試練
投稿初心者です。三人で相談しながら書いてますので、ごった煮状態かもしれませんが、生温かい目で見守って頂けると嬉しいです。
更新は、土曜日にまとめて十話前後を投稿させていただく予定ですが、他に良い方法が見つかりましたら、また報告させて頂きます。
よろしくお願い致します。
「まさかですが、お育てになるつもりですか?黒髪黒目の出来損ないですよ。」
イヤらしい笑みを浮かべて、剣を止めたシルマリクを拘束の魔法で固定し、スミイルが、赤子を彼の前から自分の背後へと回した瞬間、アミレイラがその赤子を取り返した。
それに驚いたスミイルが振り向き、呆れたように声をかけた。
「え〜、女王様もこの出来損ないを始末する気はないということですか?」
スミイルは両手を広げて、心底信じられないというようなポーズを取った。
「スミイルよ、お前の魔導師長の職を解任する。この地にお前は不要だ。即刻、王都へ帰るが良い。」
自力でスミイルの拘束の魔法から逃れたシルマリクが、アミレイラと娘を庇うように立ち、憮然とした表情のスミイルにクビを宣告すると、全く予想していなかった彼は、それが全く信じられない、理解できないことであったらしく、激怒し始めた。
「この私を、後々は父の跡を継いでこの国の宮廷魔導師になるべき私をクビ?ありえないでしょ!あなた達のような低レベルで屑のような存在が、私をクビにするなんてことはありえない!あってはいけない!」
「お前は、父親が宮廷魔導師であるというだけのただのどこにでもいる魔導師だ。しかも、セクハラ、パワハラやりたい放題のクズでしかない。父親の権威のゴリ押しでお前がここに着任してから、どれだけの数のメイドや執事、コック、庭師、小間使いが城を辞めていったのか、数えればきりが無いぞ!」
その言葉に怒り狂い、持っていた杖を振り回していたスミイルの手に風鞭が放たれ、その手にあった杖が円を描くように宙を飛び、シルマリクの手に収まった。
「お前が宝物庫より勝手に持ち出したこの神具の杖も返してもらうぞ!お前が手にしただけで価値が下がる。」
杖を奪われたことで、魔力も魔力量も並みの魔導師以下となったスミイルの顔は、茹で上がった蛸のように真っ赤になった。
「返せ!それは私のものだ!私が持ってこそ価値があるのだ!」
「父親からの依頼を装い、魔導師長としての立場を悪用して、我が家の先祖の宝であるこの杖を、あたかも王への献上品であるかのように強奪して私物化した。その罪だけでも死罪とできる。こうして追放するに留めるのも、お前の父親の立場があってこそだ。彼に感謝するのだな。」
そう語ったシルマリクの杖の一振りで、スミイルは入り口の扉を押し開けて廊下へと吹き飛ばされた。
「明日朝以降にお前の姿を見かければ、容赦なく排除する。それが最後の情けだと思うが良い。」
廊下に転がるスミイルに、殺気の籠もったシルマリクの異様に静かな声がかけられ、背筋に寒気が走ったスミイルは、ヒッと息を呑み、這うように自分の部屋へと戻っていった。
「屑が!」
そう呟くシルマリクに、背後のアミレイラが娘を抱きしめたまま声をかけた。
「大丈夫なのですか?あの宮廷魔導士のヤジスルが黙っていますか?」
「その時は、独立するだけだ。本来、この領土は古王国のものだ。お前には申し訳ないが、最悪の場合、お前の姉である現王と袂を分かつことになるかもしれん。それも覚悟の上だ。」
その言葉を聞いたアミレイラは、固い決意を秘めた目で、そのシルマリクの言葉に応えた。
「構いません。この子はエルフの王となるべくして、この世に生を受けました。現世で最も神に近しい存在です。その子を護らずして、一体誰を護るというのですか?」
その言葉に、シルマリクは目を細めて嬉しそうに微笑んだ。この子に掛けた呪いは、全ての魔力を封じる。魔力は循環させ、使用してこそ成長する。娘が自らの力で魔力を成長させることは永久に封じられ、私が呪いを解除しない限りハイエルフに戻ることはない。それこそが彼が真に望んだことであった。
「この娘の名前は、マ・ミア。古代語で真の王という意味を持つマミアと名付けよう。構わぬか?」
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