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レイジー・リバース・レイン  作者: かずず
一章 レイン・リバエル
9/42

4.はじめてのまほう

 ■ ■ ■


「零士、零士。起きて。」


 目を、ゆっくりと開ける。

 見慣れた白い天井。清潔なベージュのシーツに包まれた布団。そろそろ直そうと思っていた毛布。

 結婚してから、家を買うまでに住もうと愛子と拘って決めた、2LDKの部屋の寝室だ。


「おはよう、愛子。今日も早いな。」


 ベッドのそばにある窓の白いレースカーテンが眩しい。


「おはよう。それに、もう昼前よっ。11時ですっ。昨日は飲み過ぎよ?大丈夫?」


 手に持った水を渡してくれる愛子を見ながらコップを受け取る。飲み過ぎという言葉を聞いて、ズキリと、鈍い痛みが頭に走る。


「あー…ちょっと頭が痛いかな。」


 酒は、好きな方だ。ただ、ビールとカクテル位しか飲めないが。余り強くもないので、仕事前は飲まないようにしている。まあ、昨日は飲み過ぎた。今日が日曜日で良かった。

 昨日、愛子の初めての妊娠を、報告された。

 飛び上がって喜んで、抱き締めて、強く抱き締めすぎて、愛子の身体を離した後、お腹の赤ちゃんの心配してしまった位だ。

 父親になる喜びも、不安も、両方ある。全部を酒と一緒に飲み込んだ。色んな気持ちも、飲んだビールも多すぎたのだろう。もう、はしゃいでいた事と、はしゃいでいた理由しか昨日の記憶は無い。

 この頭痛も二日酔いのそれだ。

 渡されたグラスの中の水を一気に飲み干し「ありがとう」と返事を返しながら、起きて頭が回ってくると心配になるのはやはり愛妻の身体だ。


「身体の調子はどう?大丈夫?」


 その言葉を聞いて、苦笑いと共に逆に心配されてしまう。


「それを貴方が言うの?大丈夫だよ。まだ分かったばかりだしね。貴方こそ大丈夫?」


「ああ、俺は大丈夫だよ。まあ、ちょっと頭は痛いけれどね…」


「余り無理しないでよ?喜んでくれたのは、嬉しいけれど、飲み過ぎは駄目なんだからねっ」


 まだ、眼鏡も、コンタクトもつけていない。何が何処にあるか位は解るが、ぼやっとした視界だが、愛子の表情は解る気がした。きっとまた、「しょうがないなあ」といった笑みを、浮かべているのだろう。前に見たのは、いつだったか。身体を起こし、持ってきてくれた水を飲む。


「ふう、ありがとう」


「どういたしまして」


 瞬間。愛子の顔が揺らぐ。


「本当に、気をつけてね。『レイン』」


 目が、覚めた。

 二日酔いの夢を見て、起きても頭痛。


(前の世界では何度か経験したが、異世界で、しかも赤ん坊の身で経験するとは…)


 原因は勿論アルコールではない。風邪でもない。気を失う前に、やっていた所から見て、恐らくは魔力の使い過ぎだろう。


 アーシェが、魔法を見せて、というかあれは多分、俺に鏡を見せたかったんだろう。


 左目でしか見えないが、周囲や人の周りなど、殆どどこにでもある、モヤモヤ。アーシェが鏡を出す時に、アーシェは自分の身体を包んでいた妙なモヤモヤと、微量ながらも周囲を漂っている薄いモヤモヤを指先に集め、アーシェはその指で文字を描いた。

 文字は英語の筆記体のように、一つ一つがつながっており、いまいち判別できなかったが、四つか五つの文字が俺の目の前に浮かんで、次の瞬間には鏡になったのだ。


 初めてこの世界に来て自分の顔を見た時は驚いた。

 まんま赤ん坊の顔だ。毎日見ていた、少々頬のこけた、くたびれたおっさんではない事が、少々さびしく感じてしまった。

 自分で言うのも難だが結構可愛い。ふっくらとした頬に、左右の色が違う大きめの目。細いブラウンの髪。

 日本人の顔ではなかったが。見た目は俺は当たりを引いたのかもしれない。

 左目の上の額に、かなり大きめの傷が一本入っていたが、生まれつきだろうか。こんな傷を受けた記憶はない。

 色々顔を見て考えつつ。愛子のお腹の子はもっと可愛いんだろうな、等と思っていると、鏡がふっと粒子になって消えた。

 鏡の裏に居たのだろう、鏡が消えた後に視界に飛び込んできたのは、アーシェが満面の笑みでこっちを見ている顔だ。


「すごいーっもっとーっ」


 興奮して、はしゃいで要求すると。


「いいわよーほらーっきれいでしょーっ!」


 今度は俺の周囲にピカピカ光る色とりどりの光を浮かべてくれる。

 実は見たいのは鏡だったのだが。と思いながらも、目の前で繰り広げられる見た事のない光景にきゃっきゃとはしゃぎながら見ていると、先ほどと同じように指先で文字を書いて、それが光っては消え光っては消えしているのに気付いた。

 光り一つに大体2~3文字ほどだろうか、良く見てみると文字から糸のようなものが指先につながっている。

 結構複雑な文字だったが、一番簡単な文字、丁度アルファベットの筆記体Lの字に似ていたその文字を、自分も真似して書こうと思った。

 自分の身体を包む何かは見えていたし、指先と動きに注意して空中に文字を書くようにLの字を描く。

 昔、夏の夜花火をしていた時、手持ち花火を振りまわした時に見える光の残像が近いだろうか。そんな光の軌跡を指先で空中に描くような感じだ。

 指を動かし、手を動かし、腕を動かして、Lの軌跡を描こうと苦心している様子を、アーシェは楽しそうに手を振っているように見えたのか。笑顔で沢山の光を出してくれた。

 最初はぶつぶつ途中で切れていたものの、指先に強く集中すると、自分の身体から出ているもやが、少しの時間空中に残るのを発見すると、ぶんぶんふっていた腕の速度を落とし、ゆっくりと、丁寧にLの文字を書く。

 ようやく、薄らと弱い光を放っている文字が出来て、「書けたっ」と思ってLの字に集中し、注目した瞬間。

 一際、大きな白い光が文字から発して、目を焼いた。


「うおおっ」


 若干赤ん坊らしくない声を出した直後、意識を失い、そして今の目覚めに至る。


 本日、四度目の目覚めだ。顔を覗き込んでいる顔が三つに増えていた。

 ちょっと離れた所に見慣れた姿もぼんやり二つ見える。

 一人は母であるアーシェ。

 一人は父のアレックス。

 もう一人は、誰だろう。お爺さんよりのおじさんといった感じの顔である。どことなくアレックスに似ている。アレックスの親父さんだろうか。

 後ろの二人は、恐らくメイドのジェシーと乳母のメアリーだろう。

 正確な年は分からないが、一昨日だかに、近づいて顔を見せてもらったメイドとジェシーの二人はどう考えても20代か10代後半の年頃のお嬢さんに見えた。この世界、というか時代は結婚はやはり早いのだろうなと思った事を覚えている。そして、どうやら二人は姉妹らしい。姉の方がメアリーだ。多分、会った事がないがメアリーには俺と同じ位の子供もいる事だろう。


「おお、眼が覚めた。もうレインは大丈夫なのか?アーシェ」


 さっき用があると、部屋を出ていったアレックスが戻って来ていると言う事は、もう用事は済んだのだろうか。俺が気を失った事で用事の途中で来てもらったのなら申し訳ない。


「ええ、多分、ライトの魔法を使って、魔力が切れたんだと思うわ。呼びにいく前に、私の魔力を渡したし、もう大丈夫のはず。」


 何事か説明しているが、聞き取れたのは、魔法、渡す、位だ。早く言葉を覚えたい。


「大丈夫?レイン?いたいたいない?」


 これは聞き取れた。


「だいじょうぶです。おかあさん。おとうさん。ごめんなさい」


「大丈夫だぞーレイン。こっちは気にするな」


「謝る事無いのよー。頭痛くない?すぐに良くなるからね」


 そう言って、アーシェは俺の頭に手を置いて、優しく撫でてくれる。アーシェの手の平が、熱を持ってるかのように熱い。ゆっくりと、痛みが引いていく。魔力の譲渡やらをされているのか、若干だるかった身体も元気になってくる。


「ありがとう。おかあさん」


 アーシェに笑いかけると、アーシェも優しく微笑みを返してくれた。


「この歳で、会話をする、だと」


 今まで黙って俺の顔を見つめていた厳しそうなお爺さんが、より厳しそうな顔をして驚いている、


「おじいちゃん。だれ?おとうさんの、おとうさん?」


 どんどん鋭くなっていった眼が、今度は丸くなった。話しかけられると思っていなかったのだろうか。


「あ、ああ。そうだ。おじいちゃんだよ、もうそんな事まで習ったのかい?」


 おっと、習ってなかったわ。だが、習ったというか聞いた覚えはある。アーシェとアレックスがちらっとすぐ横で話していたのを覚えている。


「うん、おとうさんと、おかあさんが、おとうさんがくるっていってたよ。おじいちゃんのことでしょ?」


 歯が無くて、言葉が拙くて助かったと思う。上手く誤魔化せた。前世云々を説明する事が、今は上手く言葉に出来ない。神が言っていたようにファンタジーなら魔物も悪魔も居る事だろう。覚えが早いのはまだいいとしても、流石に知らされていない事を知っているのはまずい。今の無力な段階で、赤ん坊に何かよからぬものが宿っているとか疑われたくは無い。


「ああ、そうだよ。私は、おじいちゃんの、ガイウス・リバエルだ。こんにちは。レイン」


「こんにちは。」


「頭のいい子だね…。もう、レインは、魔法が使えるのかい?」


「おい、親父、レインは起きたばっかだぞ。」


「お義父様、今日はもう。レインも疲れているでしょうし、魔法の発動出来たこと自体が、偶然かもしれません。まだレインは立つこともの出来ないんですよ?魔力は渡しましたが、一日に二度は無理ですわ。」


「いや、うむ。そうだな。また、明日にでも見せてもらうとしよう。」


 夫婦が二人してガイウスをたしなめ。ガイウスもそれに従っている様子を横で聞いていたが。あの光が魔法なのだろうか。空中に浮いた文字が光るのが魔法というなら、そうなのだろうが。あれが完成形なのか、良くわからない。一回光って観察する間も無く気を失ってしまったし。

 俺としては、さっきの感覚が残っているうちにもう一度やってみたい。

 それに、本当の子供がこう言われたらどうするだろう。俺が子どもころは、すぐに調子に乗ったはずだ。

「キリンが書けるの?凄いね」と親や保母さんに言われれば、延々絵を描いては見せに行っていた。

 では、ここで子供の振りをするなら、やる事は一つだろう。


「うん、できるよ!みてて!」


 さっきと同じように、左目に見えてるもやを、いや、さっきの話しだと、魔法を使うためのものだ。魔力というものだろう。魔力を指に、集めて、光る指先を、Lの文字に。


(そうだ、確かさっきはここで、やったと思って、思わず力を指に集中させたんだ。そしてその後、一気に光って、何かを吸い取っていかれた)


 今度は、ゆっくり注ぐイメージだ。ゆっくりと、息を、長く吐くみたいな、イメージ。


(文字につながる指の先から、身体を覆ってるモヤをゆっくりと動かす、イメージ)


 目に見えているからだろうか、先ほどよりは力を意識出来ている。文字に注ぎ込む力の量が一定量を超えた時。また文字がほんのりと輝きだした。


「こら、レインっ」


 アレックスの声が聞こえた時にはもう遅い。さっきよりは、強い光ではないが。眩しい光が俺を含めた近くに居た四人の顔を照らす。


「できた、よ…。」


 また何か吸われた。だが先ほど一気に持っていかれた訳ではない。光が弱いからか?ちょっと辛いが、にっこり笑って、ガイウスの法に顔を向け、光っていない方の手を向ける。


「これは、まさしく、0歳児で、最も簡単なものとはいえ、魔法を使う、だと」


 驚愕の表情を、俺に向けるガイウス。ちょっとその顔は赤ん坊に向けるには怖くないか。

 そう思っていると、光を維持している魔力が切れたのか、ふっと光が消えたと同時に、また今度も俺は気を失った。


□ □ □


「もう!お義父様!なにさせてるんですか!」


 焦る気持ちを抑え、優しくレインの額に手を置く。手の動きが速過ぎて叩く所だった。

 そのままゆっくりと、集中して、私の魔力でレインを包むように。レインを覆う魔力と混ぜるように。自身の魔力を流し込む。


「えっ、いや、すまん。他意はないのだ。つい声に出てしまった。」


「親父、レインはまだ子供だぞ。聞かれたら、見せたくなるだろうがよ」


「わかった。すまん。つい口に出てしまったのだ。許してくれ。」


「私が居たから良いようなものの、何度も気を失わせないでください。さっきから、おっぱいだってまだ飲んで無いんですよ。」


 ただ、口に出してしまった気持ちも分かる。それこそ、魔法の文字を維持できる魔力があって、魔力の感覚を掴むものが出来れば誰でも出来る魔法だ。だがそれも成長期を過ぎて成人した後の話しだ。

 まず自分の魔力を操ると言う感覚が難しい。現に、レインも発動はできたが制御は出来ていない。一回目は激しすぎて、二回目は止められなくて、という違いはあるが、自分の魔力の限界値は把握していないようだ。一回目も二回目も、しっかりと此方で魔力を感知していたわけではなかったが、魔力の流れには無駄が多かったのは判る。

 魔力自体も、12歳ほどまで成長しなければ、魔法の文字は掛けたとしても発動は難しいはずだ。

 魔力感知に関しては、もしかして、という仮説は無いではないが、この魔力量はどういうことだろうか。

 迷信と呼ばれる、この地方に伝わるオッドアイの伝承のように、二つの神の祝福でも得ているのだろうか。

 思考に没頭するうち、自分の魔力が手の平に押し戻される。レインの魔力の補充が完了したようだ。やはり、もう既に人族の12歳ほどの魔力量はある気はする。効率良く魔力を扱う術を学べば、他の魔法も使えるだろう。


(才能、というには、ちょっと変かしら。知能にしろ。魔力量にしろ。とはいえ、子供らしい所も見れて、少しは安心したけれど)


 さっきは正に調子に乗った子供といった感じだった。調子に乗る所など、出会ったばかりのアレックスそっくりだ。

 穏やかな顔で眠るレインを優しく撫でて、先ほどから何か言い合っている親子に顔を向ける。


「わかった。王家から正式な書状を貰うのは、先ほどの約束通り3歳でお披露目した時になるだろうが、我が家の子として扱うこととする。辺境伯の決定だ。」


 溜息をつき、少々疲れた様子のお義父様は、先程までの夫との話し合いには、やはり反対していたのだろうか。私たちの子とするのを許可するにしても、どんな無理難題でもかけてくるかと思っていたが、どうやら心配は無用だったようだ。


「ありがとう、親父」

「ありがとうございます。お義父様」


「よいよい。礼には及ばんよ。というか、なあ、あれを見せられてはな」


 少々呆れた顔で、レインの顔を見つめる親子二人の顔。ふとした時の表情はやはりよく似ている。


「もう、触れても大丈夫かね?」


「もう大丈夫ですよ。撫でてあげてください。」


「うむ…」


 皺の多い、ごつごつとした手だ。この年まで、辺境を、国境を、そしてこの街を守ってきた手だ。おっかなびっくり優しく赤ん坊の頭を撫でている様子は、少し微笑ましい。何を思って撫でてくれているのだろうか。この手で、レインの事もこれから守ってくれるだろうか。


「服や、おむつは足りておるのか?」


「ふふっ。はい。大丈夫のはずですよ。ねえ?」


 いきなりの領主登場に、びくびくしながらドアの傍に、乳母の姉と共に控えているメイドのジェシーを振り返る。

 青いメイド服に身を包み、茶色の髪を後ろで一つに三つ編みしている素朴な少女は、突然話しを振られ、ビクリッと身体を震わせ、上ずる声で答えた。


「はっはいっ!アレックス様が一時期毎日のように買い込んで来て下さっていたので!問題ありません!」


 山ほどの白い布が、今日も館の裏の洗濯場で揺れている事だろう。そして半分以上、孤児院やらに寄付している。アレックスが毎日毎日布を買い込んではレインに提供していたのだ。

 メイドさんを初めとした使用人たちも、いきなり1.5倍の洗濯は大変だっただろう。


「はっはっは。そうか。また他の物が必要になったら言うと良い」


 ガイウスは、ここで初めてレインを撫でながら柔らかな笑みを浮かべた。


「はい。ありがとうございます。お義父様」


 その笑顔を見て、安心した。こういう時の笑い顔もアレックスに良く似ている。


「アレックスは、随分とレインに入れ込んどるようだな」


「そうですね。この前なんか、狩りの時遭遇したイノシシの魔物の生首持って来てレインに自慢しようとしたりして困りましたが。レインが怖がったらどうするつもりだったんですか?可愛がるのは良いですが、考えてくださらないと」


 後半はアレックスに向けて、睨むようにして言う。照れたのか、顔を赤くしてアレックスが言い返してくる。


「その話しはもう謝っただろっ!結局追い出されて見せてないから良いじゃないか!お前なんかおっぱいあげれないからって、どっから聞いてきたのか自分の血飲ませようとしたろうがっ!レインが病気になったらどうするんだ!?」


「私の血が汚い。ということで宜しいですか?大丈夫よ。ちゃんと回復魔法混ぜたし。逆に元気になったはずだわ」


「汚い汚くない以前に、真夜中にナイフ持って赤ん坊のベッドの横に立ってるの見たら、それこそレインが怖がるわっ!それに、見つけたジェシーも腰抜かしてただろ。なんだ、お前はレインを吸血鬼にでも育てるつもりか!?」


 じゃれ合う夫婦を見ながら、ガイウスも、メイドのジェシーも、乳母のメアリーも、優しい笑みを作る。そのやり取りが騒がしかったのか、魔力が補充されて落ち着いたのか、レインが目を覚ました。


「おあぅー」


どうやら、おっぱいの時間らしい。そう言えば、もう夕方に差し掛かっている。


「単語は教えたのに、なんでか、おっぱいの時はああ言うのよね。はいっ、男性陣は外に出て出て。レインがおっぱい飲んだら私たちもご飯の時間よ」


 これからどんどん暖かくなる。

 私も、アレックスも、この家も、戦争で多くの人を失った。

 レインを迎えた事で、この家もどんどん暖かくなればいいなと、そう思う。

 大きな窓から見える優しい、暖かい夕陽が部屋の中を照らし、優しい色に染まる部屋の中を見て、そう思った。 

 


 □  □  □


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