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守られてばかりの勇者様!?  作者: Toro
第1章 勇者選抜編
3/27

2節 透、王都を見て回る

3話目です!どうぞ見てってください!

誤字又は直した方が良い点などありましたら遠慮なく言ってください。

「ここか!ツバキさんの言ってたお母さんがやってる店っていうのは。」


大通りをそれて暫く行ったあたりにあった。

早速入ろうかなと思って、宿屋の前に立っていると、


「入らないのですか?」


びっくりして後ろを振り返ってみるとそこにはツバキさんだった。


「うわ!なーんだ、ツバキさんか!びっくりさせないでくださいよ!」

「すみません、驚かせる気は無かったのです。さぁ、どうぞ上がってください」


そう言ってツバキさんはドアを開けてくれた。


「いらっしゃい!メシにするかい?それとも泊まってくかい?泊まるなら一泊銀貨1枚だよ!」


入るなりそう言って歓迎してくれたのはいかにも母ちゃんっていう感じの人だった。


「あ、どうも、初めまして。えっと、ツバキさんに……」


言い終わらないうちにさっきまで歓迎していたツバキさんのお母さんは俺の胸ぐらを掴んで


「あ?うちの娘とどういう関係だ?事と次第によっては、死ぬ覚悟はできているだろうな?」


俺が呆気に取られていると、


「待って、お母さん、その人はトオルさんと言って、ギルドに勇者志願者として来た人よ。その人は宿屋と飯屋を探していたから私がここを紹介したの。」


そう言いながら入って来たのはツバキさんだった。


「あら?そうなのかい?そりゃ悪いことしたね!すまんすまん、お客なら歓迎だ!私の名前は、サチ!サチ母ちゃんってみんなには呼ばれてる。ツバキの知り合いならそう言っておくれよ!さっきの謝礼としてメシ代は安くしとくよ!」


俺は、あれ?俺言い終わる前にキレられたよな?と思った。


「じゃあ、部屋一つお願いします。ご飯はいつ頃でしょうか?」

「メシなら6時からだよ!ツバキ!暇だったらちょいと手伝っておくれ!」

「ごめんお母さん。私トオルさんのこと町案内するって約束しちゃったの。お手伝いなら昨日入ってくれた新入りの子に頼んで。」


ツバキさんがお母さんにそう言うと


「カエデのことかい?カエデなら今日野暮用とかで無断欠勤だよ!全く初日から無断欠勤とはいい度胸だよ!ツバキ!ちゃんと町案内してやんなよ!」


カエデ?なんだか聞いたことのある名前だな。と思ったがまぁ気のせいだろう。

そうして俺とツバキさんは外に出た。時間はちょうどお昼頃だ。


「ちょうどお昼頃ね。お昼ご飯にしましょ。」


と言ってツバキさんが連れてってくれたのは茶屋?であった。


「ツバキさん、ここは茶屋?」

「いえ、ここはカフェという場所よ。軽いご飯と甘味が食べれるわ。」


どうやらここは"かふぇ"というところらしい。こんな場所は村にはない。やっぱり王都は進んでいる。

中に入るとそこは落ち着いた雰囲気の場所だった。俺とツバキさんは席に着くと"うえいとれす"と呼ばれる人が注文を聞きに来た。俺は何もわからないので、ツバキさんと同じものを頼んだ。


「お待たせいたしました。」


そういってさっきの人が持って来たのは"こーひー"と呼ばれる黒い飲み物と"ぱすた"と呼ばれるうどんのようなもの、そして"ぴざ"と呼ばれる小麦粉を練って薄くしたものを焼いたものが出てきた。


「このピザ、半分あげる。」

「ありがとう!遠慮なくもらうよ!」

「さっきはごめんなさいね。うちのお母さんが。」

「いやいや、誤解も解けたことだしいいよいいよ!」


その話よりも俺はこの食べ物らに感動していた。

"こーひー"とやらは苦いが、深みがあり美味しい。だが、特筆すべきはこの"ぱすた"と"ぴざ"である。なんと美味しいことか!話そっちのけで俺はこの食べ物たちに感動していた。


「ふうー、お腹いっぱいだ〜、こんなに美味しいところを紹介してくれてありがとう、ツバキさん。」

「何言ってるの?これからでしょ?甘味がまだ食べてないじゃない。すみません、このケーキとパフェください。」

「えー!?まだ食べるの!?」


そう驚きつつ、俺はやってきた甘味をパクパク食べるツバキさんを見て、村にいたみたらし団子ばかり食べていたカエデという少女を思い出した。


「ふぅお腹いっぱい。ご馳走さま。私が払うわ。」


俺も男の端くれ、女の子に払わせるにはいかなかった。


「ツバキさん!いいですよ、僕払いますよ。ここ紹介してくれましたしね。」


そう言って見栄を張ったが、思った以上に金が高かった。

(うぉーーい!せっかくカッコつけて俺が払う。キリッ。とかやったのに金足りねぇじゃん!!どうしよう、ここでやっぱ割り勘とか言ったらダセェしなぁ。)

と思っていると、


「どうやらお金にお困りの様子ですね。これだから透にぃはダメなのです。私も払いますよ!」


そう言って背中を叩いたのは、


「カエデ?カエデじゃねぇか!お前なんでこんなところにいんの!?」


こいつはカエデ、さっきも言ったが毎日のようにみたらし団子を食べる、俺の村の村長の孫だ。よく遊んでいたし覚えている。


「えっとぉ〜、透にぃについてきちゃった(テヘッ)」


何言ってんだこいつ。村長の孫なのについてきちゃった、で済むはずがない。


「お前、村長にはなんて言ってきたんだよ!」

「えー、おじいちゃんに頼み込んだらいいよって言われた。」


あの狸じじい、謀ったな?俺に面倒なやつ押し付けやがって。


「まぁいい、そんで?なんでここにいんの?」

「それはぁ……」


カエデがそう言いかけると、


「あら?カエデじゃない。なんでこんなところにいるの?仕事は?」


そう言って近づいてきたのはツバキさんだった。


「ゲッ!!ツバキ!なんであんたがここに!?」


そう言うカエデは焦っているようだった。


「ツバキ、ではありません。しっかり先輩か、さんをつけなさい。それはそうと仕事をサボって何をしているのですか?」


そう言いながらツバキさんはカエデの耳を引っ張っていた。


「イタタタタ、ごめんなさい!ツバキ先輩!サボっていたわけでは……」

「言い訳は無用です。さぁ早く仕事に戻りますよ。すみません、トオルさん、私は急用ができてしまいました。」


申し訳なさそうにツバキさんはそう言った。


「いやいや、謝らないでくださいよ!俺、道わからないので、一緒に行きます。」

「そうですか、では行きましょう。」


そう言ってツバキさんはカエデの耳を引っ張ったまま歩き出した。


「それはそうと今日は楽しかったですか?なんだかわたしだけ楽しんでいたような……」

「そんなことないですよ!俺も楽しかったです!知らないこといっぱい知れましたし。」

「よかった」


そう呟いたツバキさんの笑顔は夕日に照らされ、素敵だった。




そして、カエデは無事、サチ母ちゃんに怒られていた。7時ごろに一階に行くとご飯が出ていた。どれもこれも美味しそうで、とくにイノシシ肉の"すてーき"とやらは大変美味しかった。

俺はサチ母ちゃんにご馳走さまと言って、自分の部屋に帰った。

そろそろ寝ようかと寝る支度をしていると扉が叩かれた。


「はぁーい」


ガチャリ、と、扉を開けるとそこにはカエデがいた。即座に扉を閉めようとすると足で止められてしまった。


「待って待って、さっきサチ母ちゃんに怒られてわたしの部屋から追い出されたの!一晩でいいから泊めて!!」

「は?嫌だよ。自業自得じゃないか!仕事の無断欠勤なんて、しかも初日に!クビにされなかっただけましと思え!」


だが、このまま外へ放っておくのもよくない。まがいなりにも、女の子なのだ。かといってこのまま泊まるのも癪に触るし、それに男女が一つの部屋で寝るのは倫理的にダメだ。


「はぁ、仕方ねぇ、ちょっと待ってろ。下でもう一部屋借りてくる。あと、これにでもくるまってろ!」


そう言って俺は自分の毛布を投げ渡し、下でもう一部屋借りた。


「わぁーい!お布団だ!ありがとう!透お兄ちゃんだーいすき!」


そう言ったカエデは満面の笑みで部屋に戻って行った。


「全く何言ってんだ、アイツ」


そう言いながら頭をガシガシと書いて照れ臭そうに自分の部屋に戻った。















補足ですが、カエデは「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている」の"小町"さんを、ツバキさんとそのお母さんのサチ母ちゃんは「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているのだろうか」より"リュー・リオン"さん、"ミア母ちゃん"を意識してます!

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読んでいってくれてありがとうございます。 コメントなどどしどしお待ちしてます!
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