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第七話 エボ、手綱を放つ。



先日のドライブから暫く経ったとある平日に私はまた群馬に来ていた。 そう、遂にパジェロエボをダートコースで走らせるためにだ。

オンロード系のモータースポーツでレースや、タイムトライアルや、ジムカーナをするための場所、所謂サーキット場やジムカーナ場があるように、オフロードで行われるダートトライアルと言われる競技をする為の場所「ダートトライアルコース」と呼ばれるものがあるのだ。


私は幸運なことに、故郷群馬に「ダートランド赤城」というコースが存在し、前愛車のパジェロミニでよく走りに行き、そして月一回行われるダートレースに参加していたりもしていたものだった。


何だかんだで忙しくて一年くらいブランクが空いてしまってはいるので久しぶりに走らせるのが楽しみで楽しみで仕方なかった。 東京から車を走らせ、赤城インターから降りて、暫く下道を走るとゲートが見えてきた。


「おお・・・とうとう見えてきたな~。 今日は思いきり楽しんでくるぞ!!」


とりあえずゲートを潜って受付前の駐車場にパジェロエボを止め、受付に行くと、いつもの管理人のおじさんがいたので声をかけた。


「すいませーん、フリー走行って今できますか?」


「おお~できるよ~!! えーとじゃあまずは会員証を・・・・」


料金の支払いと与太話を少しした後、走行前の準備に入った。


タイヤの空気圧をチェックした後、軽く車の点検をしてヘルメットを被り、四点式シートベルトを締め、いざコースインする。


暫く走っていないし、車も今回はパジェロエボリューションに変えたので様子を見るために数周はゆっくりと習熟走行をする。 そうしているうちになんだか感覚が戻ってきてペースが上がってきた。 ここでもパジェロエボの良さが見えてきた。


前のパジェロミニも軽量で軽快でとてもいい車だったけれど、パジェロエボはそれを更に上回るくらいやはり強烈な車であった。 車体の重さ自体はパジェロミニ二台分もある重さだけれど、それを感じさせないくらいスッスッと向きが変わってくれるし、エンジンパワーは圧倒的にあるし、何より足回りの路面追従性が圧倒的にしっかりしていた。

この間付けたビルシュタインのダンパーと四輪ダブルウィッシュボーン式サスペンションはまるで猫の足のように路面を捉えて確実にタイヤを地面に接地させ、曲がり止まり進ませてくれるのだ。 路面が土石だらけで一定ではない砂漠を速く安定して走るために磨かれた技術を、ここで強く実感することができた。前後の機械式LSDもこの足と相まってかなり効果を発揮し、力強く地面を蹴ってくれた。

パリダカで見たパジェロのサハラ砂漠での力走ぶりを再現するかの如く、凛子とパジェロエボはどんどんペースを上げていった。 まるで、名騎手とサラブレッドが互いの息を合わせて疾走していくかの如く。 凛子とパジェロエボは一体となっていた。


平日の昼間ということもあり、殆ど一人で順番を待たずに走り放題だったのでいつもより長く走ったのち、パドックへと一旦戻った。ジュースを飲みながらタイムを確認してみると、なんと最後の1周で去年のとあるダート競技の同クラスの車の優勝タイム(1分34秒02)を上回る、1分33秒54というタイムを叩き出してしまった。 我ながら腕はまださえてるなとニヤけてしまっていた。 暫くすると管理人のおじさんがやってきてニコニコしながら、

「さすがだね~!凛子ちゃん!!新しい車でも凄いタイム出しちゃったね~。」


と言ってきた。 私は


「いやいや~、車の性能がいいからですよ~。 私もまだこの子の性能フルに出せてる気がしないですし・・・。」


と答えた。とは言え内心、結構嬉しくもあった。


そんな他愛もない話をしたのち、そろそろコースインしようかなあと考えていた時、一台の車がパドックに入ってきた。


その車とその持ち主は只者ではないオーラを放っていた。ただの素人は違う、強かなオーラだ。


「シルバーの四代目パジェロショート・・・・。」


凛子のジュースを飲む手が思わず凍り付いた。


続く。  (※ダートランド赤城は架空のコースです。予めご了承ください。)


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