マグナ以来の会話。
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今日からアインに視点が戻ります。
アインがエレナと久しぶり言葉を交わす。その時から時刻は少し遡り、戦艦がエウロを出発してすぐのことだ。
深夜だったが、アインも仕事が溜まっており、寝ることなく執務室で書類仕事に励んでいた時、ウォーレンがその場にやってきたのだ。
「あれ、ウォーレンさん?」
やってきたウォーレンは、いつもと違って表情が硬い。
更にいえば、どこか言いづらそうにしている様子を感じに見えた。
「こんな時間にどうしたの?まさか、ハイムでまた何かあった?」
「えぇ、夜分遅くに申し訳ありません。……ハイム、うーむむむ……ハイムといったらハイムなのですが、やってくるのはエウロからでして」
どうにも要領を得ない。
言いづらそうにしていたウォーレンをソファに手招きすると、アインはウォーレンと反対側に腰かける。
「どうしたの?随分と言いづらそうにしてるけど」
苦笑いを浮かべて尋ねると、ウォーレンが近づいてくる。
アインがここまでお膳立てをしたのだから、若干話しやすくなったことだろう。
「……私も詳しくは把握していないのですが、エウロが不明な生物に襲われました。魔物のような性質があるらしいのですが、どうにも魔物とは言えない様子」
「――エウロが?」
「はい。数も尋常じゃないらしく、最終的には戦艦の砲撃を行い、エウロの城下町ごと焼却する結果となりました」
騎士達が戦艦に頼る程なのだ。
アインやウォーレンには詳細な数は分からないが、切迫した状況だったというのは伝わった。
「アムール公は保護しました。また、エウロの被害者たちも同様に保護しております」
「……イシュタリカ側の被害は?」
「――騎士が一名。その生物によって犠牲になりました」
重苦しく伝えると、アインは俯いて声を漏らす。
「俺が言わなくてもウォーレンさんならしてくれると思うけど、手厚く見舞いを」
「心得ております。すでに、その手配を行っている最中ですので」
「言いづらそうにしてたのは、この事が原因?」
「……いえ。細かくお伝えすることがあるのですが、それはさておき、実は珍しい人物を保護したのです」
騎士の死と聞いて残念に思っていたら、これだけで終わらないとのこと。
アインは水を飲むと、少しばかり気持ちを切り替える。
「珍しい人物って、エウロの?」
「それがエウロの人物ではなく、ハイムの人物でして」
「え?な、なんでハイムの人がエウロにいるのさ」
「先日の暗殺の件と、我々との書類のやり取りのためにやって来ていたとの事です」
この言葉を聞くと、アインはなるほど、と納得した。
「――それで、その珍しい人物というのも二人居りまして、まず一人目はエレナ殿です」
「っ……それは本当に保護できてよかった」
「えぇ。かなり危険なエウロにあって、リリや騎士達がどうにか保護してきたのです」
もしかすると、命を落とすほうが確率は高かったかもしれない。
そんな状況にあって、エレナを助けてくれたリリには感謝の気持ちを伝えるべきだろう。
「そして、もう一人と言うのが問題なのです」
どうしたもんか。
ウォーレンが迷いながら口を開く。
「もう一人というのは、ティグル王子なのです」
「……え?」
アインは呆気にとられながらも、ウォーレンがどうして気を遣っていたのかを察する。
「詳しい報告は受けていませんが、ハイムの暗殺事件によって、ティグル王子とエレナ殿は、ハイムに居るよりもエウロに向かう方が得策と判断した様子。そのため、王子自らエウロに向かってきたという事らしいのです」
「……また、随分とキナ臭い」
「戦艦が王都に帰還次第、詳しく話を聞いて参ります」
「うん。頼んだよ」
「……ということですので、私は陛下に尋ねて参りました。ティグル王子の扱いはどうするべきか、と」
祖父に聞いたというのを語られ、アインは居を正した。
シルヴァードがどういった判断をしたのか、アインもしっかりと聞く必要があった。
「その結果、陛下は『アインに一任する』……と申しておりまして」
「えぇー……ちょ、ちょっと。お爺様、それって丸投げすぎじゃない?」
「陛下曰く、ティグル王子と所縁が深いのはアイン様だそうで。クローネ殿の件然り、過去のエウロでの件然りですな。イシュタリカに対する態度も目に余っておりましたが、今回はアイン様に処遇を委ねるとのことでした」
言われてみれば、イシュタリカにあって、ティグルと最も縁があるのはアインと言えよう。
これがラウンドハート家の人間や、ラルフ王ならば話はもう少し複雑だったのかもしれないが、ティグルはこの中でも優先順位が低い。
アインが次期当主から外された件は、ラウンドハート家の問題であり、それ以外の多くの面倒事は、基本的にはラルフが原因だ。
同じ王族として責任があり、過去のエウロでの無礼も重なる訳だが、こうした理由があるからこそ、シルヴァードはアインに判断を委ねたのだろう。
「――例えば、俺が入国を認めないとかいえばどうなるの?」
「場合によっては、ロックダム等に送り返すことも検討します」
真っすぐと答えられたウォーレンの言葉に、アインは本気を感じた。
本気でアインがこう判断したのならば、ウォーレンは本当に送り返すだろう。
「じゃあ、拘束しろって言ったら?」
「条約違反を言い訳にして、すぐに牢に入れることにしましょう」
先日決まった条約の事だろう。
考え方や受け方によっては、確かに条約違反と判断することも可能だ。
「――……はぁ。思う所はあるし、面倒だなって思うけどさ」
筆舌に尽くし難い感情を前に、アインはぽつり、ぽつりと考えを口にする。
「逃げてきたんでしょ?」
「まぁ……そうなりますな」
「納得してない人がいるのも分かってるけどね。でも、俺の中では、こないだの会談でほとんど方は付いたんだ。――家族が死んで、良く分からないけど国から逃げるような人を相手に、送り返すとか牢に入れるなんて事は俺にはできないかな」
その納得してないのは主にクリスだが、アインが『もういい』とでも言ってしまえば、彼女も"しぶしぶ、しぶしぶ"と納得するだろう。
彼女の忠誠心を利用するようで心苦しいが、こればかりは我慢してもらうしかない。
「彼が望むような待遇はできないけど、安全な場所を貸すぐらいならいいんじゃない?」
「……アイン様は、真にお優しい」
「甘いだけだよ。単に、自分が見える中で胸糞悪い話にしたくないだけ」
自らを嘲笑うかのように笑みを浮かべると、こめかみの辺りに手を当てた。
「"面倒事"は極力避けたい。悪いけど、そこはウォーレンさんに一任してもいい?」
「えぇ、お任せください。アイン様がそうご決断なさったのであれば、私に異論はありませんから」
「うん。ありがとう。それじゃ、あとは詳しい情報を聞いてから、どうするのかとか含めて相談するべきかな」
「残念ですが、そうなりますな。戦艦はもうすぐ帰還するはずですので、私も港に向かい、いち早く話を聞いてまります」
わざわざウォーレンが向かうという事に、話の重大さが分かってしまう。
「ティグル王子の心境なども併せて、詳しく尋ねて参ります」
「ん、りょーかい。城に連れてくるんだよね?」
「そうなりますな。"色々"と、管理するのが楽なのもありまして」
「じゃあ、あとでエレナさんのとこにでも行った方いいかな?」
主に気を使うという意味で、マグナ以来の会話でもしようかと考えたのだ。
「よろしければ、そうしていただければ助かります」
「わかった。じゃあウォーレンさんが戻ってきたら、俺の事呼びに来てもらえる?」
「えぇ、アイン様のお心のままに」
*
その後、しばらくしてからウォーレンが戻ってきた。
馬車の中で聞いた話を省略しながらアインに伝えると、アインはティグルの変貌や、ハイムの状況に驚かされた。
その中でも特に、赤狐とラウンドハート家の繋がりを考えると、どうにも面倒くさい縁ばかりで、気分が一気に下降する始末だ。
エレナやティグルからリリに伝えられ、それがウォーレンに届くとアインに伝わる。
おかしな経路で伝わった話だったが、宿敵の背中が見えたのをアインは感じたのだった。
――そして、ウォーレンから報告を聞き終えたアインは、エレナが向かったという、クローネの執務室を目指して足を進めていた。
「言っちゃあれだけど。俺たちが知らない間に、話が進みすぎじゃない?」
「えぇ。なんとも、一気に話が進んだ気がしますね」
昨晩からの流れに、アインも苦笑いを浮かべるしかない。
隣を歩くディルも同じような表情を浮かべた。
「これからどうするかは、まぁ相談次第かなー……」
「その、ご存知かと思いますが、アイン様が海を渡るわけにはいきませんからね?」
「わかってるってば!さすがの俺でも、それは危ないなーっての理解してるって!」
アノンという、グリントの許婚の身柄。
そしてエドの事を考えると、早く拘束でも何でもしてしまいたいが、そう簡単にはいかない。
海を渡る必要があるという事実が、陸続きとは違った苦労を見せてくるのだ。
……強いて言えば、アインも決着を付けに行きたく思うが、さすがに王太子が向かう訳にもいかない。
ここから先は、遠くイシュタリカから状況を聞くしかないと思えば、少しばかりの寂しさを感じてしまうのだった。
「――よし、服は大丈夫。髪の毛も整えた」
クローネの執務室にやってきたアインは、最後に身だしなみを確認する。
――コン、コン。
問題無い事を確かめると、ノックし慣れたクローネの執務室を、いつもと違った気持ちで優しく叩く。
すると、数秒の間があってから、マーサの声で『どうぞ』と返事が届く。
それを聞いて、アインはディルに語り掛ける。
「ディル。それじゃ、エレナさんと話してくるよ。――扉の外で待っててもらえる?」
「はっ。では、何かありましたらお呼びください」
ディルにこう話すと、アインは扉に手を掛けた。
ゆっくりと扉を開けると、中にいる人物を確認して、軽く挨拶をする。
「こんばんは。……あれ、もうおはようございますかな?――こうして会話をするのは久しぶりですね。エレナさん」
会談の際に顔を合わせたが、会話をしたわけでないため、こうした言葉選びで間違いないだろう。
てっきりクローネと会話を楽しんでいるのかと思っていたら、クローネは疲れて休んでいたようだ。
エレナの膝の上で休む彼女の表情が、どうにも嬉しそうに見える。
「お、王太子殿ッ――」
アインが来たという事で、エレナは慌てて体を起こそうとした。
膝の上で休んでいる彼女の顔を見れば、その時間を奪いたくない。
こう考えたアインは、手でそれを制すると、静かに言葉を口にする。
「大丈夫。クローネが起きちゃうんで、そのまま座っててください」
そう口にすると、アインはマーサが用意した茶の置かれる席に向かい、エレナとは向かい合って腰を掛けたのだった。
「……多くの事を考えていました」
アインが腰かけるのを見て、エレナが口を開く。
すると同じ頃合いに、マーサが執務室を後にしていく。
「過去の事をなんと謝罪をすればいいのか。お義父様とクローネを受け入れてくださったことへ、なんとお礼をすればいいのか。そして、今回こうして慈悲をくださったこと。……これでもきっと、ほんの一部かもしれません」
エレナの語る一つ一つの言葉に、アインはじっと静かに耳を傾ける。
「ですが、まず初めに伝えたいと思っていたことがございます。――マグナでは、素性も知れぬ旅人風情に、あのような格別の厚意を賜り、感謝しない日はございませんでした」
「あはは……。別に、ただ宿を紹介しただけですから。気にしないでください」
こうして直接話をすると、アインという男の人格が良く分かる。
もしも彼が女性であった場合は、恐らく、オリビアのように聖女と呼ばれていたに違いない。
「それに、謝罪も礼も結構です。俺はクローネとグラーフさんが来てくれて、いつも楽しく過ごせてますから」
「っ……も、勿体ないお言葉で」
ここに来るまでは、アインの方が緊張していたのだ。
なにせ、相手はクローネの母のエレナ。
ハイムの文官筆頭という事もあるが、この対談はほぼ私用のような時間。アインが緊張してしまうのも無理はない。
だが、結果としてはエレナの方が頭を下げてばかりなことに、アインは話を変えるか、と心に決めた。
「ここに来るまでは、クローネと会話を楽しんでいると思っていました。……でも、今日も疲れて寝ちゃってたんですね」
「今日も……ってことは、もしや、今までにも何度かあったんですか?」
「えぇ、まぁ。以前、その事で一度喧嘩をしたことがあるので、今では多少休むようにはしてるみたいなんですが……」
膝の上に寝る娘を見て、一度叱責しておくべきかと考えるエレナ。
まさか、イシュタリカの王太子と喧嘩までしているとは思いもしなかった。
「もうご存知だとは思いますが、どうにもお転婆が過ぎるところがありまして。――申し訳ありません」
「いえいえ。俺も楽しんでるんで大丈夫ですから」
「……本当に、どうしてこんなにお転婆というか、勝気になってしまったのか」
「あははは……。クローネは昔と変わりませんか?」
アインは少し興味を抱く。
せっかくだから、この機会に昔の話でも聞いてしまおうと思ったのだ。
「昔は……そうですね。婚約を申し込まれても、中身を見ずにゴミ箱にすてるような女の子でしたから」
「くっ……くくくっ。それは何とも、クローネらしいですね」
笑うのを我慢してみたが、それは最後まで続かなかった。
アインは思わず笑みを零す。
「何をするにしても、器用にそれをこなしました。そのせいか、飽きっぽい性分があったんです」
「へぇー……」
「口も回るようで、お義父様が言い負かされることも何度かありました。孫に対する手心は見受けられましたけど、時折、完全に言い負かされることもありましたので……」
それを聞くと、アインにも心当たりがある。
ロディの騒動の際には、グラーフを城に呼び出してまで話をしたのだ。
エレナの語る話は、その時とよく似ている。
「俺も見たことがありますよ。以前に、グラーフさんを城に呼び出して、その……話し合いをしてたことがありますから」
「……あらあら。王太子殿下?言葉を選ばずとも、言い負かしたと言ってくださっても構いませんよ?」
「ははは……。頼もしい補佐官ですよ」
ここでも言葉を濁すあたりに、アインの優しさを感じられる。
膝の上で寝ころぶ娘の体温を感じるエレナは、それが徐々に高くなっているように思えた。
「ところで、今更ですけどマグナの町はどうでしたか?実はあそこは、俺もイシュタリカに来たときの初めての場所なんです」
「まぁ、そうだったんですか。……それはもういい港町でした。ご紹介いただけた宿も一級品で、何一つ不自由することがありませんでした。それに食事も美味しい物しかなく、とてもいい"旅"となりましたよ」
マグナを気に入ったように言ってくれて、アインは気をよくして言葉を続ける。
「そういえば、話し辛かったら大丈夫なんですが、リリさんに案内をしてもらったとか」
「……マグナで一番苦労したのは、あの子と会話をすることかもしれません」
その時のことを思い返し、エレナが頭を抱える。
「本当に自由すぎて……。その、足を運んだ私が言える立場じゃないのですが、起きたらメイド服を着て給仕の真似事をしていたので……」
「……なんともリリさんらしい」
アインの前ではそれなりに抑えているが、リリにもカティマたちに通じる自由さがあるのは分かっている。
朝起きて、敵国の人間が給仕をしていたら、エレナが驚くのも当然だ。
「ですがあの子のお陰で、戦力の差というものを理解させられました。あの子なりの優しさも感じられたので、感謝してるんです。……あ、このことは秘密ですよ?あの子が調子に乗ると、手に負えなくなる気がするので」
秘密ですよ、と口にしたエレナの顔つきは、やはりクローネと似ていた。
こうして話していると、クローネと母娘な事をアインも感じていた。
「……多分、名前を叫べばすぐに走って来てくれますけど、どうします?」
「――勘弁してください」
少しの悪戯心を込めて口にすると、エレナは優しく笑いながら遠慮した。
「あの子もエウロの事がありましたし、疲れてるでしょうからね」
「あー……。言われてみれば、確かにそうですね」
エレナはリリの事を労うと、マーサが用意した茶に初めて口を付けた。
「……あら。美味しい」
「マーサさんのお茶ですからね。凄い人なんです」
茶の一杯でも差を付けられたように感じると、エレナは自虐するように笑みを浮かべる。
「っとと、俺はそろそろ行きますね。実はお爺様に呼ばれてるので、その前に寄らせてもらったんです」
こう口にしたアインは立ち上がると、マーサの淹れた茶を一気に飲み干す。
「また、ゆっくりと話しましょう。もうすぐ部屋の用意も出来ると思うので、クローネと話をして待っててください」
「――お気遣い頂きありがとうございました。こちらこそ、王太子殿下と話せる時間が出来て光栄でしたわ」
クローネを膝に乗せたまま、エレナはそっと頭を下げる。
それを見たアインは、ゆっくりと扉に向かっていくのだった。
「それにしても、申し訳ありません。この子ったら、最後まで寝ちゃってて」
「……ん?いえいえ、大丈夫ですよ。さっき、クローネと話をして待っててくださいって言ったと思いますが……」
扉に手を掛けたアインが振り向くと、ソファに横になるクローネに声を掛けた。
「クローネ。明日は夕方までゆっくりしてていいから、無理しないように。……それと、エレナさんの前なんだから、そろそろ狸寝入りはやめてあげたら?」
「――……もう。黙っててくれてもいいじゃない」
アインの声を聞くと、クローネがエレナの膝の上から返事をする。
「はいはい。それじゃ、また明日ね。お休み、クローネ」
最後はこのように言葉を交わすと、アインは今度こそ執務室を後にした。
二人の会話に呆気に取られてしまったが、自然とやり取りをする二人の関係に喜ぶ。
……と、同時に、狸寝入りをしていた娘に厳しい視線を向けた。
「あら、お母様ったら怖い顔をしてるのね」
「誰が原因なのか、良く分かっているでしょう?」
「うーん……。でも、最初のうちは本当に寝ていたんですもの。アインが来た時に気が付いたのだけど、起きる頃合いを見失ったといいますか……」
悪戯っ子の様に笑うと、ペロッと舌を見せたクローネ。
こんな姿を見せられれば、エレナも怒る気力を失ってしまう。
「……っと。マーサさん、私にもお茶を頂けますか?」
クローネは体を起こすと、アインが座っていた所に座り直す。
そして、呼び声を聞いたマーサが、すぐに執務室へとやってくる。
「失礼致します。クローネ様、よろしけば軽食もお持ち致しますが、どうなさいますか?」
「でしたら、私とお母様の分を頂けますか?」
「畏まりました。すぐにお持ち致しますね」
自然なやり取りに、クローネが如何にイシュタリカに馴染んでいるかがエレナにも伝わる。
――こうして、エレナのイシュタリカでの初日が始まった。
会談の時の会話と比べて、更に落ち着いた様子で会話を楽しんだエレナとクローネ。
その後のエレナは、用意された部屋に通され、疲れた体を癒すためにベッドに入る。
ティグルも同様に部屋を用意されたらしく、エレナとは別の部屋に通されたのだった。
次に目を覚ました時には、多くの事を考えねばならない。
だが、まずは体を癒すために休憩しよう。
……興奮した精神状態だったが、イシュタリカのベッドはエレナを優しく包み込み、エレナはすぐに夢の世界に向かうことができた。
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