第二十七話:迂闊な転移者
心臓がうるさいほどに鼓動するのを感じながらひたすらに走る。長い丈のスカートが足の動きを阻害して邪魔だ。だが、無理をして転倒してしまえばそれで全ておしまい。絶対にそれだけは避けるため、慎重かつ大胆に走る必要があった。
限界まで酷使された肺は酸素を求めて呼吸を繰り返し、今すぐ倒れて休んでしまえと甘い誘惑が耳元で囁く。だが、それが許されるのはとある建物に逃げ込んでからだ。
そこにさえたどり着けば何もかも丸く収まる。だが、毎日のように通っているはずの道が今日に限って、倍以上長く感じられてしまった。
「おいおい。お姉ちゃん、ひどいじゃねえか。ちょっと遊ぼうって言ってるだけだぜぇ?」
その時、背後から若い男の声が聞こえた。気持ち悪いとしか形容できない、悪意に染まり切った声だ。できる限り民家の影を移動してきたというのに、何故か男の声はすぐ背後から放たれている。まるで目を使わなくともこちらの位置が分かっているかのようで、余計に恐怖を煽られた。
「ったく、おっかしいな……異世界転移したら無双してハーレムが出来るもんじゃねえのかよ。……もういいや、めんどくせ。気持ちよくしてやるから黙って言うこと聞けよ」
不吉な言葉に振り返ることもできずに走り続ける。さらには金属の擦れ合うような音まで響いてくる始末だ。何かを振り上げ風を切る音が耳に届き、死の予感がすぐそこにまで迫る。
どうしようもできない最悪の未来を想像し、恐怖に震える足はついには走ることさえ放棄した。地面に倒れ込んだまま、せめてその瞬間を見ないように目を強く閉じ、
「──剣抜いたからには、言い訳できねえってことでいいよな?」
「ちぃっ!?」
想像していた衝撃が訪れることは無かった。その代わりに聞こえてきたのは刃物と刃物が数回ぶつかり合う音と、男の短い悲鳴が一つだけ。直後に誰かが倒れる音も追加され恐る恐る瞳を開けてみると、頭から血を流し倒れる男、さらに巨大な両刃斧を担いだ巨漢のエルフ──村長のアルフレッドが視界に入り込んだ。
彼は女性に見られていることに気が付くと、安心させるようにそのゴツゴツした顔に笑みを浮かべる。
「怖かっただろう、すまねえ。相手が先に手を出したってことにしとかねえと、後々面倒なんだ」
「大丈夫だったか!?」
アルフレッドが小さく頭を下げ、ほぼ同時に巨体の影から躍り出たのは女性の夫だ。その姿を見て色々と限界を迎えた女性は、彼の胸に顔を埋めて泣き出す。村長にお礼を言っていないことは頭の片隅に残ってはいたが、それを実行するほどに余裕が無かった。
「三日で二人も強姦魔が出てくるなんて、どうなってやがる」
その夫婦の姿を見守りながらアルフレッドは思わずと言った様子で呟く。アルフレッドが管理しているリグル村は人通りが多いわけでも、有名な特産品がある訳でも無い。強いて言えば、王都にそこそこ近い程度の小さな村だ。
外部の人間自体が滅多に訪れないというのに、三日間で現れた男が二人とも強姦魔とは運が無いで済まされる問題では無い。さらに一昨日と今日の男は両方、格好からして恐らく冒険者であり実力も決して低くなかった。
アルフレッドの奇襲を一度とはいえ、弾いていることからもそれは分かる。その時の反応速度を考えれば、冒険者ランクC+と言ったところか。そのレベルにまで達した冒険者が強者の存在に気づきもせずに、軽率な行動をとるのは違和感だらけだった。
「あの光と関係があるのか……?」
四日前の明け方、南の方角より放たれた光を思い出す。魔法の才能には恵まれなかったアルフレッドでも、寝ながら気づけるほどに膨大な魔力を纏った光。魔法に詳しい知人に連絡を送り、何が起こるのかと警戒していたところに一人目の男が現れた。
偶然、と言えなくもない。だが、同時期に別個の事件が起これば、どうしても関連付けずにはいられなかった。
「ミリアとターナが無事ならいいが……」
さらに言えば、あの光が放たれた方角にあるのは例の“天使狩り”が潜んでいると思われる廃墟だそうだ。保護と言う名目で王都に滞在していた二人が何故、騎士団の作戦に混じっているのか疑問ではある。
ただ、その廃墟に向かったという連絡は受けており、アルフレッドは二人の無事を祈っている他なかった。
☆ ☆ ☆ ☆
「悪いねえ。本当だったら私も助太刀するべきなんだろうけど……」
「いえ、ミリアさんには散々お世話になってしまいましたし、マリーさんを安心させてあげてください」
「そうでやんすよ。姉御はもう冒険者を引退したんでやすから、あっしたちに付き合ってる方が変っす」
馬に跨ったまま申し訳なさそうに頭を下げてくるミリアにターナとルーカスは苦笑していた。場所はメルティネス領の都市、その城壁の目の前だ。時刻は朝七時ごろと言ったところで、ミリアの背後には同じく騎乗し整然と並ぶ近衛騎士たちがいる。
その中には物資運搬用の他に、行きには無かったはず馬車が紛れ込んでいた。揺れを無くすために様々な工夫のなされた高級な馬車。乗せられているのは、未だ昏睡状態のまま目覚めないオリヴァーと、自力で動けるほど回復していない怪我人たちだろう。
王都への移動、六日ほどの行軍にオリヴァーを連れていくと聞いたときは耳を疑ったものだが、怪我自体は完治しており医師も問題ないと判断したらしい。丈夫な身体を持っているオリヴァーだからこそだとは思う。いや、思いたい。
自分が重傷を負ったまま強制的に長距離の移動をさせられるのは、例え安全でも勘弁願いたかった。
「本当に悪いねえ。……そっちのことは頼んだよ。それとルーカス、もしもあいつらの姿があっても」
「分かってるっす。あっしだってクランの最古参。躊躇いは、しないでやんすよ」
ミリアが最後まで言い切る前に、ルーカスが強引に話を遮る。その姿にミリアは何を思ったのか、どこか遠くを見るような表情を一瞬だけ見せた。
「ミリア様。そろそろ出発します」
「分かったよ、もういける」
ターナとルーカスの他にも“晴天の掃き溜め”の冒険者たちとミリアが挨拶をしているとキールが出発を告げに来る。そのまま小さく手を上げるとミリアはキールに着いていった。名残惜しそうに彼女の背中へ別れを告げる声は多く、“晴天の掃き溜め”でどれほどの信頼を持たれているかを教えてくれる。
「これより王都へ帰還する。怪我人の護送には注意を払うようにッ!!」
ミリアが騎士たちの一団に混じり、キールがその先頭に待機していた白馬に乗ると高らかに号令をかけた。その姿は正しく夢物語の出てくるような騎士像そのままであり、元の身体では悪くない程度の容姿でしかなかったターナは、僅かに嫉妬心を覚えながら見送る。
中央に馬車を、その周囲を固めながら走り始めた近衛騎士団はあっという間に見えなくなっていった。
「それじゃあ、あっしたちも出発しやすかね」
見えなくなるまで騎士団の姿を目で追っていたルーカスが振り向くと、少し離れたところに停車させられている馬車を示す。ミリアは習得していたが、冒険者全員が馬に乗れるわけでは無いため、いくつかのグループに分け馬車で移動することになっていた。ターナたち転移者は言うまでもない。
「そうだな、早めに向かって悪いことは無いか」
「あたしたちは何時でもいけるわよっ!」
それに答えるのはクリスとジェシカ。ミリアと親しい人たちに遠慮してか、少し離れたところに待機していた彼らは荷物を掲げて準備万端であることを知らせてきた。
どういうわけかアリシアのバッグがずいぶんと可愛らしいデザインであり、一瞬だけ疑問に思ったが確実にジェシカの仕業だろう。女子力の高い荷物を嫌々に持ち上げるアリシアの顔は真っ赤であり、あれでは玩具にされても仕方がない。
「その……ずいぶんと可愛らしいものを選んだね」
「実に女の子っぽいよ」
「一人と一匹ッ! それ以上言うんじゃねぇっ!!」
大人しい性格をしているリオンまでもが口を出すことも、アリシアの弄られ気質を肯定している。小さな身体ではいくら吠えても子犬のようにしか見えないのだ。
「ほらほら、アリシアのお嬢ちゃんもいつまでも遊んでちゃいけないっすよ」
「だから、おれを嬢ちゃんって……」
「はいはい、さっさと乗り込む、乗り込む」
キャンキャンと吠え続ける子犬をジェシカが馬車に連れ込むと、苦笑しつつクリスとリオンも続く。他の冒険者たちもそれぞれの馬車に乗り込み、御者台に予め決められた人物が座っていった。
ターナも慌ててクリスたちと同じ馬車に乗車すると、御者台にはルーカスが着席する。
「お願いしますね」
「了解でやんすよ。まあ、大した距離でも無いっすから」
備え付けられている窓から顔を覗かせ、ルーカスに頭を下げる。首だけで振り返ったルーカスは笑みでそれを返すと、手縄を力強く引いた。馬車を引く二頭の馬が全身を始め、それに他の冒険者たちも続いていく。
段々と速度は上がり都市が遠ざかっていくが、進む方向は近衛騎士団とは全く違う。目的地は商業によって成長した、王国内でも最大規模の物流を誇る自治都市ラーチェス。ターナたちと同じ転移者の情報を求め、一行は移動を始めた。
☆ ☆ ☆ ☆
「それじゃあ、援軍の到着は遅れるの?」
「ええ、他者の治める都市に兵士を送るには色々と手続きが必要だとか。その都市のリーダーが誘拐されているのに、そんな暇あるのか疑問ですがね」
移動中の馬車内で、ターナとクリスは先日の会議で決められたことをアリシアたちに説明していた。
一つ目、近衛騎士団及び元冒険者ミリアは王都に帰還するため、助力は期待できないこと。
二つ目、自治都市ラーチェスの都市長の一家が謎の集団にさらわれたこと。
三つ目、その集団には日本から召喚された転移者が所属している可能性が高いこと。
四つ目、以上のことからターナたちとルーカスたち冒険者、一般の兵士と共にこの集団を殲滅すること。
簡潔にまとめればこの程度だろう。本来であれば、このようなことに首を突っ込むよりも“天使狩り”の行方を追っているべきだ。極論を言ってしまえば、その都市長がどうなろうとターナたちに関係ないのだから。
しかし、ターナたちとルーカスたち、それぞれ理由は違えど、転移者という単語に反応せざるを得ない状況になっていた。ターナたちは言うまでも無く、同郷の人間が重罪を犯していると聞き黙っていられないこと。
ルーカスたち冒険者は、その転移者の中に殺された仲間の肉体があるかもしれないこと。召喚魔法がこの世界の人間に地球の人間を憑依させる仕組みのため、起こりうることだ。
またそれら以上に、この事件の元凶が“天使狩り”だからであった。彼の目的は分からないが、この状況を放置することは“天使狩り”の行動を無視することと同義。少なくともプラスに働くとは誰もが思えなかった。
「でも、どうして誘拐になんて手を出したんだろう……? 混乱しててならともかく、偉い人の家に忍び込めるってことはさ……」
「計画的な犯行だろうぜ」
リオンの言葉を引き継ぎ、アリシアが苛立ちながら言い放つ。
「召喚魔法が発動してたったの三日でそんな事件が起きるって……いや、俺たちと同じ時に既に転移してたのか? そこに二回目の召喚で人数が増えて、収拾のつかなくなった集団の一部がやらかした。ラノベだったら定番の展開だ」
「確かに集団の全員がこんなバカげたことをするとは思えないわ。大人数をまとめられる人材もいなそうだし、案外的を得てるかもね」
所詮転移者はゲーマーの集まりだ。仕事と趣味を両立していたカリスマ溢れる人間が統率している可能性も零では無いだろうが、それができる人間ならもう少し慎重に行動する。
「それじゃあ、全員が全員悪い人じゃないのかもしれませんよね……一度捕まえてから」
「──それじゃあ、甘すぎるっすよ」
そこに突然声を割り込ませてきたのは御者台に座るルーカスだ。彼はこちらを見ないままに冷たい声で続けていく。
「その集団は既に都市長の誘拐だなんて大きな罪を犯してやす。弁解の余地なんてありはしないでやすし、下手に情けをかけてたらあんたらも仲間だと思われかねないっすよ? 発見した時点で殺すか、情報を抜き出してから衛兵に突きだす、どっちかっす」
「でも、偶然一緒にいて巻き込まれた人だっているかもしれないのに」
「あっしもいると思いやすよ。でも、それなら何かしらの行動を起こせばいいっす。衛兵のところに内分情報を持って逃げ込むなり。何も行動せずに巻き込まれただけだから助けてくれだなんて、そんな人間のためにリスクを背負うのは割りに合わないでやんす」
価値観の違いとでも言うべきなのか。ルーカスの言い分は残酷であり、それを話す口に迷いはない。ただただ、当たり前の常識を語っているだけ、そのように感じた。
この世界に転移して、既に何匹もの魔獣の命を奪ってきた。だが、その時は殺らなければ殺られる状況だったのと、仲間を守るためという大義名分があったからできたのだ。
害獣である魔獣ですら躊躇うのだから、同じ人類相手なら尚更。だが、それは平和の日本暮らしだったターナたちだけの感性でしかなかった。
「ん? こんなところで魔力の流れが……ってやば!? 全員伏せるっす!!」
そのことについて考え込んでいると、突如ルーカスが叫ぶ。直後、激しい衝撃が馬車を襲い混乱した馬が暴れだす音が聞こえた。
「おいおい、何だってんだよ!?」
体重が軽いせいか、他よりも盛大に跳ね回る身体をジェシカに捕まえられたアリシアが、この場にいる全員の気持ちを代弁する。
幸いにもルーカスが上手いことやってくれたのか、横転することもなく馬車は荒っぽく停車した。
だが、同時に天井から軽やかな音が響くと、巨大な刃渡りの剣が生える。それはちょうど円を描くように頑丈なはずの天井を切り裂いていった。
「よし、と。段々これにも慣れてきたな」
できあがった切れ込みから手を差し込み、強引に作り上げられた穴から聞こえてきたのは若い男の声だ。
逆光によって顔に影ができており、性格の悪さが滲み出た目付きはより凶悪なものに昇華していた。
「どこの貴族様か知らねえが、ここら一帯の馬車は全部包囲させてもらった。大人しく金目のものを出すなら命まで取りはしないぜ」
正に盗賊といったようなセリフを吐きながら、男は肩に担いだ大剣を揺らして見せる。下手なことをしたら斬り殺すということだろうか。
自身の圧倒的優位を確信し、ニヤニヤと笑っていた男だが、ふと視線を一ヶ所に留めた。その先にいるのは男を睨み付けていたアリシアだ。
彼女のことを頭の頂点から足の爪先まで遠慮なく観察した後、男は目を見開く。だが、それも本の一瞬だけ。すぐに腹を抱えて笑いだすとアリシアを指差しながら、
「お前、アリシアか!? ずいぶんと可愛らしくなっちまってよっ!!」
「黙れよ。おれだってこうなるって分かってたら男キャラにしてたっての。だけどよ、ゲームでまで男のケツを見てられねぇだろ」
「その割りにずいぶんと幼い見た目なことで。このロリコンやろうが!」
額に青筋を浮かべると、アリシアから放たれる怒気が──最早殺気とさえ呼べるそれがさらに大きくなる。
「ちょっと、アリシア。あいつ誰なのよ?」
「おれは割りとPvPもやってただろ? こいつは名前は忘れたけど、まあ悪い意味でのちょっとした有名人でな。他のやつらが見てる中、一対一でボコってやったら多少は大人しくなったが……こっちでまで絡まれるなんてツイてねぇよ」
「オレとお前とじゃ、相性が悪かっただけだッ! 同じ条件なら負けやしねえんだよ!!」
アリシアの説明でターナは大体の事を把握する。つまり、この小物感溢れる男はゲーム内での迷惑行為だけでは飽き足らず、この世界に来てからは盗賊行為に走っているのだろう。
人間の屑、ここに極まれりだ。自然、馬車内の彼に向けられる視線は冷たいものへと変わっていく。
「この馬車、オーウェンさんからの借り物ですから……間違えちゃったんですか?」
「俺たちを貴族だと勘違いして襲っちまったってことか」
「そういうことだろうね、かわいそうに……」
「まあ、普通はそう思わないでしょ。運が無かったって諦めてもらうしかないわ」
「ホントだっての……。せっかく久しぶりにデカい獲物が来たと思ってたのに、貴族じゃねえなら大した金は持ってないか。人数増えたせいでこのままじゃ、明日の飯も食えやしねえ」
「いや、みんなが言ってるのはそれ以外のことだぜ?」
状況を全く把握していない男は、アリシアの言葉に間の抜けた表情を浮かべた。包囲するまでの素早い行動からして手慣れている様子であったが、イレギュラーへの対応は考えていなかったのだろうか。
貴族でないと分かった時点で男はすぐに考えるべきだったのだ、この集団が何なのかを。
──戦闘を営みにしている冒険者の一行である可能性を。
「おいおい、人様の旅を邪魔するなんて良い度胸じゃねえか」
「喧嘩売られたからには、しっかり買い取ってやらないとな!」
「おらぁ、盗賊ども! 気合いが足りねえぞ!?」
ほどなくして周囲から雄叫びと多数の悲鳴、そして激しい戦闘音、否、殲滅音が聞こえてきた。馬車の中にいるターナたちには小さな窓からしかその景色を見ることはできない。
だが、天井に立っている男には嫌と言うほど目に焼き付けられるだろう。盗賊仲間たちが次々と吹き飛ばされていく姿が。
「おいおい、どうなってんだよ!?」
「ラノベみたいに異世界転移したからってチートとは限らねぇっことだよ。おれたち転移者よりも実戦慣れしてる冒険者の方がよっぽど強い」
「それにここにいるのは、あっしたちのクラン"晴天の掃き溜め"っす。そんじょそこらの冒険者と同じにされちゃあ困るでやんすよ?」
想定外のことに慌てる男の背後から笑みを浮かべたルーカスの姿が現れる。そのまま、一切の無駄を削ぎ落とした動作で男の首に短剣添えた。
「あっしでもギリギリまで気づかない隠密魔法は中々のもんでやしたが、他が色々とお粗末すぎるっす。情報不足で行動するのは愚策、基本中の基本っすね」
ダメな生徒に教えつけるように、獰猛な笑みを放つルーカスに男は冷や汗ダラダラだ。
きっとこれまでは転移者特有の強靭な肉体による威嚇で、戦うことなく略奪に成功したのだろう。だが、力があっても技術がなければ実戦では使い物にならない。
本物の実力者と共に過ごしていたターナたちは気づくことができたが、弱者ばかり狙っていた彼らにはそれができなかった。
敗因があるとすれば、きっとこれだ。結局、男はプライドを捨ててでも投降する他なかった。
一度は書きたい小物キャラ




