死の国2
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「なんてことだ… 」
宮廷魔導士長のヤジスルの前には、二十を超える喰い散らかされた遺体と、数十人の負傷者、その大元となったまっ黒焦げなスミイルの遺体が並んでいた。
「入国した時点で、既にアンデッドに汚染されていたのか。傍迷惑で誠に愚かな息子だ。王への謁見を要求していたが、やはり幽閉が正解であったか。」
そう呟いた後で、犠牲となったスタッフを一人一人確認していき、遺体を全て火葬した後に、埋葬するように指示を出して、ヤジスルは報告するために城へと戻っていった。
土魔導士が庭に直径十メートル程の深い穴を掘り、そこに遺体を並べた後に、火魔導士が協力して、そこにいくつもの大火球が放たれ、真っ黒な煙と灰が空高く舞い上がった。これが新たな災厄の元になるとは、その場の誰もが気づかなかった。
もう一つの更なる悲劇は、治療室となっている本館の食堂で発生していた。
「「ウガァァァァ!」」
治療を受けていた人間が男女に関わらず、
発狂したように騒ぎ出し、真っ赤な瞳で周囲の治療スタッフに襲いかかり、喰らいつき始め、本館は阿鼻叫喚の嵐となっていた。
ーーーー
「ヤジスル様!大変でございます!お館で大事が発生しております。直ちに対処をお願いします。」
「それは、王への報告よりも優先するべきことか?」
顔に怒りを滲ませて、サリテューユ王への報告の為に跪いていたヤジスルが伝令に来た兵士へと振り返った。
「ヤジスル、私のことより死人の王の関連と思われる事件の対処が先だ。もしもシルマリクが言うように、スミイルが持ち出した物が本物の死人の王の心臓であるならば、その復活は有り得ると考えるべきだ。かつてのエルフ王国、古王国をたった一人で滅亡に追いやったその力を侮ることはできん。それにいくら子が成した事件といえど、お主にその責任が無いとは言えん。」
その言葉に顔色を変えたヤジスルは、王の許可を受けて、急いで立ち上がり、王の隣に控えるフシオを一睨みすると、踵を返して急いで部屋を出ていった。
「フシオ、どう思う?」
そうサリテューユ王に問われても、フシオは黙ったまま頭を垂れていた。
「やはり精神を壊してしまったことは間違いだったのか、命令にしか従わぬ者は、もはやゴーレムと同じ。物でしかないということか。寂しいものよの。」
憂いに満ちた表情で、彼女は宰相へと指示を出した。
「伝令をナルシスラ城のケビアスへ、『死人の王が復活した。お知恵を拝借したい』そのように送れ、大至急だ。」
ーーーー
「クソッタレが!あの馬鹿息子は碌なことをしやしない!どれだけ親の足を引っ張れば気が済むのだ!」
その愚息を育てた自分の責任を棚上げして、子供のことを非難するヤジスルは、傍から見れば五十歩百歩の存在だと言えた。溜息をつきながら馬車を駆る御者の目に、先程出てきたばかりの館が大きな火の手を上げて燃え盛っている光景が飛び込んできた。
「ヤジスル様!ヤジスル様!大変でございます!館が、館が燃えております!」
「な、何だと!」
館は、警備していた兵士達に遠巻きに封鎖されており、誰もそれより内に入れぬように隔離されていた。その中に執事長の姿を見つけたヤジスルは急いで駆け寄り事情を尋ねた。
「ヤジスル様、あの後でスミイル様に傷をつけられた者達が、全員スミイル様と同じように狂暴化して周りの者に襲いかかりました。そして、それがかすり傷であっても、彼らに傷をつけられた者達も同じように狂い、手がつけられなくなった為、屋敷の全ての門を閉鎖した所、中より火が上がり、このようなことになってしまいました。」
「やめて!やめて下さい!これは逃げてくる時に転んでできた傷です。化け物に襲われた傷ではございません。お願いです。やめて下さい!」
二人の隣では、そう叫んでいる屋敷の使用人達が、次から次へと捕らえられ、塀の外に応急的に作られた台座から、屋敷の中へと放り投げられていた。また、その際に引っ掻き傷をつけられた者も、同じように今度は自分も屋敷の中へと放り込まれていた。
「申し訳ございません。私の勝手な判断ではありましたが、疑いのある者はすべて処分の対象と致しました。」
「構わん、下人などまた新たに雇えば良いだけだ。今は、この汚染が広がらぬようにすることの方が大事だ。」
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