牧村、バレー部入らないってよ
誤字脱字等ありましたら教えていただけると嬉しいです。
「えー新入生の皆さん。入学おめでとうございます。───」
4月、私は県立新海高校に入学した。
今は体育館で、校長の話を聞いている。
が、今はそんな事どうでもいい!
何と私のクラス1年4組のクラス名簿に牧村 謙介という名前があったのだ。
そのせいで若干テンションがおかしくなっている。
色々な疑問が頭を駆けずり回っている中、ライルを開き、中学の友達に連絡を取っている。
『高校にやむgdghxzdjなては』(既読2)
『は?』
『なになにどしたの?』
『高校に牧村くんいた!』(既読2)
『誰ソレ?』
『あぁ、もしかしてあの時の?』
『うん。そう!』(既読2)
『何か凄い選手じゃ無かったの?何で新海何かにいるの?』
『え?わかんない。』(既読2)
話がなかなか進まずもやもやしていると
「たーつーみぃ、入学式で堂々と携帯を使うとはいい度胸だなぁ〜」
ガシッと
後ろから携帯を掴まれた。
「没収」
「せ、先生!今はそれどころじゃ無いんですよ。」
「何だ?」
「何でここに牧村がいるのか話し合わないと行けないんです!」
私の抗議も虚しく、携帯を持った先生は遠くの方へ行ってしまった。
式が終わると、それぞれの教室に移動し、オリエンテーションでたくさん書類を貰い、午前中には解散になった。
まぁ私はみんなよりだいぶ遅く解散になったけど・・・
私が職員室を出た時、もうグラウンドでは部活が開始していた。
この高校は早い段階から部活見学、参加が出来て、今日から参加する子も結構いるみたいだった。
私も、部活のパンフレットを見ながらバレー部と書いてある教室に向かった。
教室の中に入るともう話は始まっており、私は後ろの方の席にこそっと座り、書類を貰った。
前の教卓では、多分男子のキャプテンと思われる人がどんな部活か、部員は何人か、活動日はいつかなどの事務的な話をしていた。
教室の右半分に男子、左半分に女子が座り話を聞いている。
女子は私含めで4人、男子は6人。
男子の中に牧村君は居なかった。
話が終わり、各々準備をしている時に男子のキャプテンっぽい人に話しかける。
「あの、牧村って来てました?」
「え?あぁ牧村くん?うーん多分来てないよ、どうして?」
「あぁいや・・・・・・」
「・・・牧村なら、こないと思うぜ?」
私が振り向くと、エナメルバッグを持ったボーズの男の子が立っていた。
「何でそんなことわかるの?」
「・・・やっと俺は奴と同じ場所で長くを過ごしたものだから、かな。」
「あぁ幼なじみなんですか?でも、バレー部には入るんじゃ?」
と言うとボーズは天を仰ぎ、呟き始めた。
「・・・奴は2度とあの地に訪れる事は無いであろう。」
「な、なんで?」
「・・・それは俺の口からは言えぬ、多少ならぬ事情がある故・・・・・・な。」
「そっか、ありがとうボーズくん」
「ふっ・・・てぇ!?ぼ、ボーズくんだと!?」
「ん?てっあぁっ!!」
ボーズに感謝の意味も込めて、手を合わせて拝んだ後、急いで教室を出て、絶賛遅刻中のバイト先へ向かった。