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守られてばかりの勇者様!?  作者: Toro
第1章 勇者選抜編
4/27

3節 透、勇者になる!

4話目です。よければ感想とか言っていただけると助かります!

誤字や感想メッセ待ってます!

次の日の朝、透はツバキさんと一緒に宿を出た。

そう、今日が運命の日、勇者になれるかが決まるのである!


「勇者、なれるといいですね。まぁでも、そもそも候補者がいないので、このままいけば、デキレースと言えばデキレースですけどね。」


と、ツバキさんは痛いところを突いてきた。


「いや、ツバキさん!そんなこと言っちゃったら身も蓋もないでしょ!?そもそもまだ1人と決まったわけじゃないから!」

「そうよそうよ!透にぃのことバカにして!!」


聞き慣れた声が聞こえたので振り返ると、そこにはカエデがいた。


「うわ!お前なんでいるんだよ。」

「うわ!ってなによ!うわ!って!」


カエデがむすっとした表情で言った。


「カエデさん?あなた、朝から仕事があったのでは?」


ツバキさんがそうカエデに言うと、


「いいのよ!昨日の夜とか1人で皿とか洗ったんだから!少しぐらい休憩がてら着いてきてもいいでしょ!」

「カエデ、け・い・ご!忘れてますよ?」

「あ、ごめんなさーい。ツバキせ・ん・ぱ・い!」


そんなこんなで言い合いをしながらも歩いてるうちにギルド会館の前に着いた。


「では、トオルさん。私はギルド受付の方に行くのでまたあとで会いましょう。」

「はい!また後で!俺は自分が勇者になれてるか見てきます!」


そう言って俺はツバキさんと別れ、カエデと共に勇者発表を聞きに行った。


「何人くらい応募してると思うか?カエデ。」

「いや、透にぃ、ツバキも言ってたけど現実を直視しなきゃダメだよ?1週間勇者募集してて、最終日だった昨日の時点で透にぃ1人だよ?他に候補者なんているわけないじゃん。」


うっ、こいつ案外鋭いな、と思った。たしかに昨日が最終日だったのだから他に候補者がいる可能性は限りなく低そうだ。勇者になりにきた俺にとっては都合がいいかもしれない。だが、いざ候補者1人となると悲しいというか哀れというかなんとも言えない気分になるのであった。

俺たちが話しながら歩いていると、勇者発表される予定のギルドホールに出た。


「うわぁ、人いっぱいいるなぁ。これ、ただの見物客かな?」

「そうじゃない?過去にも勇者がいたとか歴史書で見たことあるけど、何百年も前のことだからね。実際見るのが初めてなんだよ、みんな。だから、みんな興味津々なんだよ!」


なるほど!と俺は思いつつ、カエデを見て、村の学校とは言え首席卒業は伊達じゃないな、と思った。けっこう鋭い意見を言うからだ。


「えぇー、では今から勇者発表を行う!皆静粛に!」


そう言って出てきたのはなんかチョビヒゲの偉そうな人だった。


「あの奥にいる黒いマント羽織ってるやつ、あからさまに怪しすぎじゃないか?」


俺は発表を行うであろうチョビヒゲの隣にいた黒いマントにフードをかぶっているやつが気になった。


「確かに怪しいね。まぁでも悪そうな人じゃなさそうだから大丈夫だよ。そんなことより発表、始まるよ?」

「お前見ただけでそんなことわかんのか!?だけどまぁそうだな、まずはそっちが先か!勇者なれてるといいなぁ。」


俺がそう言うと


「へぇ、あんちゃんがたった1人の勇者応募者かい?おっと、盗み聴きしちまってスマねぇな!へっ!ヒョロッちぃのに意外と根性あんな!」


そう言って話しかけてきたのはめちゃめちゃガタイの良いおっさんだった。


「名乗るのが遅れちまったな!俺の名はゲイル!ゲイル=ブラックだ!よろしくな未来の勇者殿!」


そう言って俺の背中をバシッと叩いてきた。気のいいおっさんって感じだ。


「よろしく!俺は木村透。トオルってみんなには呼ばれてる。で、隣にいんのがカエデだ。」

「おう!おっちゃんよろしくな!」

「ヘヘッ!俺はあんちゃんと呼ばせてもらうがいいかい?そんでお前は嬢ちゃんだな!ガハハハ」


俺がそれを了承するとゲイルはまた俺の背中をバシッと叩いてきた。

そうこうしてるうち、偉そうな人の長い話が終わったようだった。


「えー、ではこれから勇者を発表します。発表するのはこの方です!」


そう言ってその偉そうなチョビヒゲは黒マントを指した。

周りの人たちもなんだかざわざわしている。


「てっきり、お付きの人かと思ったけど……」


カエデは独り言を言いながらどこから取り出したのか、みたらし団子を食べている。


「この方です!」


その指された人はバサッと黒マントを脱ぎ捨てた。


「あれは!?国王陛下じゃない!直々に発表するってわけ?」


カエデは驚いて食べていた団子を落とした。


「なんだじょーちゃん知っとんのか?兄ちゃんもよく見ときな、あれが国王、ベルフォード、貴族階級じゃない、自分の実力のみであの場を勝ち取った、この国の最高権力者だ。」


ゲイルが真剣な顔になっていた。

それほどの大物というわけか。


「私がこの国の国王ベルフォード=ブラムだ。では早速だが、この方に登場してもらおう。唯一勇者に立候補してくれた勇気ある少年、トオル・キムラだ。」


そう言って俺にライトが当たった。

いきなりの紹介に俺は一瞬思考が停止した。


そんな俺をゲイルのおっちゃんとカエデが押す感じで壇上に立った。


「ではこの者から一言もらおう!ではキムラ殿。一言いただけるかな?」


俺は頷くと一歩前に出た。


「えー、はじめまして!勇者に立候補した木村透と言います!好きな食べ物はうどんです!女の子の為……じゃなくて、この世界の平和の為に尽力したい所存であります!」


うん、我ながら割といい感じのスピーチだ。危うく女の子にチヤホヤされるためとか言いかけたが…


「トオル・キムラ殿、立ち上がってくれてありがとう。私はこの者が勇者を任せるに足る人物だと思った。異論のあるものはあるか?」


俺は内心全員ではないにしろ、なんかしらの反対意見は出るものだと思っていた。しかし、ゲイルやカエデ、そして扉の前に立っているツバキさんたちが拍手を始めると、周りの人たちも続いて拍手をしてくれた。中には


「勇者様〜」

「透にぃ〜」

「あんちゃんやるな!」


などと聞き覚えのある声もあるが、ギルドホールにいる人たちは俺が勇者になることを祝ってくれてるみたいだった。しかし、


「では、この者勇者トオルについていく勇敢な者はいるか?」


そう、国王陛下が言った途端皆が静まり返った。そう、どんなに大騒ぎし、勇者に賛同しても、皆手を挙げてはくれなかった。魔王が怖いのである。

そんな中、俺は少し涙目になりかけた。

え?俺1人?まじ?こういう時って俺もいくぜ!みたいなのじゃないの?いやいや1人で魔王7人相手するとか無理ゲーだろ!


「やはり、皆怖がって戦いに出てくれる者はいなくなってしまった……」


と国王陛下が言い終わらないうちに3人手を挙げてくれたものがいた。


「なーに泣いてんの?透にぃ。私がお兄ちゃんを1人で行かすわけないじゃん!まったくぅー私がいないとダメね〜」

「へっ!男が鼻水垂らしながら泣いてんじゃねぇ!ここであったのも何かの縁だ!俺でよければついてってやるよ!あんちゃん!」


なんだかイラっとする発言と鼻水を垂らしてもいないのに垂らしていると言われて内心、いや、嘘つくなよ!と思いながらもその2人に感謝をした。そして、最後の1人が、赤い髪の女性だった。


「私は貴殿の勇気ある発言に感動した者だ!勇者トオル殿、どうか私を連れて行ってはくれないだろうか?」


その赤い髪の美人の女性は壇上に上がってきて俺の前で跪くなりこう言った。


「良いのですか?俺強くないですよ?そんなに貴方が思うほど聡明でも志高い者でもないかもしれませんよ?」


そう俺が言うと


「いえ、強さが大事なのではありません。この後の旅路は長いのです!そこで強くなれば良いのです。しかし心はいくら闘おうとも簡単に強くなれる者ではない!だからこそ、私は貴殿の剣になりたい、そう思ったのです!」


そうして半ば押し切られる感じでその赤い髪の女性は仲間となってくれた。

その後、国王陛下はよかったよかったと言いながら、軍資金として金貨1000枚と一式の装備を用意してくれた。


俺は勇者任命式を終えた後、ツバキさんとそのお母さんサチ母ちゃんに報告しに行った。


「無事、この木村透、勇者になることができました!!」


するとサチ母ちゃんは


「聞いてたよ!あんたの演説も、泣きそうな顔もね!わざわざ店休んで見に来た甲斐がある演説だったよ!さぁさ!今日はお祝いだ!カエデ!ツバキ!支度しな!今日はパーティーだ!」


そう言ってサチ母ちゃんはそのほかの"うぇいたー"さんと共に準備しに行ってしまった。

俺も何か手伝おうかなと辺りを見回していると、2階で何やらツバキさんが手招きをしていた。


「どうしたんですか?ツバキさん。呼び出すなんて。」


俺は何かに期待に胸を膨らませながら回答を待った。


「トオルさん、お母さんにはもう話しましたが、どうか私も連れてってはもらえないでしょうか?私にはやらなければならないことがあるのです。」


俺は驚くと共に、寂しがられることに期待していた自分を恥じた。


「もちろんいいですよ!任せてください!俺がツバキさんを守ってみせますよ!!」


とドヤ顔しながら言ったが、ツバキさんはただ一言、ありがとうございます。と言っただけだった。

1階に戻ると皆が食事の用意をして待っていた。サチ母ちゃん、カエデ、ツバキさんはもちろん、ゲイルや赤髪の美人さん、ほかの見知らぬ人も来ていた。中にはあれ?あの黒コート、どこかで見たような……という人もいたりした。


「それではみなさん、トオル、勇者になったぞ会に来てくれてありがとう!今日は宴だ!存分に楽しんでってくれ!それでは、乾杯!!」


「かんぱーい!」



みんなが元気よく応答してくれた。



その日の夜俺たちは朝まで飲み明かした。





出来るだけオリキャラを出しているつもりですが、何かのアニメのキャラとかに似ていたらすみません!

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読んでいってくれてありがとうございます。 コメントなどどしどしお待ちしてます!
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