№5 劣勢の勇者様
シャイニングソードの煌めき。
康治は相変わらず劣勢に立たされていた。
彼は戦う意味をいまいち見いだせないでいた。
愛する者を守るために戦う、それは分かるが何で彼と戦っているのか腑に落ちない。
だが、そうも言ってはいられない。
「すわっ!」
康治は目を大きく見開き、アーサーを睨む、目力を疑音にして言葉を発する。
眼力が彼の動きを封じ込めようとする。
「くっ!」
アーサーは咄嗟に目を閉じ、意識を飛ばされないように精神を集中させ、康治の目力を回避した。
「さすが、英雄と呼ばれるだけのことはある」
「どうも」
「・・・だが、英雄と呼ばれる男は私一人で十分!いくぞ、シャニングソード!」
アーサーは目を閉じたまま、そう言うと剣先に己の意識を集中させる。
すると鋼の剣に光が集まり出し、眩く煌めきだす。
刹那、アーサーは目を開くと、高く高く跳びあがり、康治の頭上へ袈裟斬りをしかける。
咄嗟に康治は鋼の剣を右手一本、頭上へやりアーサーの攻撃を受け止めるが、鋼の剣が刀身の真ん中から真っ二つに折れてしまう。
康治にシャニングソードの一撃が振り下ろされる。
彼は額でその威力を受け止めると、首を振る事で受け流した。
鮮血が噴き出す。
「逝かぬか・・・コォジィ」
「・・・危なかった。本気なんだな」
「何を今更」
康治の赤髪は燃えることなく、ぶすぷすと不完全燃焼していた。
「勇者様!」
ポランは叫んだ。
康治は彼女の方へ振り向くと、にっこりと笑い返した。
「これは・・・マズイわね」
シャロットは今しがた貴賓席へと戻ってきたメイヤに声をかけた。
「姫様・・・ルーラン=コォジィ殿はまだその真価を発揮されていないようです」
「それは、本当か?では、如何にして」
「あのポランという娘が危機になると、コォジィ殿は真の力を発動するようです」
「・・・左様か、ならば猶予はない。アタシが行かねばなるまい」
「シャロ姉様いけませんわ。危ない」
隣のエリザベートが不安気に姉の顔をうかがう。
「エリザ、私はやらねばならぬ」
シャロットはそういうと、貴賓席を飛び出した。
「姉ぇ、カッコいい・・・」
エリザベートは彼女の颯爽とした後ろ姿を呆けて見とれていた。
(・・・はい、はい)
メイヤとライヤは同時に心の中で思った。
「とぅ!」
シャロットはコロシアムへと舞い降りた。
細身のレイピアを腰の鞘からすらりと抜き、ポランに剣先を突きつける。
「ポラ村の少女ポランよ。アタシの縁談を無茶苦茶にした罪は重い。覚悟せよ」
「はあ?」
ポランはひたすら何が何やらで困惑した。
シャロットVSポラン。




