が召喚されたのは知ってますね?」


「はい、もちろん存じています」


「その関係で次元の壁の修復と空間の座標が狂ったのでそれの計算を」


「ああ、なるほど…空間の計算は大変ですからね」


「一応私も仕事がまだあるのでもう帰りますね」


「はい、わざわざありがとうございました」


ソフィア様が空間転移する。


「はあああ…緊張したよぉ…」


口調が幼子のものになる。

人の年齢だともう余裕で曾孫をこえるくらい年を重ねているのだが、龍からみればまだまだ子供だ。そんなわたしだが、他の龍たちを押し退けて天山脈の主を務めるくらいには強い。だが正直主様たちの直属の部下である六熾天使は他の部下たちより圧倒的に強い。六熾天使からするとわたしなど1分も持たないだろう。


「っと、そういえば命令書があるんだっけ?」


ーー竜田姫、別の世界から人族(勇者)が召喚されたのは知っていると思う。けどレヴィア様たちは休暇でそっちに行っちゃたからとりあえず私の権限の範囲で対処するしかない。よってお前の配下から人化できる竜を選んで勇者たちを監視してほしい。勇者たちは今度ダンジョンに入るらしい。それに合わせて合流できるように早急にランクを上げてもらう。ステータスの枷は今回特別で五割だ。間違っても勇者たちを殺すなよ。


「えぇ…勇者かぁ」


正直に言ってわたしは勇者が嫌いだ。理由は親を殺されたから。元々この天山脈はわたしの両親が治めていた場所だ。あ奴らは召喚された国の跡を継ぎ世界を統一しようとしたらしい。それで邪魔になったのは天山脈だ。

当然だ。他の地域とは比較にならないくらい強い魔物たちが跋扈する場所だ。

勇者たちは両親を倒すと天山脈を支配できると考えたらしい。

しかしそんなことはない。

この天山脈の魔物は両親によって何とか留まっていたのだ。

そんなことを知らない勇者は両親が眠りについた時を狙って襲撃してきた。両親は強かった。しかし背後にわたしがいたため普段は攻撃を担う母上までわたしの守りに回った。最初に倒れたのは父上だった。父上は命の灯火が消えるその時までわたしを守ってくれた。父上はわたしと母上を守れて嬉しかったのか、笑っていた。次は母上だった。

母上はとても攻撃力が高く、何人もの人間を屠ったが時間が経ち魔力と気力が尽きて死んでしまった。

母上は“どうか最後まで生きて“という言葉を残して死んでいった。けどわたしはその頃まだ9歳で両親のいない生活なんて想像できなかった。目の前が暗くなってどうすればいいのか泣き叫んだ。頭がぐちゃぐちゃになりまともな思考が出来なかったが、復讐の事だけは鮮明だった。勇者を殺し、そこでわたしは死ぬつもりだった。けどわたしは両親の特性を両方受け継いでいた。防御は父上の白銀(プラチナ)、攻撃は母上の炎。しかも母上は特殊な能力を持っており

わたしはそれも受け継いだ。両親の敵討ちは3日ほどかかった。勇者はこの手でしっかり殺した。しかしわたしは死ななかった。そして案の定、天山脈の魔物は地上へと降り国々を破壊していった。だがあえて放っておいた。むしろ復讐の助けになるからと。滅亡した国の中には勇者たちがいた国も含まれていた。いい気味だ、ザマアミロと思っていた時


「いやーまじかー…人族ほとんど死んでるじゃん…」


一人の少女が隣にいた。


「っ!誰!」


「あれ?お父さんやお母さんから聞いてない?」


聞こえた瞬間、わたしは少女の喉元に放った爪を止めた。


「父上と母上から…?」


「そうそう、一応ボク、君の両親の主なんだよね」


わたしは記憶を探る


「そういえば…一度だけ聞いたことある、父上と母上がお世話になったって」


「だいせいかーい!ちなみに僕は君の母上をお世話したんだよ」


「はっ!そういえば主様に会う時は人化しなさいって言われたんだった」


わたしは慌てて人化をする。


「いやいや別にいいよって…へえ、君なかなか強いね…お母さんの炎を受け継いでる、それにお父さんの白銀も…それに……お母さんに似てるね君。名前なんていうの?」


「竜田姫です」


「竜田姫か…君にぴったりの綺麗な名前だね」


わたしは“綺麗“という言葉に反応して泣いてしまった。

     



     “竜田姫、あなたはこのグラデーションが綺麗ねえ“

     “竜田姫、お前は母に似て綺麗だな“


「っうう、ぐすっ、うえええん!」


「え!?ちょっ!?どうしたのいきなり!?」


「わだじは、母上に!父上に!もっどいっぱい“綺麗“っでいっでほじかったよぉぉぉ!」


「……」


「何で、ごんなはやぐ、死んじゃっだのぉぉぉ!!」


「……」


「さみじい、さみじいよ!なんで!なんで!逃げながったのぉぉぉ!!」


「ごめん、竜田姫ちゃん…」


「返じでよ!パパとママを返じでよぉぉぉぉぉぉ!!!!!」


主様はわたしが泣き終わるまでずっと抱き締めてくれました。





ーーー「落ち着いた?」


「はい、すみません…お見苦しいところをお見せしました…」


「見苦しいなんて思ってないよ。まだ9歳だもんね……ねえ竜田姫ちゃん」


「はい、何でしょうか?」


「これからいうことは強制じゃないよ。けど大事なことだからよく聞いてね」


「はい、わかりました」


「ボクは今日新しい天山脈の主を決めに来たんだ」


「っ!」


天山脈の主。かつての両親の立場だ。


「ボクは竜田姫ちゃん、君が適任だと思う」


「わたし…ですか?」


「うん、君は両親を倒した勇者を倒した。実力は申し分ない。

それにとても賢い。けど、まだ9歳の君が背負うには責任が重すぎる。まだのびのびと自由に育つべきだよ」


主様はまっすぐわたしを見つめている。その目は慈愛に満ちていた。

ああ、何だか母上みたい…


「主様、わたしに任せてください」


「理由を聞かせてくれる?」


「はい、主様がわたしが適任だと仰るならそうすべきでしょう。それに何より…」


「何より?」


「両親が守ったこの地をわたしも守りたい…!」


「フフ、わかったよ。今日からこの天山脈の主は君だ竜田姫」


「ご命令承りました。わたしの全身全霊を賭けて挑みます!」


…随分と長く過去を思い出していたが、やはりこの記憶はわたしの龍生で印象深いのだろう。

おっと早くカガリ様からの命令をこなさないとな。


「おーい、誰かセリアを呼んできてくれー」


父上、母上。わたしはしっかりお二人の跡を告げているでしょうか?

いかがでしたでしょうか?なんか軽い気持ちで竜田姫のこと書いてたらポンポンアイデア出ちゃって…

気づいたらこんなことに…まあでもこんなサイドストーリー好きなんで、これからも書いていくかもです。

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