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13:家族
雨はまだオレの部屋の窓を叩き続けていた。
晴秋の規則的な呼吸と、時計の秒針の音が響く。
「…夏生」
父さんがオレの部屋を覗いていう。
「晴秋くんはしばらく家で預かろう」
「うん…オレもそっちの方がいいと思う」
もし今家に返して、あの無残な花壇を見たら…。
考えただけで背筋が凍る。
晴秋がどうするか…。
「父さん、花壇の話は絶対にしないで。今こいつがあれを見たら何しでかすか分からない」
父さんは無言で頷いた。
「母さんにも、伝えておくよ」
オレの両親も、晴秋があのコスモスに囚われている事を知っている。
だからこそ、伝えるのは今じゃないんだ。
晴秋には、温かい場所が必要だ。
そう、ここのような。




