死の国3
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「ケビアス様、サリテューユ王からの連絡です。『死人の王が復活した』とのことです。」
「何?見せて!」
伝令から書簡を受け取り、隅から隅まで目を通し終わると、ケビアスは大きな溜息をついた。
「人とは、どれだけ愚かなことを繰り返せば反省して、教訓とするのだろうか。」
その言葉に隣りにいたカルタが、ケビアスを振り返り、手渡された書簡に目を通した。
「彼らは不死の王のことについて、どれだけの知識を持っているのだろう。汚染された被害者に対する対応はきちんと理解しているのかどうか、すごい不安なんだけど。」
「俺達、ハーフリング族や幻獣の間でも正しい知識を有する者は少ないはずだ。ましてや族長のフシオがあの状態だ。幻獣達にも期待はできないだろうな。」
カルタの返事に、エルフ王国の対応が不安になったケビアスは、土魔導士を総動員してエルフ王国との間に大至急で国境の壁を造成し、完成するまでの間は厳重な国境警備を行うように指示を出すと、その足で急いで王国に向かって出発した。
本人自体は、死人の王の放つ病原体に耐性を持っているので不安はなかったが、対応を間違えれば僅かな時間で王国中に被害が広がることが予想された。
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「サリテューユ王、時間がありませんので単刀直入にお話しさせて頂きます。死人の王の呪いにより生み出されたグールに噛みつかれると、その傷より呪いが拡散します。おそらくは、身体や体液などの細胞の一つ一つに呪いが刻み込まれ、それが身体に侵入することで新たなグールが生み出されます。更に倒したグールを放置すると次にはゾンビとなって活動を開始し、風化が進むとスケルトンへと変わります。死人の王の呪いに汚染されているかどうかは、浄化魔法により判別できます。軽症の者は浄化されますが、不可能な場合は直ちにグール化しますから、対応できる人間が必要になります。」
「な、なんと!それでは対処しようがないではないですか!」
ケビアスの言葉に、サリテューユ王が立ち上がって、両手でテーブルを強く叩いた。
「まだ、説明は終わっていません。死人の王の呪いのサークルを打ち消す方法は、骨も残さず、細胞の全てを骨や灰を残すことなく高温で焼き尽くすことです。前回の時は、そこにいるフシオ殿の一族が、グール全てを氷結してマグマの中に放り込んで処理しました。死人の王は、火の精霊王がマグマ以上の高温で焼きましたが、心臓だけは燃やすことができずに封印することになったのです。」
その内容に、サリテューユ王の顔色は真っ白になった。ヤジスルの説明では、グールはただ燃やしただけで、骨まで焼いたわけではなく、灰も周辺に飛び散っていたのは明らかだった。
「我々は、この国を放棄するしかないのか?」
その力ない言葉に、ケビアスは申し訳なさそうに言葉を返した。
「もしも先程のような対処法を取っていない場合は、今後、この国のグールやアンデッドは急速に増加するでしょう。その一体一体に個別に対応していくことは、多くの犠牲を生み出すことになります。当然、その責はどなたかが追求されることになります。そのご覚悟はおありですか?」
「シルマリク辺境伯は正しかったということか。」
サリテューユ王の諦めたような言葉に
「シルマリク殿が、どうかなされたのですか?」
ケビアスが尋ね返した。
「死人の王の心臓が持ち出されたと判ったと同時に、国外への移民を希望した者以外の領民全てを最北の孤島へと移住させることに決め、このヤジスルが事件を引き起こすまでに移民を完了し、外部との交流の為の帆船の建造、食糧の購入手配を完了したそうだ。」
ケビアスはその話を聞き、対処法を知っていた者が居たことに驚き、シルマリク辺境伯の顔を思い出すと、一度話をしてみたいと思った。
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話し合いが終わると同時に、ケビアスは城中のエルフに浄化魔法を施したが、幸いにも中等症以上の者はおらず、グール化した者がいないことが救いだった。その後、エルフ王国国民全員が、国外へと避難するのには三ヶ月程を必要とした。
国境では、全員に浄化魔法が施されたが、三割程がグール化し、その都度剣技によって首を切断されたり雷魔法で麻痺させられた後に、流れた血と一緒に身体を水魔法と氷魔法を利用して凍らされ、鉄を生産する為の高炉へと運ばれ、灰さえも残さぬよう骨まで燃やされていた。
その中にヤジスルが含まれていたことは、言うまでもない。
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