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【みどりの世界 外伝】とある夢魔の話  作者: あさぎ
第一のゲーム 外伝
1/16

彼の話《1》



やぁ。初めまして。


僕はね。幻想を操る悪魔、夢魔だ。


そうそう、よく知ってるね。

インキュバスとかそう言うたぐいの。


あ、違う違う。別に君を襲いに来たわけじゃないんだ。安心して。


夢とかイメージとかそういった人が心に思い描いた幻、つまり幻想を自由自在に操れるのが僕の能力なんだけど、人間に直接何かをする事はできないからさ。


僕は夢魔の中でも低級の部類で、どちらかというと幽霊とか妖怪に近いんだ。


だからたいした魔力は無いし、君が想像してるような事はできないよ。


あっ期待してた?ごめんね〜。

ふふっ。嘘だよ。あっ怒った?……ごめんごめん。




実は最近ね。

悪魔という種族全体が弱ってきていてね。

もちろん僕もなんだけど。


僕は知り合いが結構多い方だったんだけど、次々と存在が保てなくなって消えてしまって、今ではほんのわずかになってしまった。


君達人間が無駄に……おっと失礼、君達人間が頑張って脳みそ使ってさ。科学だの何だのやり出すもんだから居場所は無くなるわ、魔力は通じなくなるわでもう大変だよ。

結構かわいそうでしょ?僕ら。


心配してくれるのかい?

ふふっ。優しいね、君は。




まぁ、でも今僕は1人の人間から定期的に魔力を補給させてもらってるからね。

しばらくの間はなんとか大丈夫かな。


うん?その人間はって?

ある女性なんだけど、なかなか綺麗な人でね……

いやいや、変な事はしてないよ?

だから、元々そういう事できないんだって。

ほんとだよ、ほんと。嘘ついてないよ。


でも男なら、一緒にいるならやっぱり女性がいいって思うだろう?人間と同じだよ。




って、話逸れちゃったじゃないか。もう。


それでね、僕はその人の『作品』から魔力を補給させてもらってるんだよ。

で、そのお返しに幻想を与える。


我ながら賢いやり方だ。素晴らしい。

メリットしか無いよね、これ。




……えっどういう事かって?

ちょっと説明分かりづらかったかな?


う〜ん。そうだなぁ……


その人間はね、ちょっとした小説みたいなものを書いているんだ。

別に仕事じゃなくて、ただの趣味でね。


あと、絵を描くのも好きだね。

それも風景画とか決まったものじゃなくて自由に描きたいタイプ。


なんかそういう、自分で世界を創るのが好きな人なんだよ。

たまにいるだろう?そういう人。




僕は彼女の夢の中で幻想を見せる。

すると彼女はその幻想をもとに、あるいはその幻想に刺激を受けて、作品を創る。

そしたら僕がそれを食べて魔力補給する。

で、お返しにまた幻想を見せる。


彼女は小説のネタを思いつけて嬉しい、僕は魔力もらえて嬉しい。

ほら、win-winだろ?




ふふふっ。なんだかよく分からないって顔をしてるね。

そもそも幻想って説明つかないからなぁ。


まぁ、世の中理屈じゃ説明できない事ってたくさんあるからね。そんなもんさ。


えっ誤魔化してないよ〜。ちゃんと説明したよ、僕は。


さてと。そろそろ僕はこの辺でお暇しよう。


たまには他の人間と話してみるもんだね。

楽しかったよ。ありがとう。




またね。




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