№6 姫とエリザの準備で大忙し、メイヤとライヤ
エリザとライヤ。
式の開始まであと、3時間に迫る。
給仕長は広間の柱時計の時刻を確認し、働き続けるメイヤとライヤに声をかける。
「2人とも、もうここはいい。王女様たちの準備と自分達の準備を」
「はい!」
姉妹は準備に慌ただしい広間を後にした。
二人は二人の仕える女王のいる部屋へ行く長い廊下の三差路で立ち止まる。
「じゃ、メイア」
「では、また後で、お姉様」
私は、早速、エリザ様のおめかしに取り掛かります。
まずは、お湯で温めたタオルをエリザ様の髪にあて、この癖っ毛をしっかり梳いて。
視線が思わず、部屋の奥へと、もうウェディングドレスが届いていました。
その隣には私のですか?・・・ドレス・・・全く同じじゃありませんか。
「どうしたの?」
「いや、そのドレスが」
「何か変?」
「一緒で・・・私の・・・ですか」
私はエリザ様におずおずと尋ねる。
「ああ、そんな事、当然でしょ。アタクシとライヤの結婚式ですわよ」
「なんだか、畏れ多くて」
「そんな事、言わないで・・・」
「すいません」
私は止まっていた手を動かし始めます。
胸があったかくて、ただただ嬉しいです。
「いい事、ライヤ、ダーリンとの結婚の後は、シャロ姉様のハート射止めるわよ」
エリザ様のいつも調子に、私も、
「はい、はい」
「はい、は一回」
2人して笑っちゃいました。
「姫様、おまたせいたしました」
私は、姫様の部屋に入ると一礼をします。
「うん」
姫様は窓辺にもたれかかり、ぼんやりとしていました。
どこか、浮かない顔をしています。
マリッジブルーってことでしょうか。
部屋にはウェディングドレスが届けられていました。
「わあ」
そのきらびやかなドレスに私は、思わず声をあげます。
赤と白の同じ2着のドレス。
「さぁ、姫様、準備しましょうか」
「ああ、そっちの白いのはメイヤのだからな」
姫様は人の悪い笑みを浮かべます。
「よっと」
姫様は窓辺に投げかけていた身を起こします。
すると、もう憂いを帯びた表情は消えていました。
この人はいつもそう。
自分の気持ちを押し込めて、周りのことを優先させます。
本当は・・・。
「そんな事ないぞ。アタシは今回、自分で決められて幸せに思っている。ただ、後々の事を考えると・・・な」
あわわ、心読まれていました。
「はは、メイヤは分かりづらそうで、分かりやすいんだよな」
「はい」
「さっ、準備をしよう。」
「はい」
「互いの晴れ姿だ」
「はい」
シャロとメイヤ。




