№3 メイヤ覚醒
青白き炎。
ライヤがコロシアムに戻った瞬間。
トリスタンは槍の一撃を放つと、槍の先端から衝撃波が発し、彼女が吹き飛ばされたのだ。
「勝者!トリスタン卿っ!」
虎徹の勝者コールがコロシアムに虚しく響いた。
メイヤとエリザは観客席を飛び降り、姉の元へ駆けだす。
「おねえっ、姉様っ!」
メイヤは膝元にライヤを抱きかかえる。
ライヤは妹の声に静かに目を開けた。
「・・・ああ、メイヤ・・・」
「姉様っ!大丈夫ですかっ!」
「・・・私・・・負けちゃったのね」
「何も言わないで、傷口が広がる」
エリザは、彼女の傷口に手かざしをして、ヒーリング(治療)魔法を行う。
「すいません、エリザ様・・・っ!」
「いいから、楽にしなさい」
「・・・はい」
ライヤは安心したのか、メイヤの膝の上で気を失った。
「・・・許さない」
メイヤの瞳に大粒の涙が浮かび、こぼれた涙がライヤの頬に落ちる。
「私の姉様を!絶対に、絶対に許しません」
メイヤは冷めた目で見つめるトリスタンを睨んだ。
ゆらり、ゆらりとメイヤの身体から青白い炎が浮かぶ。
「エリザ様、姉様をお願いします」
「・・・メイヤ・・・」
メイヤはエリザにライヤを預けると、彼女はゆっくりと立ち上がった。
ゆらり・・・ゆらり・・・ゆらり・・・。
青白い炎が、大きく強く揺らめく。
「娘の妹か・・・」
「そうです。私はメイヤ。私の姉様をこんな目にあわせたあなたを、絶対に許しません」
「ディオラ最強の侍女のもう一人、メイヤ。姉の無念に怒りの炎を燃やす。いざっ、勝負!」
「戦」旗が振られる。
メイヤの身に纏う炎が、ついに青白い業火となる。
「勇者様・・・」
ポランは康治に呟いた。
「・・・ああ、似てる」
康治はメイヤの姿を自分に重ね、じっと見つめている。
「いくぞ」
トリスタンは、足で地を蹴り上空にあがる。
「God of vertical botoom(神の垂直下)!」
メイヤの頭上にトリスタン必殺の一撃が迫る。
彼女は迫るトリスタンを睨む。
「はああああっ!」
メイヤに叫びに呼応し青白き業火が、噴出する。
炎がトリスタンの攻撃を阻む。
彼女はトリスタンを目掛け飛び上がる。
「なんだっ!」
業火の中から、メイヤがトリスタンの眼前に現れる。
「許さないっ!」
メイヤは右手でトリスタンの頬を叩く。
くにゃり、彼の顔が歪み、地に叩きつけられる。
「許さないっ、許さないっ、許さないっ!」
メイヤの瞳が妖しく光を放つ、地に着くとトリスタンに向かって駆けながら拳を固める。
青白き業火。




