変わった日常
新婚のようにも見える同居の始まり
色々と起こったが(我輩は泣いてなどいない。絶対にだ。久々すぎる感情の発露で顕現体の誤作動が起きただけだ。)、墜ちてきた天使は我輩の家で家政婦の真似事をしている(ただし皿などが毎日割れる)
。散々な姿を見せたが我輩はやはり傲慢の魔皇。天使をこき使ってやるのは気分がいいな!
「おい、我輩の髪を整えろ!」
「はい、ただいま参ります」
「今日の服を用意せよ」
「はい、こちらに」
「魔皇様、今日も夜空を見に行かれるのですか」
「ああ、勿論だ。何と言っても我輩の楽しみの一つだからな!」
これでこそ我輩。これでこそ悪魔の頂点!天使が悪魔の使い走りになるなどなかなかに面白い光景ではばいか。
悪魔の頂点たるもの優雅に、美しくあるべきなのだ。そして力と威厳を常に示していなければ。
外見だけで言えば人間共には殆どいないような神域の美貌だ。しかし一度目を離せば何もないところで転び、よそ見をして壁に頭をぶつけ、足を滑らせ階段から落ちる。そんな態度だからへっぽことしか呼ばれぬのだ。
「う、わぁっ!?」
がしゃん、と音が鳴り、悲鳴が上がる。力を使わず生活していると、必ずこうなるのだから目が離せない。今回で何枚目の皿なのだろうか。ここまでダメだとなると、流石にため息の一つもこぼしたくなるというものだ。
「夜まで軽く何度か睡眠をとる。片付けが終わってからでよいが紅茶を淹れておけ」
半分眠りだした瞳で目線を送って眠りにつく。
「はーいわかりましたぁ」
へっぽこ天使と同じ様に体の機能を落としているからか、眠気というものが存外に心地良いものだと知った。毎日昼寝をすると気分も軽くなるのだ。
とろり、とろりと意識が解け消えていく。
「お茶が入りましたよー」
「…あ」
目が覚めた。意図的に微睡む事も可能だがやはり紅茶は淹れたてでないと。
ぐぐーっと伸びをして紅茶を受け取り、口を付ける。
「んぐ、ああ…すまんな」
今日は珍しくやけにすっきりしていて口に合う味だ。。いつもは渋みが強く出ていたりするし、なにより温度が高すぎたり低すぎたりが多いのだ。
へっぽこ天使は本当に外見だけなら有能そうなのだが…
「いえ、ところで」
「なん、…!?」
怖気が走った。
「おはよぉさん。キミも隅に置けんなぁ?あのかわええ天使ちゃん、どこから盗ってきたん?あ、もしかしてもうお手付きなん?」
今回の新キャラは自分の持ちキャラです。これからも色んな場面で、色んな役割で出てくることでしょう。
読み方解説
↓表記 ↓名称 ↓簡単な読み、通称
魔皇(始祖) カオス(オリジン) まおう(しそ)