嘘からでた真(まこと)~プロローグ~第一章はじまりの村からはじめよう №1贄の少女ポラン
とりあえず、書いてみよう。
プロローグ~嘘からでた真~
俺の名は功刀康治29歳、独身。
今日付けにて派遣会社をクビになった新米ニートだ。
なにがコロナによる業績悪化による人員整理だあ、こっちが知ったことか、8年も働いてたんだぞ・・・まぁ、愚痴ったってしょうがない。
幸いにも雀の涙だけど退職金は出たし、失業保険も自主退社じゃないので、すぐに支給される。
半年くらいは節約すれば何とかやっていける。
愚痴っても、焦ってもしょうがない。
って、なると溜まっていた積ゲーを終わらせてっと。
買い溜めしたハレムチート系ラノベを読みまくってと。
萌えアニメのDVDを大人借りして、観まくってと。
魔法少女対戦チームMGS(マジック、ガール、スーパー)VS超能力軍団のフィギュア、魔法少女グリーン、メロンたんのオリジナルカスタマイズしてっと。
今日も充実した日々を過ごした。
・・・あれっ、今、何時だ?
・・・むむ、今日は何曜日?
・・・んー、今月は何月?
俺って、いつ寝た?
まっ、いいか。
鏡を見た。
髪はボサボサで髭は伸びきっている。
顔は虚ろでやつれていた。
(いかん、メシでも食べないと)
俺は、鍋でインスタントラーメンを作り、鍋のまま取っ手を持って食した。
胃の中に久しぶり、食べ物が来て胃が驚く。
俺はトイレに駆け込んだ。
(さすがに、そろそろ穴倉生活から抜け出さないと)
トイレで食べたものを吐き出した俺は、風呂を沸かす。
髭を剃り、何週間ぶり風呂へ入った。
床屋へ行こうと外に出ようか迷ったが、メロンたんが早く私を完成させてと言ってくるので、彼女のカスタマイズにいそしんだ。
大丈夫、まだ妄想くらいは分かる。
カスタマイズに没頭するあまり、夜中の3時となっていた。
久しぶりにスマホの時計に気づいた俺は、強烈な眠気に襲われた。
明日こそ床屋へ行こうと、心に決め布団に潜り込み眠りに着いた。
第一章はじまりの村からはじめよう
№1 贄の少女ポラン
ここはウエスト・サン・ガイア大地の南西の端にあるポラ村。
村人は固唾を飲んで見守っている。
召喚の魔法陣に捧げられた生贄、14歳の少女ポランは自分の最後を静かに待っていた。
年老いた召喚士が古文書を片手に詠唱している。
(なにが、英雄の召喚だ・・・)
ポランは苦々しく思った。
この村は常に魔物に襲われ続けてきた。
その度に、幾人かの村人は倒れ、村は荒らされた。
魔物は賢い。
そこそこまで、村を略奪、凌辱するとまた住処へと戻っていく。
また頃合いを見て、魔物はやって来る。
絶えずそれの繰り返し、終わることのない負の連鎖。
2年前、村の若い男達が魔物討伐へと向かったが帰って来なかった。
そして、村長は決断した。
巫女のポランを贄にして、伝説の英雄を召喚することを。
だが、魔物は気づいていた。
村人たちが固唾を飲み事の次第を見守っている内に、彼等は逃げ場なく周りを取り囲んだ。
魔物たちは、この村を殲滅することにしたのだ。
ポランは溜息をついた。
次の瞬間、背筋が凍る。
彼女を見ている村人の後ろに、潜み怪しく光る眼をポランは見た。
(逃げて・・・)
だが、猿轡されている状態では声は出せない。
魔法陣が光を放ちだし、大地が揺れ始める。
「いでよ!古の英雄よ!」
召喚士は叫んだ。
ポランは光の渦に巻き込まれた。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「痛、痛っ」
光が徐々におさまり、ポランは恐る恐る目を開けた。
そこには、伝説の英雄ルーラン=コォジィがいた。
楽しんで書いてまいります。