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第七十二話 蒼き好敵手

その横にパジェロを付けると、私は降りてその車をマジマジと眺めた。


鮮やかなメタリックブルーのボディは日光を浴びながら、妖艶な雰囲気を持って佇んでいた。 そこに佇んでいたのは、砂漠で激闘を繰り広げたパジェロの好敵手、フォルクスワーゲントゥアレグだったのだ。


フォルクスワーゲントゥアレグについて説明すると、トゥアレグはフォルクスワーゲンが2002年から発売を開始したオールラウンドSUVである。名前はサハラ砂漠に住む遊牧民「トゥアレグ族」から取られている。土台となるプラットフォーム(車台)は同じフォルクスワーゲングループのポルシェカイエンと同じもので、フレームインモノコック構造となっていて、オフロード性能とオンロード性能を高い次元で両立させることを狙って開発されているのだ。サスペンションは四輪独立懸架のダブルウィッシュボーン式で、悪路での接地性と、高速旋回性を両立したものとなっている。

トゥアレグの開発コンセプトとして、卓越した動力性能とクロカン四駆に引けを取らないオフロード性能、そして高級セダンに匹敵する快適性を掲げた「3in1」をコンセプトに掲げていて、即ちどのようなシチュエーションでも対応する万能車を目指したものになっているのだ。 


このようにパジェロと車としての性格が結構近いこともさることながら、特筆すべきポイントとして挙げられるのが、このトゥアレグもパリダカールラリーに参戦しているという事。 実はトゥアレグも2004年から初参戦をした後、以後撤退する2011年までパリダカを戦い抜いた好敵手でもあるのだ。 デビュー当初から早くもトップ争いに加わり、2006年にはパジェロに肉薄し総合2位を獲得、三菱がレーシングランサーにマシンチェンジした2009年には初優勝を成し遂げ、そこから撤退までの間に3連覇を成し遂げるなどの活躍をしているのだ。 パジェロと共に戦ったのは僅か3年ほどではあったが、同じ砂漠の上というフィールドで、火花を散らし好勝負を繰り広げた姿にはライバルながら輝いて見えたものだ。


横に止まっているトゥアレグも、正にそれを想起させられるようなメタリックブルーで、ズッシリとした見た目がナイスだなあ・・・なんてちょっと見入ってしまっていると、


「おや、私の車がどうかしましたか?」


と後ろにいた中年の男性から声を掛けられた。やべ、確かに完全に怪しい動きをかましてしまったな、と思いながら



「いやあ、すいません。トゥアレグ珍しいなあ・・・と思って少し見入ってしまって・・・・。」



「なるほど!この車を分かってくれる方でしたか!!パリダカでの活躍でビビッときて買ってなんだかんだで15年くらい乗ってる相棒なんです!」


誇らしげにその男性はトゥアレグを撫でまわしそう言った。そして、こう続けた。


「もしかして、横のパジェロに乗られてたりするんです? V70系(三代目パジェロロングの型式)パジェロカッコいいですよね!自分も憧れました。


「はい、まあそんな感じです・・・。実は私の本来の愛車はパジェロエボなんですけど、ついさっき修理で入庫してまして・・・。これは代車なんですよね・・・。」


「おやまあ、そうでしたか・・・。とはいえ、代車でもパジェロとはまた凄そうなお店ですね・・・・。 というかパジェロエボにお乗りなんですね!これまたうらやましい・・・」


と、ここから暫く、パリダカの話題や互いの愛車談議で盛り上がっていた。互いに共通項が同じであったから、話には困らなかった。初対面のはずなのに、まるで以前からの友人のように話を進めていると、エンジンの話題になった。


「そうそう、エンジンと言ったら実は自分のトゥアレグ、面白いものを積んでいましてね・・・。」


そう言いながら、男性はトゥアレグのボンネットを開けた。



そこには、今までに見たことのない希少な心臓エンジンが鎮座していたのだ。


続く。


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