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最強の格闘技とは!



 ショクシュ子が世界中に触手の素晴らしさを拡散し、仲間達と共に武者修行の旅を始めた頃、日本では両親である岸ベシローと益美が切り盛りする、触手道場が連日大賑わい。



 入門希望者が門戸を叩くのもさることながら、触手道場への道場破りも後をたたず、最強を目指す者達が連日連夜、道場に押しかけて来るのであった。


 そんな触手道場に集いし猛者達を、全て触手によって捩じ伏せるのが、後に【触手王】と呼ばれる岸ベシローと、【触手聖】と呼ばれる益美であった。



 二人の活躍によって触手道場は隆盛を極め、道場設立から数年後には、世界中に触手拳の使い手を輩出する程に成長。


 そして格闘界は触手拳によって、荒れに荒れまくる事になる。触手拳の使い手達が世界中の格闘界に進出し、その威力を遺憾なく発揮して猛威を振るうのだから。


 のちに『触手旋風』と呼ばれる触手拳、大躍進の時代の始まりであった。






 ボクシング界に殴り込みをかけた触手拳の使い手は、その見事なまでの触手化した腕から繰り出すジャブ…触手フリッカージャブによって世界を制する。


『左を制するものが世界を制する』と言った格言の通りに、触手拳の使い手は触手フリッカージャブのみで、世界チャンピオンへと昇りつめるのであった。




 柔道界へと殴り込みをかけた触手拳の使い手は、寝技を主体とした高専柔道をも超える、見事なまでの寝技によって世界を制した。


 抑え込みは勿論のこと、関節技から絞め技まで、触手化した身体を存分に活かしてその威力を発揮。

 寝技にて無敗の触手拳の使い手が、世界のトップに君臨するのであった。




 ムエタイ界に殴り込みをかけた触手拳の使い手は、その鞭の様にしなる触手化した脚を使って相手を翻弄。


 特に奥義舞滝鞭(ブタキムチ)を足技で使った、踵落としの連続技には誰もがなす術無く撃沈。


 ムエタイ王者は触手拳の使い手が総ナメにするのであった。







 まさに格闘界は触手拳一色。これ程までに活躍すると、誰もが触手拳が最強の格闘技だと思い始めるのは自明の理と言えよう。


 しかし、当の本人である触手拳の使い手達は、口を揃えてそれを否定。


 触手拳は最強には成り得ないのだと、誰もがそう語るのであった。



 不思議に思ったマスコミが、質問してみた。では、最強の格闘技とは何なのか、を。


 すると、どの触手拳の使い手達も、同じ答えを述べるのであった。




「最強の格闘技とは触手拳にあらず!最強の格闘技とは触手剣を携えた、女騎士拳なり!」



 最強では無く、最愛の格闘技と呼ばれる触手拳の使い手達は、今も世界の何処かで武者修行の旅を続けている【触手神】ショクシュ子を、いつまでも敬い奉るのであった。





終劇



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