7/22
7:守るべきもの
今日はやたらと蒸し暑い。期末テストの範囲が出そろい、オレは晴秋の家でテスト勉強をしていた。
もう七月も半ばだ、晴秋の育てるコスモスも背を伸ばし始めている。
同時に、オレの家に植っている夏椿も花をつけ始めていた。この夏椿は、オレが生まれた日に庭に植えられたものだ。それなりの大樹になっている。
「お前、もうそろそろ誕生日だな」
「まぁな。咲くのはいいんだけど、一日で散るから掃除がめんどくさいんだよ。なんで植えた本人たちがやらないんだ」
晴秋は少し笑った。
「俺のコスモスみたいに、一年で一斉に枯れる方が面倒臭い」
その笑い声に、少しだけ影があることをオレは見逃さなかった。
オレは昨日の父さんと母さんとの会話を思い出す。