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魔石グルメ ~魔物の力を食べたオレは最強!~(Web版)  作者: 俺2号/結城 涼
四章

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憎悪

今日もアクセスありがとうございます。

「やはり心配ですかな?」


「それは当然だろうロイド。なにせ初めての名代なのだ……何事も恐れていては始まらぬが、それでもつい何も起こらぬようにと祈ってしまう」


「近衛騎士団を引き連れて、クリスまで伴をしてるのですから……」


「まぁよい。もし何かあれば明確な敵対行為だ。軍を派遣すればよいのだから」



 夜遅い時間となったが、シルヴァードの部屋では3人の大人たちが集まっている。

 シルヴァードにララルアの夫妻に、ロイドが部屋の中にいた。



 今日はアインが名代として向かった、初めての夜。初孫にして、王太子。シルヴァードが心配しない理由なんて一つも無かった。



「ま、まぁたしかに……明確な危害を被ったのなら、派遣するのも当然ですが……」



 今日のシルヴァードは、心配のあまり普段口走らないようなことまで口走っていた。酒も進み、心の内を簡単に露にしている。

 魔道具を使ってできた明るいランプではなく、油をつかった純粋な火のランプが部屋を照らす。僅かな空気の流れにも揺らめく火の影が、今日は何か物悲しく感じてしまう。



「む……?失礼。私が」



 ふと、ドアをノックする音が部屋に響いた。このような時間帯にくることは珍しいことであり、通常であれば王に対しての無礼に当たる。

 ロイドがドアへ向かい、何事かとそれを問いただした。



「っ……なるほど。丁度良かった、あぁ気にする必要はない。私から陛下にお伝えする……うむ。ご苦労だった」


「あらロイド?どうしたのかしらこんな時間に」


「えぇ。実は陛下が待ちに待っていたであろう連絡が、たったいま届いたそうで。それを報告書として受け取りました」


「……む?余が……?」


「アイン様方の、本日の報告書ですな。お読みになりますか?」



 今日の報告書と聞いて、シルヴァードは一瞬で酔いがさめる。すると今日一番の元気な声で、ロイドを呼びつける。



「は、早く持って参らぬか!ララルアも気になるであろう!?」


「はいはい。気になってますよ……。ロイド、お願いしますね」


「はっ……」



 僅かに急ぎ足で、2人の許へ戻ったロイド。そのまま受け取ったばかりの報告書を手渡す。



「……ハイム。だと?」



 ロイドだけでなく、ララルアまで一瞬で冷や汗を浮かべてしまった。それほどの絶対的なオーラ、それを発したシルヴァード。海龍のときとはまた違った緊張が部屋を包み込み、そのシルヴァードのオーラに、二人は口を開けずにいる。



 なにかアインの身にあったのかと、ハイムが何かをしかけたのかと。2人の頭の中に数多くの想定が浮かびあがる。

 だがそれも束の間のことだった。それから数分も経たぬ内に、シルヴァードは顔に笑みを浮かべたのだから。



「く……くくく、はーっはっはっはっは!なんとも愉快な話よ!」



 その刹那、部屋を覆っていた緊張は途切れる。



「あ、貴方?どうしたのか私たちにも教えてもらえないかしら……?」


「陛下。ハイムがどうなさったというのですか……っ」



 その言葉に、更に笑みを浮かべるシルヴァード。

 書類に書かれていたことを、要約しながら二人に語り始める。それは今日アイン達が、ティグルと会ってからホワイトキングに戻るまでの話。



「あ、あらあら……それはそれは。まさかこんな夜に喜劇を聞けるだなんて、いい夜だわ」



 口を扇で抑えながら肩を震わせるララルア。



「はっはっはっは!陛下、アイン様は見事にご成長なさったものですな!」


「あぁ。今までの教育や経験が、ここまで実を結ぶこととなるとはな」


「でも貴方?別にハイムの者達を前に庇うわけじゃないの。ただね、騎士達がその場で笑ってしまったというのは、近衛騎士団としてはどうなのかしら?」


「む?……なんのことを言ってるのかわからぬが?」



 わざとらしく、ポカンとした顔を浮かべるシルヴァードを見たララルア。それを見て合点がいく。



「……そうね。私の聞き間違いでしたわ」



 騎士達がグリントに対して笑ってしまったこと。それは報告書を見なかったことにし、シルヴァードが口にしなかったことにした。そうすれば皆が幸せだろうと考えたからだ。



「しかし陛下。私はディルを、息子を今までで一番褒めてやらねばなりません」


「その通りだロイド、胸がすく思いだ……ララルアよ。他国の"聖騎士"を数度に渡って倒したディルには、王家として何か褒美を与えるべきだな?」


「えぇそうですね。確かディルはまだしっかりとした剣を持ってないわ。丁度いい機会ですもの、アイン君の護衛となることもありますから、王家から剣をお送りしましょう」


「ディルも喜びましょう。感謝いたします」



 シルヴァードにとってこの日の酒は、とても味わい深い酒になったのだった。




 *




 シルヴァード達が報告書を受け取ったのと同時刻、オリビアの許へも同じく報告書が届いていた。

 オリビアの部屋へはマーサが運び、そこではオリビアとクローネの二人が、夜の茶会を楽しんでいた。



 同じように笑い話に感じた二人。その話題に話が弾む。



「ねぇクローネさん。この第三王子はどういった方なんでしょうか。ハイムにいた頃に私会ったことがないので……」


「簡単にいってしまえば。培ってきた価値観を曲げず、執着したことに関しては成し遂げるまで追い続ける。といった感じですね……」


「……つまりその、しつこい男ってこと?」


「一言でいってしまえばその通りですわ……」



 つい次の言葉を言えなくなったオリビア、紅茶を口に含みリラックスする。クローネもそのオリビアの様子を見て、同じく紅茶に口をつけた。



「お妃様候補だったとか報告にありますけど……」


「王家の言葉は何よりも優先される。その言葉通りにいうならば、確定に近い候補だったのではないかと思います」


「あ、あらあら」



 ハイムで王家の言葉というのは、イシュタリカよりも重要視される。アインが海龍騒動の時に使った、王族令という制度は存在しない。常に王族令といったほうが正しいだろう。



「それにしてもオリビア様。よいのですか?報告書に目を通す限りだと、今までのイシュタリカとは思えない程、棘があるように感じましたが」


「えぇ構いませんよ。本当に国交はもうありませんし……私も、私の愛するイシュタリカの国民でないのだから。別に問題には感じません」



 クローネは考えた。オリビア程、聖女という言葉が似合う女性は居ないだろう。

 だからこそなのだろうか、そんなオリビアは人を"嫌い"という状況になることが基本的にはないと思う。ただ"無関心"になるのだ。

 結果的にその状況となることにより、本当にただ関心を持たなくなり、まるで路肩にいるアリのように感じているのかもしれない。



 たとえその場に、元家族だったグリントがいようとも。



 とか頭の中でいくら考えようとも、当然のことだ。オリビア達がラウンドハート家にいた時の扱いを考えれば、むしろこれで済んでいるほうが優しいのだから。



「それに失礼な話だわ……。人様の家のお嫁さんになる女の子を、横から盗もうとするだなんて。あら?先に言葉をかけてたのは第三王子だったかしら……。ううん、でも一度は断ったわけだから、無効よね」


「え、ええっと……オリビア、さま?」



 クローネに呼ばれたことで、微笑みながらクローネの方を見たオリビア。



「お、お嫁さんっていうのは一体……」


「クローネさんがアインのっていう意味でいったのだけど……。間違ってるかしら?」



 その言葉を聞くと顔を赤らめてしまうクローネ。



「えっとそのぉ……なんというか。あの……」


「ちょっと恥ずかしい?」



 オリビアの言葉に、クローネは何も言わずにコクンと頷いた。つい恥ずかしさから、目も前髪で隠れるように頷いてしまう。



「ふふふ、わかりました。……さぁ、お茶会の続きをしましょうか」



 まだ恥ずかしそうにしているクローネを見て、オリビアが茶会の続きを促した。

 クローネはそれなりに、アインといても大胆な行動をとることは多い。だが言葉にしてしまうと、なぜか恥ずかしさを感じてしまうようだった。そんなクローネの様子を可愛く思い、オリビアはちょくちょくクローネを可愛がっていた。




 *




 アイン達がエウロへと到着し、いくつかの会談をしたことによって数日の日数が経過していた。

 決して船内に通されることは無かったが、毎日のように申し込まれたティグルからの会談。そしてアイン達がアムール公達との会談をしている際にも、数回乱入を試みた。だがさすがにそれはイシュタリカの近衛騎士と、エウロの騎士達に阻まれ、成功することは無かった。



 そしてようやく、アインがイシュタリカへと帰還する日がやってくる。最終日となった今日、緊急でとある作業が行われることになった。



「よーしそのままっ!慎重に引き上げろーっ!」



 アイン達が立ち合いの下、発見された巨大な海結晶の塊の引き揚げ作業を行っている。規模が規模のため、アイン達が載ってきた戦艦の設備も利用し、引き揚げてしまおうという話になったのだった。



「ご協力感謝する」


「いえいえ。こちらとしても利のある話だ、むしろこの機会でよかったと思えますな」



 ウォーレンに声をかけたのはアムール公。見つけたとはいえ、どう地上に引き上げればいいのか考えていた。



「これを引き上げ終えたら、すぐご帰国なさるとか」


「えぇ。今回は実りのあるよい会談となった。機会を設けて頂き、心より感謝申し上げる」


「こちらこそ感謝している。……一つ、問題は起こってしまったが」


「事故ですからな。私共は別に気にしておりませんよ」


「……だが、感謝してる。ハイムの矛先が、我らに向かぬようにしてくださったのだろう」



 グラーフの件や、クローネの件についてだ。

 エウロは関係なく、イシュタリカが関係しているかもしれない。そう思わせる情報を与えたのは、ひとえにエウロを保護するための思惑もあった。

 もちろん彼らをおちょくりたいという心が、イシュタリカにあったのは否定できない。だがその両方をとるのにベストな選択肢があれだった。



「大事な友好国ですからね。お気になさらず」


「……イシュタリカは一見温厚な国だ。だがハイムが調子に乗りすぎることがあれば……」


「一つ。お教えいたしましょう」



 ウォーレンが纏う空気が、少しだけ引き締まったものに変わる。



「我々は別に直接攻撃を仕掛けなくとも、被害を与えることができます。たとえば……我が国にある港町で、漁業の方法を"特殊"な方法に変更したとしましょう。すると近海の海の生態系が変わり、危険な魔物たちは餌が豊富な海……たとえば港町ラウンドハート近海に向かうこととなります。魔物はいつでも空腹ですから、その動きがかわるのは数日もあれば十分なのです」


「……なるほど。貴重な話を聞けて嬉しく思う」


「それはよかった」



 彼らが話している間も、引き揚げ作業は順調に進む。これをイシュタリカへと運べば、国が更に潤うことになる。そう思えばウォーレンも心に余裕ができる。



 その後しばらくして、引き上げを終えて戦艦へと積み終えた海結晶。それを確認し、アムール公に挨拶をしたアイン達一行は、ようやく祖国イシュタリカを目指すため、船に向かう。



「っ……っと、アイン殿下。こちらは我々エウロからの、心ばかりの贈り物でございます」


「これはすまないエド殿。魅力的な物ばかりで嬉しく思う……ん?これは……」



 近衛騎士が、エドから土産の品々を受け取る。そのなかからアインが見つけたのは、一つの木彫りの置物。

 その色といい形といい、ある存在を思い出すのに十分な置物だった。



 何か危険な衝動がアインの体を襲う。なぜかはわからない。だがその置物を見た瞬間から、どこか破壊衝動のようなものを心の中に抱き始める。



「そちらはこの大陸で守り神といわれている、ある種族の置物でございます」


「そ、そうか……。それで、この置物はなんという種族の物なんだ?」



 アインは心臓が大きく動くのを感じる。まさかこんなところで、その姿を見てしまうのか?そう思った。



紅狐(くれないぎつね)という、この大陸の守り神達です。縁起の良い種族とされており、是非その恩恵がアイン殿下……イシュタリカにもあらんことをと願っております」



 実はこの大陸では、そのおかげか"赤毛"の人は、守護神の祝福を持って生まれたといわれております。とエドは続けてアインに語った。



「……あぁ。ありがとう、ありがたく頂戴する」



 一方アインは、顔に態度が出てしまわないよう、気を付けるので精いっぱいだった。同じ心境になっていたのは、クリスとウォーレンの二人も同じようだ。

 その様子はホワイトキング内に入り、3人だけになるまで続くのだった。




 *




 アイン達が船内に移り、もう帰るだけといった状況だったはず。だが部屋の空気は決して落ち着いたものではなかった。

 すでに船はエウロを出航し、アムール公の城はとうに見えない海上だったが、その空気は変わらなかった。



「さて、アイン様……クリス殿。ご意見を賜りたい」



 ウォーレンが口にした言葉は、普段の彼からしてみれば違和感を感じる話だ。

 なにせ彼は自分だけで、数多くのことを解決できるだけの思考力がある。だからこそ、アインにまで意見を求めるのは今までにないことだった。



「この置物、間違いなく"赤狐"だと思うんだよね俺は」



 紅く着色された、狐の特徴を持つ女性の姿。その木彫りの置物は、クリスが翻訳した資料にあった、魔王の側近の一人と瓜二つだった。荒々しい態度で、アインはテーブルに置かれたその置物を指さす。



「私には詳しいことは分かりません。ですがアイン様が仰る通り、赤狐と同じ存在だと思います」


「ふむ……」



『側近であった赤狐。彼女が魔王の暴走の引き金の可能性が高い』……カティマが購入した一冊の本に、古いエルフ文字で書かれていた一文だ。

 だが意味は一つも理解できない、仮にその一文を信じるとしよう。なぜそのような存在が、ここエウロのある大陸で守り神となっている?



「わからないね。魔王は赤狐から、何かしらの手段で暴走させられた。これを信じるとしよう。それで暴走させた後、その赤狐はこの大陸に来たっていうこと?」


「アイン様が仰る通りと仮定するのが、最も良いでしょうな……だが、目的はわかりませんが」



 アインとウォーレンが理由はわからないと思っていたところ、クリスが口を開いた。



「……享楽主義。そう書いてましたね、あの本には」


「……クリス。何が言いたいんだ」



 いつもと違い、まだ様子がおかしいアイン。ウォーレンとクリスの二人はそれを不思議に思いながらも、クリスは説明を続けた。



「この大陸で赤狐たちは、またなにかを企んでいるのかもしれません……」


「イシュタリカを混乱に陥れたことを考えれば、それをしようとしてるのも考えられますな。では次の標的はイシュタリカではなく……」



 クリスの意見に、ウォーレンが同意した。享楽主義というほどの者だったのだ、だからこそ遊ぶかのように、大陸を弄ぶつもりなのかとクリスは仮定した。



「違う」



 だがアインの一言が、クリスの言葉を否定した。

 アインの様子はまだ変わらず、いつもと違った様子を醸し出すばかり。クリスはその様子を見て、まるで歴戦の騎士のようだと感じた。ただ座っているだけなのに隙が無く、一瞬目を離せば、気が付いたら首が地面に落とされてしまいそうな。そんな感情を抱く。



「あれはずっとだ。いつもああして相手を弄ぶ。だが……いや、最初からだったんだ。奴を信じたのが、それが私の間違いだった」



 アインの口から、脈絡のない言葉が次々と出てき始めた。



「ア、アイン様っ……?なにを、何を仰っているのですか……?」


「アイン様どうなさったのですか!」



 ウォーレンに続いてクリスが驚く。アインが何を口にしているのか、全く分からない。急に何をいってるのかと、彼の様子を不安な瞳で見つめる。



 何を信じたのか?何が最初からだったのか、何一つアインが言ってることが分からない。



「ただ寂しいのかと、そう思っていた。だが違う……あれは最初から、遊ぶ気だったのだろう。"アレ"からずっと、"あの"ときからずっとだ……っ!」



 二人の声掛けにも、全く反応しなかったアイン。ついに立ち上がり、赤狐の置物が置かれたテーブルへと近づく。

 そんな様子にクリスはアインの隣に行き、手を取ろうとした。何が起きてるのか分からないが、彼を落ち着かせたかったのだ。

 だが足が動かない、なぜかとクリスは自分の足を見る。



「っな……なん、で……」



 決して拘束系の魔法をかけられたわけでもない。ほかの魔法をかけられた形跡もない。



 ……だが一つだけわかってしまったことがある。足がまるで小鹿のように震えているのだ。

 これは恐怖だ、久しく感じていなかった恐怖という感情だ……それで足が動かなくなっているのだと。

 海龍を相手にしたときもクリスは恐怖を感じていた……だがそれでも、足が動かなくなるほどではなかった。

 足を動かせなくなるほどの、本能で感じる恐怖をなぜアインに感じてしまうのか。クリスはそれが分からない。



「そして絆すら壊しに来た……はあああっ!!」



 アインが右手を大振りに構え、それを振り始める。まるで大剣を振るうかのようなその腕の動きに、クリスは何をしてるのかと思ったが、その刹那異変は起こった。



 突如大きな怒号がホワイトキング中に響き渡り、クリスとウォーレンの二人はつい目を覆ってしまう。



 その後すぐに目を開き、なにがおきたのかと様子を見る。

 するとそれはすぐに見つかった、アイン達が居た部屋に大きな穴ができていたのだ。そこから海上の様子や甲板の様子が見える程の、大きな穴だ。



 クリスが次にアインの姿を見ると、いつのまに手に取ったのか、どこから出したのか。彼の右手にはその体に不釣り合いな、巨大な剣が握られている。その剣の一撃が、ホワイトキングに大きな穴を作り上げたのだろう。



 赤狐の置物を置いていたテーブルから先が、すべて吹き飛んでいた。



 ホワイトキングは、イシュタリカの王が受け継ぐ最高の戦艦、その防御力はまさに龍より堅く、一筋縄ではいかない耐久力を持っていた。

 持っていたはずなのだ。だがそれでもここまで大きな損害を、アインの一振りは与えてしまった。



「っ……」



 アインは何かをぼーっと見つめるように立っていたが、すぐに目を閉じて倒れこみそうになる。



「アイン様っ!」



 倒れる前にクリスがアインを抱きかかえる。彼が持っていた大剣は、彼が目を閉じると同時にまるで粒子のように消滅していった。



「これは……どうやらここだけの話で終えることは無さそうですね」



 ウォーレンはそう思い、クリスに抱きかかえられたアインの様子をただ見つめていた。

 その後は多くの近衛騎士達が部屋になだれ込む。そして彼らは部屋の惨状に、驚くことしかできなかった。



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