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第五十五話 富士の嶺で語らう

そして富士ヶ嶺オフロードを出て数十分走ると、とうとうふもとっぱらの看板が見えてきた。


「ここがふもとっぱら・・・ねえ。」



「入り口からなんか雰囲気あるわね・・・・。いきなりダートじゃない。」



三台は連なって入口に入っていった。暫く走って行くと、小さな建物が見えてくる。どうやらここが受付らしい。車三台を並べて駐車し、中へと進んでいく。


係りのおじさんに入場料一台につき1000円を支払い、手際よく5人にちょっとしたパンフレットを渡してくれた。


「へええ・・・流石に敷地が広いねー・・・。どの辺に車アプローチさせる?」


「そうねえ・・・。どこがいいのかなあ・・・私こういうのほんと疎くて・・・・。」


と私と莉緒がパンフレットを見ながら、唸っていると涼が


「それならさあ・・・せっかくなら、富士山が綺麗に見える位置にしない?例えばこの辺とかさ・・・・。」


と手慣れた様子で提案してくれた。どうやら涼は合宿やテストでここにはよくきていたそうで、ふもとっぱらの事ならおまかせあれ!という事だったらしい。


というわけで場所はあっさり決まり、各自車に乗り込んで打ち合わせた位置へと向かった。


そこまでの道中は悪路・・・とまではいかないものの、結構凹凸の出ている荒れた路面環境で、パジェロも足をクイクイっと器用に動かしながら、起伏を鮮やかに抜けていく。


「これ、アタシシビックで来なくてよかったなあ・・・。シビックで来てたら腹擦るだけじゃ済まないわよこれ・・・。」


「フフっ確かにね。これだとバンパー引き吊りながら帰ることになってたかもね。」


「ほんとよ。生きて帰れなくなっちゃうわ。」


と、冗談交じりにユリと車内で会話を交わした。


狙った位置にたどり着くと、とりあえず3台仲良く車を並べて記念撮影する。キャンプ場というシチュエーション、そして富士山が一望できる絶好のシチュエーションはとってもぴったりで、シャッターを切る手が止まらなかった。


撮影が済んだ後は、それぞれの車から道具を持ち出し、設営を始めた。私のパジェロはショートボディという事もあって、あまり沢山荷物を積めるわけではないのだが、それでも何とかギシギシにキャンプ道具を詰め込んできていたのであった。 


そして、各自で設営を始めた。


「んああああんもう・・・・この説明書ほんとにあってんの?全っっッ然組上がらないんだけど!!」



「ちょっとユリそれ貸して! それそんな力任せにやったら曲がっちゃうから!」


「何言ってんの!?力こそ正義でしょ!!POWWE・・・・・。」


「折れるでしょこの脳筋が!! いいから貸しなさい!!」


力で解決しようとするユリを必死に静止させながらも、何とか私たちはテント

やその他諸々の設営を終えた。


私たちが茶番を繰り広げている一方、涼はそれより遥か早くに設営を終えていたし、莉緒も莉緒でカイエンの積載力を生かして大きめのテントや、これまた立派なバーベキューコンロをこさえてくれていた。 全く頭が上がらない・・・・。


すっかり日が暮れかけた辺りで、いよいよバーベキューが始まった。


それぞれが持ち込んだ食材を並べ、楽しい食事の時間となった。美味しい食事に舌鼓を打ちながら、普段の仕事の愚痴に冗談に・・・そして、大好きな車に関する話題は尽きることがなかった。自分の愛車に対する惚気話、手を加えたところについての話、駆け抜けた思い出話に花を咲かせていた。 いつも片方片方で会う事があっても、いつものメンバー全員で会うことは中々忙しくて叶わなかったから、何よりも嬉しく楽しい時間だった。


気付けば丑三つ時に近いくらいまで話し込んだのち、そのまま就寝する運びとなった。


ユリと私は同じテント、一つ屋根の下で床に就くことになった。


が、結局テントに入っても中々眠くはならずユリと私は暫し話をしていた。


「ねえ凛子・・・なんだかさ・・・・。ほんとアタシ、あんたと出会って色んな事が変わった気がしたよ。」


「何?それは悪い意味で?」


「ええ、十分悪いわよ。だって、上京してからずっと一人でやってきたアタシにこんなに仲間が増えちゃったんだから。おかげでいっつも楽しみまくりよ・・・・! ありがと凛子。」


「なーに、いいって。・・・まあ、趣味は結局、最後は自分の世界で楽しむためのものだけれど、もしその世界を気の合う人同士で支え合えたら、もっと素晴らしいものになるしね・・・。ユリもその輪の素晴らしさに気付いたみたいでよかったわよ。」


「気づかされちゃったわねえ・・・ほんと。 これからも、仲良くしてね、凛子。」


「もちろんよ。よろしく。」


二人は寝ころびながら、握手を交わした。



また遠くないうちに、こうしてみんなでまた遊べますように・・・。そんな事を考えながら、凛子は眠りについた。


続く。




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