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第十四話 NXCDにチャレンジ!!中編

いよいよ本番がスタートする。流石に久しぶりに大きい競技に出るので、私も段々と緊張してきた。 喉が渇きまくり、お茶を飲んではトイレに行ってお茶を飲んではトイレに行ってを繰り返していた。


「おっといけない。こういう時こそルーティンしなきゃ。」


ということで、パジェロエボに積んである鞄から缶のブラックコーヒーを取り出しカシュっという小気味いい音を響かせながらその封を開け、


「ファイト!!一発!」と言いながら一気に飲み干した。くうう~、染みてきた・・・・なんて。

でも不思議とこれをすると気分が落ち着いてくるんだ。


そして本番の号令がかかった。私はパジェロエボの心臓に火を入れる。


「頼むよ、パジェロエボ。一緒に呼吸合わせてこうね。」


ステアリングをポンポンっと押しながら、私はそっとパジェロエボに語りかけた。


本番では、クラス別でゼッケンの順番通りに2回タイムアタックを行い2回アタックしたうちの最も速いタイムで順位を決めることになっている。


練習走行でも手ごたえはあったし、ましてやここは走り慣れているコース。それなりに結果は残していきたい。よし、思いきり攻めていこう。


・・・・・と思いながら待っていたら、同クラスのライバルの別の車がなんとコースで派手に横転する様子を目撃してしまった。 わ、私はコケない程度に攻めますとも。


いよいよ私の番がきた。 スタートラインに車を寄せ、その瞬間を待つ。


ギアを1速に入れ、空ぶかしをしながらスタートの合図を聞く。


「スタート5秒前! 4、3、2、1・・GO!!!」


スターターの合図と共に、私はクラッチをミートし、アクセルを全開にし、スタートダッシュを決めた。大成功だった。

メインストレートで一気に2速、3速とシフトアップをしていきスピードを乗せていく。

コーナーに差し掛かり、シフトダウンと同時にブレーキング。ヒールアンドトーを華麗に決めながらも車の向きを綺麗に変えてコーナーを回り、そして立ち上がる。パジェロエボは私と呼吸を合わせるようにスッスッと向きを素早く動かしながら並み居るコーナーを抜けた。

しかしコース中盤にあるタイトなコーナーで突っ込み過ぎてしまい大きく膨らんでしまいタイムロスをしてしまった。 電光掲示板に移された結果は1分34秒55。 前に一人で走った時よりもタイムダウンしてしまった。 現在暫定4番手ほどらしく、正直悔しい。


また列に車を並べ待っているとき、次にアタックしていた涼のV87パジェロの姿が見えた。

相変わらず、恐ろしいくらいにスムーズかつクールな無駄のない走りをしていた。とても19歳とは思えない見事なマシンコントロールだった。

6G75の野太いエキゾースト音を響かせながら、涼のパジェロがゴール地点まで鮮やかに駆け抜けていった・・・・!!


電光掲示板を見ると、タイムはなんと先日私が出したベストタイムより速い1分32秒43を叩き出していた。 恐るべし四ノ宮涼。


その後は改造車で争われるPN、アンリミテッドクラスの番が回ってきていた。様子を見ていたが、流石各ショップの渾身のマシンぞろいなのもあって非常に激しい走りが見れた。それこそ、正にパリダカのように。


アンリミテッドクラスの本気仕様のマシンともなるとタイムは皆28秒台くらいで推移していてなんだかレベルが違っていた。


インターバルの間、私は涼とまた会話していた。


「凛子、派手に突っ込み過ぎてたね。なんだか走りも気迫満点だったし。(笑)」


「そうかなあ・・・(笑) まあ、突っ込み過ぎは完全に私のミスだったね。2回目は超本気モードでいかせてもらうよ。覚悟しててね!」


「お、言うねえ。ま、あなたの実力がこんなもんじゃないのはあたしもわかってるから、お互い最後まで真剣に走ろうね。 もちろんあたしもプロの意地として最後まで気合入れていくよ。」


そう言って、私と涼は堅くハンドシェイクを交わした。

私もなんだか気持ちがみなぎってきたし、最後のアタックは全身全霊をかけて走ろう。そう心に誓ったのだった。


続く。



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