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◆6 萌芽



「いいか、覚悟しておけよ?海洋恐怖症の類はねぇな?」


「あぁ!魚だったら日本でSUSHI食いまくったぜ、イクラとタコも!」


「良いなぁ、トレーニング食のメニューに似たようなのを加えておきますね?」


 ハンク達は、記者達を呼んでのトラッシュトークに赴くため工場街の中央にある巨大施設『電送局』へと向かっていた。

 会場は深淵共和社の本部で行われる事となってしまい、アルバートが心配しているのはハンクの正気定義摩擦のことだった。


「良いか、深淵共和社はミ=ゴとはまた違う文明圏の神話生物の巣窟で

主な構成員は深き者っつー半魚人と、そいつが進化したダゴンの使徒っつー蛸頭、それとショゴスロード……まぁ全身ショゴ助みたいな生き物だ

あいつらは実在する神を信仰してるから、あいつらの根城じゃあいつらの戒律に合わせること!復唱!」


 アルバートが予めハンクにみっちり叩き込んだ深淵共和社のタブーを、ハンクとヘレナは姿勢を正して復唱する。


「「半魚人呼び厳禁!日本の話はしない!ご利益をバカにせず、安易に信じない!」」


「ヨシ完璧だぁ!」


 道の真ん中で確認したためその辺を通りがかった一般通過深き者には渋い顔をされている。

 そんなことをしながらたどり着いた電送局は、キノコでできた巨大なアンテナを上空に向けたユゴス・リングほどではないが広大なドーム状の建物であり

 内部の印象は飛行機の存在しない空港といった様相だった。

 違いといえば大多数の集団を一度に送るのではなく、予約を入れた一団を指定の電送室に送り、大量放電の中データ化分解して指定箇所の電送機へと転送するというシステムくらいだろうか。

 逆に中央の大電送機には定期的に外惑星系からの転送によってスパークの中からやってきた集団が一箇所に一気に転送され、ゾロゾロと荷物を抱えて工場街へと歩み出している。


「データ化するって言えばちょっと怖えが、まぁ郷に入りてはだよなぁ」


「深淵共和社の本拠地、生体宇宙艦ハイドラは冥王星の上空200mですからねぇ、流石に電送機じゃないと移動できないんです

ハンクさんがここで慣れてくれればユゴス・リングにも今後電送で一っ飛びできますしね」


 タクシーの方が時間かかる上に高額ですし……と世知辛いことを言ってため息をつくヘレナが今は一番見てて安心する、そう思うハンクであった。


『トライスクラップ社ご一行様、念波照合確認しました。深淵共和社玉座前電送機行きの便ですね?

二十番電送室にお入りください、良い旅を』


 事務的な甲殻類ミ=ゴが一礼し見送る中、幾つもある部屋の一つに入り、中にある台座の上に乗る一行。

 台座の四隅にシャカと金属アンテナが伸びて、トライスクラップ一行を包むようにバチバチと放電が始まっていく。


「……っ!!」


 一瞬、全身が痺れて、体が無限に膨らむような感覚を味わったと思ったら、オレンジの壁に囲まれた電送室から一転薄暗く緑色の壁に変わり、金属のアンテナも細い蛸の触手のようなものに変わる。


 そして目の前には巨大な『靴』。

 ハンクが恐る恐る見上げるとそこには……異様に枝分かれして六つのレンズを持った丸いサングラス越しの、六つの恐ろしく鋭い瞳がハンク達を値踏みするように睨み下ろしていた。

 それは眼前の玉座に座ったアジア風の神官服に身を包んだ蛸頭の巨人だった。

 巨人は周囲の緑色のホロコンソールに照らされた仏壇じみた蛸と海産物の装飾ごと照らされ、天蓋にはドクン、ドクンと脈打つ金属パイプが幾つも垂れ下がっている、その空間が『生きた戦艦の中』である事を嫌でもわからせ、それでなおそこは仏壇の内部と見紛う荘厳さと凄みを併せ持っていた。


『日本の話題ダメって言われたばかりで難だけどよぉ、日本の寺で見たことあるなこれ

地獄の裁判官のエン=マとかいう奴』


 ハンクはそう思ったところでテレパシーのオンオフを確認し、ちゃんと切れていることに安堵する。


「よう、ヨグの旦那!相変わらずの粋な歓迎じゃねえか!」


『息災であるな、小さき賢者アルバートよ』


 ガハハと蛸頭の巨人を見上げるアルバートの豪快な笑いに、巨人ヨグ=ゾスはエコーのかかったテレパシーで応える。

 その声はいつかのニュースで聞いた怒り狂った声に比べだいぶ穏やかで、アルバートとも知らない間柄ではないことに安堵した瞬間だった。


『して、命乞いと言い訳を承ろうか?』


 ガチャ、と周囲のデッキから身を乗り出した全身戦闘用の外骨格に身を包んだ深きもの達の構えるエナジーガンの銃口が幾つも電送機上のトライスクラップ一行に向けられた。


「ぴゃっ……!」


「おいおいおいおい……!」


 ヘレナは小さく悲鳴をあげて硬直し、ハンクは彼女を庇うように前に出る。

 アルバートはため息混じりに言う。


「ボケたか旦那、烏合っつったのはノイズの野郎だぜ?」


『そこな地球人の復活戦に我々はちょうど良いそうだな?』


 静かに返すヨグのつるんとした蛸頭に、ゆっくりと青筋が浮かんでいく様子が嫌でもわかる。

 眉間には深く濃い皺が狂気の山脈の如く刻まれていき、彼の握る玉座の肘置きはその握力に屈してバギりと砕けていく。


『12000年前の敗退以来、ダゴン秘密教団は地球大支部と我々に分断されて依頼

地球に迎合しつつある地球の屑どもにはほとほと呆れ尽くし、我々は我々の信仰をこの暗黒の宇宙で育んできた

地球人には散々煮湯を飲まされてきたのだ、その末の扱いがこれだ!』


「ハンクは『魔法使い』でも何でもねぇ、ボクサーだ。ボクシングで話をつけんのが筋ってもんだろう

文句は試合と会見で言えってんだよ、それがルールだろうが」


 数秒の重すぎる沈黙の後、ガラガラと砕けた肘置きが瓦礫のように崩れる音を立てながらヨグ=ゾスはハッ、と呆れたような声を出して掌を挙げる。

 外骨格の衛兵達はエナジーガンを下す。


『あんな真性の化け物連れてこられてたまるか、冥王星を見守る調和と混沌の二神に感謝するんだな

記者会見の場は下の階だ、とっとと行け』




「そいつも禁句らしいから聞かねぇけど、ちょっと人が悪いぜアルバート」


「すまねえな、元々言う気もなかったしああでも言わんとワシら全員蜂の巣だ

また今度話すよ」


「怖かった怖かった怖かった……」


 ハンクにしなだれかかりながら何とか歩く紺色にまで髪色の沈んだヘレナを引っ張り、艦内を歩く一行。

 艦内と言っても、ハンクの予想以上にハイドラの内部は広大だった。

 おそらくは背後の巨大な社長室のドアから出てくるであろうヨグゾスが立ち上がって歩けるサイズの広大な吹き抜けに、12階建て程の階分けがされており向かい合った端に社長サイズのエレベーターがある、ヨグ=ゾスのいう下の階とは既に巨大施設であるこの空間を一区画としてさらに下に同様の広大さを持つ空間が複数階存在すると言うことなのだろう。

 吹き抜けの外縁12階建ては九龍城砦のように雑多な店や屋台に住居と裏路地が多数ひしめいており、ヨグのようにアジア風の衣装を着た等身大の深き者やダゴンの使徒、普通の人間のような何かが生活している。その上に宇宙各所から来る観光客までいるから本来ヨグが通るような真ん中の空間にまで人の波となっており、本来意図していないであろう建築物や屋台まである。


「あれじゃあトイレとかどうしてるんだ?不便でならねえだろうに」


「ダゴンの使徒は生きた即身仏みてぇな奴らだ、数100年はじっとしてても問題ねえそうだぞ?

ヨグの旦那ほどの進化個体なら万年単位はあそこで御神体してても問題はねぇだろうな」


 アルバートの言葉に肩を黄色く光らせてうへぇとうめきをあげるハンク。

 聞いてて勝手に某有名モンスター育成ゲームの如く進化するのかと思っていたハンクは思った以上に彼らの信仰が過酷なんだろうと認識を改める。


「安いよ安いよー!ガチの海水漁から電子漁まで大漁祈願するならクトゥルフ様の霊験灼か!お守りダゴンちゃん人形だよぉー!」


「お守り祈願に安産祈願!シュブ=ニグラスの子山羊の爪だぁよ、よっといでぇ」


「サイメイギの涙だよぉ、お子さんの怪我に一塗りすればたちまち治るよけっけっけ……」


 バカにしてはいけないというが、観光客らしき異種族を引っ掛けては怪しいグッズを売り捌く出店の深き者達にハンクは怪訝な顔をして肩を紫色に光らせた。

 紺色が青にまで戻ってきたヘレナが落ち着いてハンクの手を掴みつつ解説する。


「あれが例のご利益グッズですね、彼らの信じる神々は上位存在として実在しているものが殆どです、その位にもよりますが本当にご利益があるグッズの販売が深淵協和社の強みで宇宙各地の受験生や魔術師に需要があるんですよ、通販もやってます」


「実在する神ね……地球の神ってやつももっと表沙汰を増やしてればもうちょっと此処の商品にもありがたみを感じれるのかね」


「馬鹿言うな若造がぁ、例えばさっきの店なら最後のサイメイギの涙って奴だけホンモノだ

100年生きて霊的視覚能力を育てでもしねぇと、此処でショッピングなんてできねぇよ

買うなよ、怪我は治るがそのあとゾンビになるからな」




 業務用でも見ないような、これまた12階建ての壁面に幾つもの出店が並ぶ広大なエレベーターが揺れながら降りていく。

 やがてその自動ドアが城門のように開くと、見慣れたフラッシュの嵐が圧倒的な物量で最前のハンク達に押し寄せる。


『地球チャンプ!冥王星への進出に関して思うところは!』


『ノイズ社長は無名とあなたに仰ってますが何か意見は!!』


『はい降りるから降りるから! 質問は会見でお願いねー!』


『高次元存在の方は選手に当たって揺らぎに巻き込まないでねー!』


 地球情緒とでもいうのだろうか、地球のそれに近いデザインのカメラや集音器を構えたパパラッチのような怪物どもが思い思いの質問を投げかけながら押しかけるのを、エレベーター側に構えていた警察官のようなきちりとした格好をした半魚人達が両腕を広げて制する。

 凄いのはダオロス=スポーツのキャスターのような異次元の歪みを持った実態に触れてもその空間ごとの揺らぎをさらに押して制止しているところである。

 少し吐き気を催しつつも、ハンクはそんな警備に「根性あるな」と感心するのだった。


 警官半魚人たちが開けた道をなんとか通って、ハンク達は下の階の大通り中央に敷設された会見台に辿り着いた。

 あおあいてハンクはそこに待ち構える威容を見上げる。


 彼は深き者だ、だが周囲の丸みを帯びた半魚人のフォルムとは明らかに体格が異なり、筋骨は逆三角に隆々としている。

 ボクサーとして臨戦体制を物語りたいのか、それとも彼の宗教上の正装か。

 ボクサーパンツの上からチベットの僧侶のような袈裟を纏い、肘を開けるように捲られた袖から覗く腕には身体改造によって増設したと思しき鰓のような器官がパクパクと開閉している。

 ヘレナがハンクにだけ聞こえるようテレパシーで耳打ちする。


『ダグ=ゾス、先ほどのヨグ=ゾスの一番若い息子で今療養中のクタル=イゴンに次ぐ深淵共和ボクサーのNo.2です……肘のあれは、最近増設したもののようですね。後で調べて……』



『おい、そこのミ=ゴ』


『ぴゃっ!? は、はい?』


 ヘレナの話に割って入るように、威圧的な男のテレパシーがヘレナにぶつけられた。

 ダグはアルバートを押し除け、ヘレナに一歩一歩と近寄りそのヨグほどではないが常人を優に越すその巨体でヘレナを見下した。


「おい、てめぇ……っ!?」


 アルバートは肉声でダグに抗議しようとするが、足元にビシュ、と何かが飛んでアルバートの足元の床材に微かに傷を作る。

 それは水だ、水を肘のエラから高圧力で吹き出したのだ。

 幸いダイヤモンドを切り裂くウォーターカッターのような圧力はないようだが、それでも確かな脅威を感じたアルバートは冷や汗をかいた。


『やべぇな、こいつは親父と違って……若すぎる。 ヘレナを連れてたのは失敗だったか?』


 そう思うアルバートは手が出せず、ヘレナはただ恐怖に髪を紫に染めて震えながらダグを見上げる。


『あ……あのっ、なにか……』


『この地球猿をけしかけた事は許そう。どうせトライスクラップは我に負けて倒産する運命だ』


 地球猿、と彼はハンクを指してそう言った。

 ハンクは「あぁ?」と返したがダグは見向きもせずヘレナに向けてゆっくりと腕を向けて近づけてくる。


『お前の念波は知っているぞ、ノイズコンツェルンの姫株だろう? 親父殿の技術を盗み、トライスクラップに流れ着いた放蕩子株。

どうだ? トライスクラップが潰れたら、我らの……いや我の専属技術者としてその身を捧げるというのは』


 ダグは誘惑、いや一方的な勧誘のテレパシーを投げかけながら手を伸ばす。

 その動きはひどく緩慢だがこれは彼なりの手腕の一つだった、恐怖は長引くほど冷静な判断を鈍らせる。

 事実として、ヘレナの髪は恐怖の紫からどんどん色が暗く沈んでいき体は縮こまり硬直することしかできなかった。

 当然の反応だ、相手は2mを超える巨体を持つ深き者……つまり神の眷属である。

 ただの知恵を持った菌類であるミ=ゴ、しかも非戦闘用バイオスーツしか着た事がないヘレナには、生物的に決定的な格差がある。しかも相手はボクサーなのだ。

 ヘレナは今、蛇に睨まれた蛙そのものだった。


「ぁっ……やっ……」


『丁度そんなスーツをしているのだから、身を捧げるのも手だ……』


 言いかけながらその手がついにヘレナに触れる直前、ガクンとダグの手が後ろに引いた……いや引かされた。

 無視されていたハンクが、右腕でダグの腕を掴んで後ろに引っ張ったのだ。

 ダグはその手を振り払おうとするが、ハンクの肩が紅く光り力を込めるとその腕は万力で固められたかのように動かなかった。

 ハンクは肉声で静かに、しかし確かな感情を込めてダグに語りかける。


「どうした魚野郎、よく聞こえねえよ

試合の相手は俺だろうが、陸地じゃうまく見えねえし喋れねえか?」


 ハンクの言葉は重く、ただ喋っているだけなのによく響く。 

 その理屈はその場の誰も知らない、ただ本能に訴えかける危機感があった。

 ハンクは怒っていた、怒りをテレパシーのように言葉に乗せていた。

 その圧力にその場の誰もがたじろいだ。

 ただ一人、その背に守られたヘレナを除いては。


「……ハンク、さん」


 呆けたヘレナの髪は、恐怖の濃紫から薄い桃色に染まっていく。


「ぐっ……正気の弱い、地球猿が吠えるか!」


「吠えるだけじゃねぇ、ついでに刺身にして食ってやるよ魚野郎!

それとも寿司が好みか? 進化してこいよたこ焼きにしてやっぞ!」


 負けじと肉声に切り替えたダグにハンクが吠え返す。

 アルバートがオイオイ、と呆れたようにいう。

 『半魚人呼び』『日本料理』『信仰を馬鹿にする』あらかじめ教えたタブーをこの数秒で器用に全て踏み抜いたハンクだが、周囲は怒りどころかパパラッチ達を中心にして湧き上がった。


『会見の前にトラッシュトークがもう始まってるぞ!』


『お互い敵意満々だ!これは血を見るか!』


『不信心者め!』『まぁまぁ地球人の言う事ですから!』


 沸き立つ群衆の内容は、スクープを喜ぶ記者やボクシングファン達、タブーに怒る深き者と、それを宥める警官の深き者。

 ただでさえ人でひしめく深淵共和社の大通りで群衆がハンクとダグを中心とした混沌と化していく中……



『鎮 ま れ ぇ い!!!!』



 先に聞いた、エコーがかったテレパシーが響き渡った。

 シン……と静まり返る大通り、群衆をかき分けてヒョコりとハンクの半分ほどの背丈をした蛸頭の怪人が現れたかと思えば、それはムクムクと縮尺を変えてダグと同じ大きさにまで膨れ上がった。

 異次元立体のリポーターが、言葉に詰まりながら状況をリポートし始めた。


『よ、ヨ……ヨグ=ゾス大神官です!!3000年玉座から動かなかった大神官が、この混沌を治めに入ったぁぁぁ!!これは、地球チャンプ死んだか?』


 沸き立つも依然緊張が走るその場で、ヨグはエヘンと咳払いし肉声で宣言した。


「決着はこの場でなく、ユゴス・リングでつけるものとする

互いの暴言の良し悪しもそこで決着させるが良い、それが秩序だなぁ賢者アルバートよ!

試合は星系第三時間帯で7日後!我々が勝った暁にはヌガー=クトゥンへの挑戦権と共にヘレナ=エイクリーの命と身柄を要求する!」


「……へぁっ!?」


 唐突に名前を出されたヘレナは、桃色から黄色に髪を変化させて驚く。


「おい旦那、命かけろってのか」


「かはかはかは、我々が生殺与奪を握るだけだ……我々の奴隷だ、ただ死ぬだけなど生温いだろう?」


 咳き込むように笑うヨグのグニャリと歪む笑顔は余りにも邪悪で、アルバートも一歩押されてしまう。

 だが、ハンクは一歩踏み出してヨグとダグに言う。


「海産物親子が神どころか悪魔気取りかよ、勝ちゃ良いんだろ?」


 ハンクがダグを睨みその腕を離す、ダグは拳を合わせてそれに応えた。


「深淵を舐めるなよ、地球人!」


「一本釣りしてやる、深き者!」


 最早、試合が決まった二人は見下し見下される敵同士ではない。

 拳で語り合う約束を交わした、ボクサー同士である。


 そんな二人を見てヘレナは、胸元に手を合わせる。

 変に動悸が早い、スーツの故障だろうか? しかし……


『……なんでだろぅ、この動悸。 心地いい……』


 その髪の色は、再び淡い桃色に染まっていた。



挿絵(By みてみん)


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