1節 透、王都に着く!
投稿は不定期ですが、出来るだけ毎日更新します!よければ見てって感想とかよろしくお願いします!
P.S.序章の方と一章の名前がほぼ丸かぶりだったので変えました。それと序章で少し言い回しや文構成が納得いくものに変えました。本筋は変わっていませんのでご安心ください!
「はぁ〜、ようやく着いたよ、全く村から丸2日かかるとは思わなかった。」
俺はため息をつきながら独り言をつぶやいた。
目の前に見えるのは王都入り口。なるほど、最初の門の時点で立っている衛兵も強そうな人ばかりである。うちの村とは段違いだ。
「大丈夫かな?俺。毎日畑で働いてたり、村の衛兵の友達とチャンバラしたりしただけだから、武芸とかからっきしなんだよなぁ。勇者に立候補する人強いんだろうなぁ」
俺は少し弱気になった。
そう、ここは王都。もちろん勇者募集に集まる奴らなんて冒険者の上位の人たちばかり。普通の農民である透では敵うはずもない。
だが、今更引くわけにはいかない。
俺は自分の頰を叩いて、気合いを入れ直した。
そして俺は町の人に聞いてまわり、ギルド会館で勇者の募集をかけていることを知り、そこへ向かった。
ギルド会館という場所の前に立った俺は建物を一望した。
そう、この場所に入ることでようやく俺の勇者生活への第一歩となるのだ。
俺は周りの勇者立候補者に舐められないよう大声で元気よく入ることにした。
「たのもー!ここが勇者募集してるところか?」
中に入るとたくさんの人……がいるはずであった。
予想ではイカツイおっさんとかがこっちを睨んでくる〜みたいなことを想像していたのだが……
誰もいない。ただ勇者志望者はこちら→
という看板が貼ってあるだけであった。
「あれ?場所あってるよな?日付間違えたかな?」
俺は日付を確認して、あってることを確認した。
うん、狂いはない。
仕方ないので看板に書いてある通りに進んでみることにした。
進んでみるとそこには、カウンターがあった。そこに、勇者志願者名簿 と書かれ、名前を書く欄のある紙、そしてペンが置かれていた。
「あれ?誰もいない?なんでだろう?」
とりあえず俺は書かれている通りにペンで紙になまえを書いておくことにした。
「これで……いいんだよな?勇者発表まで少し時間あるし、王都の中でも見て回ろうかな。」
何を隠そう俺は今まで一度も王都に来たことがなかった。なので、どこに宿屋があるか、飯屋があるかわからないのである。
「しゃあねぇ、すいませーん!誰かいますか?お聞きしたいことがあるのですが!」
そう俺が叫ぶとカウンターの奥から姿を現したのはメチャメチャ綺麗なお姉さんだった。
「あのー。」
「あ、すみません、冒険者さん。今魔王襲来につき強いモンスターや魔物しか出ておらずクエストも中止中ですよ?」
どうやら彼女は俺が冒険者だと思ったらしい。
「いや!僕は勇者になりに来た者で、宿屋とか飯屋とか探しているのですが。」
「勇者!?あぁよかった!この1週間誰も勇者希望の人がいなかったのです!」
??
わからないがどうやらすごく歓迎されているようだ。
「申し上げるのが遅れました。私の名はツバキと申します。貴方様が勇者に志願してくれて本当に嬉しく思います。」
こんなに褒められるとついつい頰が緩んでしまう。
「いやぁ、そんなそんな。俺の名前は、木村透!トオルって呼んでくれ!ところで、なぜこんなにも勇者志望者が少ないんだ?」
俺はキメ顔をしつつツバキさんに尋ねた。
「ご存知ではないのですか?ではご説明いたしますね。そうですね、単純に言えば、ものすごく過酷だから。ですかね?もっと詳しく言うのであれば、魔王と呼ばれる者は全部で7人います。その魔王は1人だけでも十分強いのに、それが7人もいるってことでみんな怖気付いてしまって……」
うん、わかってはいたが、ツバキさんは俺のキメ顔を無視したなと俺は思った。
1、理想郷アトランティスに住むと言われる最古の魔王、最強と名高いテスカ
2、冥界、黄泉の国の王、シェオル
3、黄金の国エル=ドラドに住む妖精王その名をオーベロン。
4、はるか天空に位置するエデンの園の主人、バーレン
5、アルカディアの主人、最古の竜種アルカス。
6、世界の果てにあると言われるニライカナイに住む魔王、カグラ
7、この魔王はいるのかどうか定かでないわ。最恐最悪の魔王、名前はペイル。
この7人の魔王はなんの前触れもなく人間界にやって来た。そう、本当に突然人間界に来たのだ。
「そして勇者は理想郷の一つであるアヴァロン、そこに刺さる剣、魔剣グラムをとりにいきます。
そして……」
「いやいやいや、待ってください。え?サラッと言いましたけど魔剣!?勇者ですよね?それなのに魔剣なんですか?聖剣とかじゃなく?」
「聖剣?あぁ、あの剣ですか、それなら魔王の1人オーベロンがお持ちだと思いますよ?」
「まじかよ、魔王のくせに聖剣持ちとか……」
妖精王とはいえ、仮にも魔王なのだ。聖剣振るってくるとか反則にもほどがある。それなのに普通の顔をして受付のツバキさんはサラッと言った。
「魔王ってそれだけですか?噂だと8人って聞いたような……」
「8人?7人ではなく?多分デマ情報ですね。ところで何か質問があったのでは?」
「やば!すっかり忘れて話し込んじまった!えっとここら辺で美味しい飯が食えたり、安そうな宿屋とか知りませんか?」
「それでしたら、うちの母がやってる宿屋がオススメです!もしよければこのあとこの王都をご案内しますよ?泊まってくれれば、ですけどね?」
と上目遣いで言ったツバキさんはとても可愛かった。
言い回しとか変だったら指摘していただけると助かります!
次回もまた見てってください!