コント「捜査会議」
管理官「この捜査本部の指揮をとる管理官の○○だ、よろしく頼むぞ所轄の刑事諸君。早速捜査報告を聞かせてくれ」
刑事「被害者は堂島光一50歳、職業は会社員で一人暮らし。独身ですが別れた妻と妻が引き取った息子がいます。殺害現場は被害者の自宅書斎、ナイフによって腹部を数回刺され、出血多量により死亡。部屋を荒らされた形跡などが無いことから顔見知りの犯行と思われます」
管理官「ふむ、続けたまえ」
刑事「現場には、被害者が最期に書き残したと思われる血文字が残されていました」
管理官「ほう! いわゆる"ダイイングメッセージ"だな!」
刑事「そこには大文字アルファベットで、DKと」
管理官「ふむ、すると犯人のイニシャルだろうか」
刑事「DKにあてはまる人物としては、元妻は土井京子。息子に相続させる事が出来るという動機があります」
管理官「なるほど、元妻が怪しいな」
刑事「また、被害者を逆恨みしている会社の同期は堂本清」
管理官「そいつもDKか、ややこしいな」
刑事「トラブルが絶えなかったご近所さんは大門健二」
管理官「DKばかりじゃないか! 何なら被害者の堂島光一もDKだろう! Dの苗字って普通そんなにいないぞ!」
刑事「やはりDの意志を継ぐ者達、ということでしょうな」
管理官「我々はワンピースの海軍本部ではない!」
刑事「管理官もワンピース読んでるんですね」
管理官「ああ、キャリアだってジャンプくらい読むさ。今や息子と一緒に読んでいる……いいから真面目にやりたまえっ!」
刑事「被害社宅に出入りしている英語講師はディーン・クーパー」
管理官「英語圏の人までDKなのか……!?」
刑事「いえ、クーパーの頭文字はCですが?」
管理官「引っかけか! 私で遊ぶな所轄ーッ!」
刑事「このダイイングメッセージについて我々捜査班は、台所が併設された食堂の事だと考えています」
管理官「"ダイニングキッチン"だそれは! 死ぬ間際にそんな駄洒落を残すバカがいるか!」
刑事「しかし、実際被害者宅のダイニングキッチンにはドンキーコングの大きなぬいぐるみが置いてありました」
管理官「だからどうした! しかもまたDKじゃないか!」
刑事「捜査班の調査によれば、被害者のご子息はドンキーコングのゲームにドハマりしているとのこと。一週間後の誕生日に用意したご子息へのプレゼントかと」
管理官「いい話じゃないか! 死ぬ間際に遺すのが息子への思いだったとは尊敬に値する父親だ! バカ扱いしてすまなかった!!」
刑事「ぬいぐるみの横に息子宛の手紙もありました。便箋10枚分、これもすべて血文字で書かれています」
管理官「それは気持ち悪いな! どういう愛情表現なんだ!」
刑事「科学捜査班によると、ナイフで刺された後に書いたもののようです」
管理官「かなり余裕があるな! 多分救急車呼べば間に合ったんだろう!」
刑事「ちなみにご子息は30歳のニートです」
管理官「ならぬいぐるみのチョイスもどうだろう! 息子も今更ドンキーコングハマってる場合か! しかし父親の凄まじい愛を感じて息子が更正出来るといいな!」
刑事「ちなみに息子はギャンブルと闇金で作った多額の借金があり、名前は土井謙一です。自身の挫折を環境のせいにして父親を酷く憎んでもいます」
管理官「またイニシャルDKか! 息子も凄く怪しいじゃないか!」
刑事「しかし、手紙まで残す余裕があればもっとハッキリ犯人を伝えるかと」
管理官「確かにな! 急にまともな推理を言うじゃないか!」
刑事「そこでナイフの指紋を調べたところ。ディーン・クーパーの指紋がベットリ、クーパーが購入したものであることも判明しました。犯人は間違いなくクーパーかと」
管理官「なら今までのやり取りはなんだったんだ!」
刑事「我々もDKには振り回されましたから、管理官殿の反応が見たくて」
管理官「私で遊ぶな所轄ゥーッ!」
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