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21:コスモス
その日、とうとうタイムリミットがきた。
晴秋の誕生日。
二人で落ち葉の中を歩く。
下校する道のりで、コスモス畑を見つけた。
そこにだけ群生するコスモス。風に揺られて夕陽に照らされる。
「…綺麗だな」
晴秋はどこか遠くを見た。
「うん」
オレは頷いて、晴秋の手を握る。
大の高校生二人して、手を繋いでぶらぶらとしながら帰る。
きっと、今しか感じられない感情が湧いてきた。
「好きだよ」
オレはその言葉を口にする。
何回言っても足りないその気持ちを。
まるでラブソングを口ずさむように、オレはきっとこいつに何回も言うだろう。




